BL表現を含みますので、苦手な方はスルーでお願い致しますm(_ _)m

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え...やっぱり飲まないとダメ?」

 

「無理にとは言いませんけど」

 

 

そう言いながらも、二人分のグラスを運んで来た

 

 

「うん...分かった、飲むよ」

 

「ですよね」

 

 

一人ペースの早いチャンミンに釣られまいと、自分のペースをひたすら守って飲んでいたのに、映画の話でつい会話が弾んでしまって、気付いたら500ml缶を3本も空けていた

そして、ほろ酔い気分でチャンミンが食について語っているのを聞いているうちに、その顔の作りに改めて目が行った

 

初めて見た時に印象深かった大きな瞳は、好きなことを語っているせいかキラキラと輝いている

お酒も入ってやや上気した顔は、失恋話をしていた時とは打って変わって明るく楽しげで、身振り手振りを交えてコロコロ表情を変える姿に思わず「可愛い」と思ってしまった

でも、こんな風に無邪気な様子を見せているけれど、昨日のチャンミンはまるで別人だったのだ

 

潤んだ瞳で俺を誘い、理性を奪った

あの時のチャンミンを思い出しただけで、体は容易に熱くなる

 

 

「ユノさん、ワインにしますか?」

 

 

急に話し掛けられて我に返った

全て語り尽くしたのか、すっきりした顔をしている

 

 

「あ...いや、ワインはやめとくよ、悪酔いしちゃいそうだから」

 

「そうなんですか?でも、僕は飲みますよ」

 

 

そう言って立ち上がると、グラスとワインを手に戻ってきた

でもすぐには座らずに、俺に目配せをするようにしてソファを顎で指した

 

 

「あっちでもいいですか?

もう食事も済みましたし、テレビでも見ましょうよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ...」

 

 

チャンミンは大きな溜め息をつくと、空になったワイングラスをテーブルに置いて、ソファの背もたれに身を沈めた

今までで一番と言っていいくらいに顔が赤い

 

 

「どうしたの?飲み過ぎた?」

 

「みたいです、調子に乗り過ぎました

でも、お酒が美味しくて」

 

「そっか、でも、もうこの辺でやめた方がいいよ

さすがに二日酔いで仕事はきついでしょ」

 

 

正直、俺自身はそれほど酔わずに済んでホッとしている

一瞬だけペースが上がってしまったけれど、それに気付いてすぐにセーブしたのでひどくならずに済んだ

その代わりと言ってはなんだけれど...

 

 

「はぁ...何でこんなにお酒が美味しいんでしょうねぇ

ユノさんはどうしてか分かりますか?」

 

「う~ん、ピザが美味しかったから?」

 

「はぁ!?違いますよ、そんなんじゃないです

ふふ...僕は分かってますよ、何でなのか」

 

 

凄く嫌な予感がする

 

 

「何でかって言うとですねぇ

ふふ...ユノさん、あなたがここにいるからです!!」

 

 

ほら来た

 

 

呂律のうまく回らない口でそう言うと、危惧していた通り、俺の肩に頭をトンと乗せてきた

チャンミンのふわふわした髪が耳元を擽ると同時に、ほのかにワインの匂いが漂ってきた

目の前のテレビでは、ニュースキャスターが株価を伝えている

 

 

「今日は完全に酔っ払ってるな」

 

「え?酔っ払ってたらダメですかぁ?

そんな僕は嫌いですかぁ?」

 

「チャンミンて、酔うとタチが悪くなるタイプ?」

 

「ユノさんのせいでお酒が美味しくて、つい飲み過ぎて...

それなのに、そんな僕をタチが悪いなんて言うんですね」

 

 

チャンミンは明らかに、酔うとタチが悪くなるタイプだった

それでもなぜか俺は、そんな風にして甘えた声を出すチャンミンが可愛いと思えた

自分は酔っていないはずなのに

 

肩に乗ったチャンミンの頭の重みと温もりが、抑えていた感情を徐々に呼び起こそうとしている

 

 

「ほら、もう片付けてお開きにしよう

お互い明日からまた仕事なんだし」

 

 

自分の気持ちを打ち消すようにチャンミンの頭を肩から外すと、ソファから立ち上がろうとした

でも、立ち上がることができなかった

 

 

「ん...チャンミン!?」

 

 

チャンミンが抱き着いてきて、そのままソファの上で押し倒された

酔っているとはいえ、相手は俺より上背のある大人の男だ、そう簡単に押し退けることはできない

 

 

「ちょっ...今日はダメだよ、我慢してっ」

 

「無理です、我慢なんてできませんよぉ」

 

 

押し倒された上に両腕でガッチリ体を包まれてしまっているので、どうにも動けない

まさか男に襲われるだなんて夢にも思わなかった

 

 

「あのさ、チャンミン」

 

「なんですか?」

 

「もしかしてだけど...反応、してる?」

 

「...ダメですか?」

 

 

押し倒された時点で、既にチャンミンのそこは反応していた

その硬い部分が太腿に押し付けられていたのですぐに分かった

 

そんなことを知ってしまったら...

我慢していたものも、我慢できなくなってしまう

 

 

「反応したらダメですか?

好きな人のそばにいたらそうなりますよね?

それともユノさんは、僕じゃ興奮しないですか?」

 

「チャンミン...」

 

 

空耳ではないと思う

今、確かに俺のことを「好きな人」と言った

 

 

「俺のこと...好きなの?」

 

 

既に酔って赤い顔が、更に赤く染まったのが分かった

自分で言っておいて、指摘されたら急に動揺して視線を逸らしてチャンミンは本当に可愛い

 

 

「好きですよ、多分

好きじゃなかったらこんな風になりません

ユノさんは...こんな僕を軽蔑しますか?」

 

「軽蔑?しないよ

昨日の俺を知ってるだろ?

俺はチャンミンに興奮して、暴走した」

 

「今夜は、暴走してくれないんですか?」

 

「え?」

 

 

テレビでは、天気予報が始まっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※画像お借りしました※