映画感想「空海 ーKU-KAIー 美しき王妃の謎」 | 大TOKYOしみじみ散歩日記

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お独り様となった50路男の、ぶらぶらノンビリンの東京物語

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書き留めてゆきたいなと、思います

『空海 ーKU-KAIー 美しき王妃の謎』(2018)


貞元20年、西暦804年の冬遅く
一人の遣唐使節の僧が長安へ到着します
正月、宮中に招かれ参内した彼の眼前で皇帝は悶死し
偽りの記録を書くよう命じられた秘書の白居易は若い倭国の僧に導かれるように、悶死をした皇帝の周囲に残された痕跡を認めてゆきます

密教の極意修得にこの旅を捧げていた空海
新しい詩を人々に届けようと苦心していた白居易(白楽天)
2人の友情と謎解きの冒険が始まります

三年放っておいて何故今回見たのかと問われれば
まさかニャンコ映画だなんて思わなかったからですよ!と、逆ギレです

ほぼ全編、見事にCGで描かれた黒猫が妖しく大活躍して、主人公2人を
数十年の歴史を遡らせ、哀れな姫の物語を紐解きます

なんというセンチメンタル
なんというお涙頂戴
でも、ニャンコの想いは純和風の趣で
鍋島家に祟るより大掛かりでありました

なるほど、こうした作りならば
染谷将太の空海は(らしく)て良いですよね
火の玉飲んじゃう北大路空海よりは付き合い易い

まあ原作は夢枕獏さんなので、代表作「陰陽師」の安倍晴明と源博雅コンビを楽しんだ人は
今回の坊主と詩人の麗かそうな組合せも
楽しめると思います

個人的には
松坂慶子さんの想いにウルッとし

玄宗皇帝が安禄山を迎えての舞合戦の激しさに
映画らしいダイナミズムを感じて嬉しかったです

見飽きない作品でした
タイトルがイケなかったなぁ

それにしても陳凱歌 監督
すっかり娯楽映画の巨匠ですな
本人満足ならかまわんですが