BL表現を含みますので、苦手な方はスルーでお願い致しますm(_ _)m

 

 

 

 

 

<the view from Changmin>

 

 

 

 

ユノと、初めて一つに結ばれた

 

結ばれた、なんて表現、男の僕が言うのはおかしいかもしれない

でも、二人のした事を形容するにはそれが一番ふさわしいと思う

 

 

そもそも、男性に対して”抱いて欲しい”と思う自分に驚いてしまう

今まで魅力的な女性に対して”抱いてみたい”と思ったことはあっても、その逆はまずない

女性に抱かれるなんて情けないと思うし、そんなカッコいい女性に出会ったこともない

それなのに、ユノには”抱かれたい”と思った

 

 

男性同士が何をどうやって一つになるのか、それくらいは何となく知っている

別に興味があったわけではないけれど、知識、いわば雑学として知っていただけで、だからどうというものでもなかった

それが今、自分の身に起きている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日前に、別れた彼女から僕の同僚の恋人にメールが届いた

その内容は、僕の居場所を知りたいというものだった

勿論、同僚もその恋人も、決して情報を漏らしたりはしなかったけれど、僕の精神的ダメージは相当だった

 

せっかく新しい生活をスタートさせて、ユノという魅力的な隣人に出会い、恋に落ち、そしてひょんなことから付き合うようになって、お互いにどんどん惹かれ合って、今ではなくてはならない存在になった

 

失恋の痛手もすっかり消えて、今と未来しか見えなくて、そんな矢先の出来事だったから不安で不安で堪らない

 

不安、というのは、別れた恋人に気持ちが揺らぐとかではなく、ただ単純に、この平穏な幸せが脅かされるのではないかという不安

そしたら堪らなくユノが欲しくてなって、平日にも関わらず夜遅くに押し掛けて、そしてそうなった

 

 

 

 

ユノが僕の中に入って来た時、当然ながら違和感はあった

変な話、坐剤でもない限り「そこ」に何かを入れることなんてまずないのだから

それでも、その違和感はすぐに快感へと変わって行った

 

ユノの熱くて硬いモノが僕のナカを擦ると、腰の後ろ側がゾクゾクとして背筋を何かが駆け抜けて行った

この感覚は、自分が女性を抱いている時には得られなかったもので、女性は男に突かれている時こんな感覚だったのか...と、変な所で新発見もしたりして

 

きっとユノは、僕がそんな余計なことを考えていたなんて知らないのだろうけれど

 

とにかく僕はこの時、ユノに抱かれる悦びを知ってしまった

そしてそれは、女性を抱いた時のような快楽よりもずっとずっと強く体に余韻を残し、傍にいるだけで体が疼いてしまうような、それくらい中毒性の強いものだった

 

 

事を終えて眠りにつく時も、下着越しに当たるユノのそれが再び硬くなっているのに気付いてドキドキしていた

許されるなら一晩中でも繋がっていたいけれど、そんな事をしたら僕もユノも仕事に支障が出てしまうし、何より性欲が強いと思われて引かれるかもしれない

だから必死で理性を保ってその欲求を呑み込んだ

 

もともと自分は性に淡白な方だったから、こんな風に狂おしい程誰かを求めることは予想外で、きっとこれは相手がユノだからだと思うとまた体がじんじんと疼くようだった

 

 

 

 

 

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翌日、会社に着いてお手洗いの鏡に映る自分を見たら、どことなく気怠い顔をしていた

今朝は抱かれたいのを我慢してキスをする程度で済ませたというのに...

 

どんどん自分がユノの存在に溺れて行くのが怖い

好きなのだから別にいいじゃないかとも思うけれど、夢中になるスピードは普通ではない

ほんの少しでも油断すると途端にユノの顔が浮かんで来てしまって、しかもそれは笑った顔や普段の何でもない時のユノではなく、自分を抱いている時の男の顔だった

 

もう、何もかもがユノに染まってきていた

 

 

 

 

 

 

「おい、チャンミン、今日はぼんやりし過ぎじゃないか?」

 

「え?」

 

 

書類を眺めていたら、隣の同僚が声を掛けてきた

 

 

「さっきから呼んでるのに全然気付かないのな、何かあった?っていうか、あの事だったりする?」

 

「あぁ、いや...ちょっと寝不足みたいで」

 

「ふ~ん、ならいいけど

あ、それで、その後なんだけど、ちょっと今いいか?」

 

「あ、うん」

 

 

立ち上がった同僚に連れられてフロアの奥にある休憩コーナーに移動すると、自販機の前のベンチに腰を下ろした

 

 

「あの後、また彼女にメールが来たんだよ」

 

「え...そうなの?」

 

 

トクン、と心臓が鳴って喉がキュッと締まった

同僚は眉間に皺を寄せて言葉を続ける

 

 

「何かさ...厄介なことになりそうなんだ

お前に会えないなら会社辞めるって言い出してるみたいで

別れたのはお前のせいじゃないのに、ひどい話だよな」

 

「え、なんで会社辞めるとか言ってるの...」

 

「知らねえけど、塞ぎ込んでるみたいで、このままだと体調崩すとか言ってるらしい

仕事にならないから会社辞めちゃおうって、そういうことじゃないの?どうする?」

 

「どうするって...そんな急に言われても...」

 

「だよな」

 

 

 

なんで?

なんで今更?

会えるわけないのに、会いたくもないのに

でも、この事が原因で体を壊すとか、会社を辞めるとか、そんなのは後味が悪い

 

 

「ちょっと考えてみる

でも、会ってどうしたいんだろう?

ヨリを戻したいってこと?」

 

「ん~...そうは言ってなかったけど、会ってケジメつけてきっぱり忘れたい、とか?

お前の気持ちをちゃんと知りたいんじゃないの?」

 

「別れようって言ったのは向こうなのに、ケジメって何だよ...

それに、もうこっちは何の未練も残ってないけど」

 

「とりあえず、向こうにはまだ何も言わないでおくから、だからよく考えてから決めろよ

ていうか、今、そういう相手がいるのか?」

 

 

突然の変化球に、動揺してうろたえてしまった

 

 

「図星か...いつからいるんだよ?

俺、そんなの全然知らされてないけど」

 

「別に、わざわざ報告することでもないだろ?

ほっといてよ、仕事に戻る」

 

「あ、おいっ」

 

 

同僚の追及が面倒臭くてそのままお手洗いへ駆け込んだ

鏡を見ると、思った通り、顔が真っ赤だった

 

でも、冷静になってみて、再び不安が襲って来た

 

彼女は僕に会いたいと言っている

そして、会えないのなら会社を辞めるとまで

 

そこまでして僕とヨリを戻したいのなら、最初から別れるなんて言わなきゃ良かったのに

とは言え、もうヨリを戻す気なんて少しもない

 

 

どうしよう...

 

 

ないとは思うけれど、万が一、刃傷沙汰にでもなったら一大事だ

ここはやっぱりユノに全て打ち明けて相談するべきか

 

 

今朝、今夜はユノのところには行かないと言ってしまった

でも、やっぱり気が変わって行くと言ったらユノはきっと喜んでくれるだろう

いつでも自分を受け入れてくれる場所があることが心底有難いと思った

 

勿論それはユノだからで、他の誰でもいいわけじゃない

 

その後に僕が打ち明ける内容で一気に空気は変わってしまうかもしれないけれど、今はとにかくユノに頼りたいと思った

 

30過ぎの男が情けない話だけれど、恋人に頼るのは必然だよな、とも思った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※画像お借りしました※