BL表現を含みますので、苦手な方はスルーでお願い致しますm(_ _)m
<the view from Changmin>
ユノさんの部屋に押し掛けて、そのまま一緒にシャワーを浴びることになって...と言うか、僕がそうリクエストして、それから...
初めて、後ろの部分を触ってもらった
実を言うと、ユノさんが拒絶反応を示すのではないかと不安だった
それでも今までの流れからして、ユノさんの性に対する好奇心というか欲望はそんなに淡白なものではないと感じていたから、きっと僕の要求に応えてくれるような気もしていた
そしてそれは的中した
自分でも予想以上に気持ち良くて、結局そのままユノさんの前で果ててしまうというとんでもなく恥ずかしい流れにはなったけれど、可能性が広がったことが嬉しかった
そしてユノさんはと言うと、すっかりその気になって、「あともう少しだ」なんて張り切って、僕と繋がることを心待ちにしてくれているようだった
今朝も途中駅までユノさんと一緒で、ユノさんが降車してからは音楽を聴きながら外の景色を眺めていた
引っ越して来て間もなくは、この見知らぬ土地の景色に何の感情も抱かなかった
むしろ、別れた恋人と一緒に過ごした町の影がちらついて切なくなるくらいだった
新しい生活を始めるつもりで引っ越したのに、この町はどこかかつての町と似た空気がしていた
ところがある日、隣人との出会いがその景色をガラリと変えた
ユノさんのことを、最初はただのお節介な人だと思っていたけれど、僕と同じくらいの年齢で、今時には珍しく誠実の塊のような性格で、そして恐ろしく美男子だった
神は二物を与えないと言うけれど、時には与えるのだと実感した
そして、ユノさんと関わるうちに失恋の傷も徐々に癒え始めて、逆にユノさんと関わることが僕にとっては一種の治療になっているようにさえ思えて来て、ここ最近の付き合いで、もう殆ど立ち直ったと言えるまでになっていた
「あ...」
ズボンのポケットに入れたスマホがブルブルと震えて取り出すと、職場の同僚からのメールだった
そして内容を目にして、一気に血の気が引いた
『お前の別れた恋人から、引っ越し先を教えてと言われた』
嘘だろ?なんで今更?
『勿論教えてはいないから安心しろ
でも、かなりしつこかったから参った』
同僚とはお互いに恋人を紹介し合って何度も食事に行ったことがあるから、恐らく同僚の彼女とは女同士で連絡先を交換していたのだと思う
まさか同僚まで巻き込んでしまうとは思わなかったので、突然の事に気持ちが追い付かない
ついさっきまで、自分の気持の整理がついたと感じていたのに...
会社に着くと、早速その同僚とメールの件で話をした
やはり同僚の恋人に連絡が行っていたようで、一緒に住んでいるからリアルタイムで知ったらしい
そしてやり取りから察するに、別れた彼女の方にはまだ未練があるらしかった
今更そんなの無理、それが正直な気持ち
ユノさんと出会ってしまった以上、もう彼女に向けられる愛情は僅かも残っていない
ひとまず同僚には、何があっても決して転居先のことは言わないようにと釘を刺しておいて、そのまま自分のデスクへと向かった
...仕事にならない
まさか、こんなに動揺するとは思わなかった
でもこの動揺は、恋人とヨリが戻せるかもしれない、どうしようという前向きな動揺ではない
ユノさんとの新しい関係が脅かされるのではないか、その不安から来るものだ
まるでフラッシュバックのように、ユノさんの優しい笑顔や、薄暗い寝室で見せた男の顔が代わる代わる脳裏によぎる
今の僕は、身も心もユノさんで埋め尽くされようとしている
それは本当に心地いいもので、温かい感情で包まれている時間を手放したくない
だからこれ以上、別れた彼女から何かアクションを起こされるのは不安でしかなかった
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今日はひどく疲れた
人通りのほとんどなくなった駅からの帰り道を歩きながら、大きく溜め息をついた
珍しく遅くまで残業になってしまったのは、仕事に集中できなかったからではなくて、むしろ仕事に集中していないと余計なことを考えてしまうからだった
アパートに着くと、ユノさんの部屋から明かりが洩れていてホッとする
隣にいると分かるだけでこんなにも気持ちが穏やかになるのは、その存在がそれだけ自分にとって大きなものであるからだろう
本当はこのまま自分の部屋ではなくユノさんの部屋に帰りたい
でもまだそこまで踏み込んではいけない・・気がする
夕飯のカップ麺を作り、冷蔵庫からハイボール缶を出すと、それをテーブルに並べてスマホで写真に撮った
そしてそれをユノさんにメールで送ると、少ししてから「お疲れ様」と返ってきた
たった一言「お疲れ様」と書かれていただけなのに、とてつもなく感動してしまって涙が出そうになった
昼間の出来事があったせいで、精神的に不安定になっているのだと自分でも分かっている
そして数分迷って、ユノさんに電話を掛けた
結局僕は、部屋に押し掛けてしまった
シャワーを借りてさっぱりして出てくると、ユノさんはベッドで雑誌を読んだままウトウトしていた
先に寝ていていいと言ったのに、恐らく僕が出るのを待っていてくれたのだろう、そういう優しさが今の僕には殊に響く
ウトウトしているだけで完全に寝る態勢にはなっていないので、起こそうかどうか迷いながらも明日の支度をしていたら、気配に気付いて起きて来た
ほんの少しの会話を交わしてベッドに入ると、ユノさんは気を遣ってか僕に背を向けた
そしてその後ろ姿を眺めていたら、昼間の出来事を思い出して猛烈にユノさんが恋しくなってしまって、徐々に徐々に、にじり寄るようにユノさんに近付いて行った
そして、寝息を立てている様子を確認して、そっと後ろから抱き着いた
鼻先を擽る後頭部から香るシャンプーの匂いに混じって、ユノさんの肌の匂いに自然と体が熱くなる
腰の辺りがムズムズして、無意識のうちに下半身は反応していた
その昂った部分がちょうどユノさんのお尻の部分にフィットして、気付かれたらどうしようと思いつつも、この状況に興奮もしていた
でも、寝ていると思っていたユノさんは、寝入っていなかった
そうと分かれば開き直るしかなくて、それに、ユノさんが無性に恋しい
ユノさんが欲しい
僕を求めて欲しい
この不安から解放して欲しい
ユノさんで僕を埋め尽くして欲しい
夜中とか、明日も仕事だとか、そんなの関係ないと思った
※画像お借りしました※