映画感想「太平洋奇跡の作戦 キスカ」 | 大TOKYOしみじみ散歩日記

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お独り様となった50路男の、ぶらぶらノンビリンの東京物語

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書き留めてゆきたいなと、思います

『太平洋奇跡の作戦 キスカ』(1965)


日本の敗色が濃厚となった太平洋での戦禍
北部太平洋方面では昭和18年5月末にアッツ島が玉砕
非情無残な全員戦死の報は、やがて同じ運命を辿るだろうと決意したキスカ島守備隊5000名にも届いていました
軍令部ではキスカに助けはやれない
彼らにも玉と砕けてもらおうという考えが大半を占めていましたが川島中将がそれでは余りに無為無策の犬死にに等しいではないかと反発
海軍として万難を排して撤退作戦を敢行したいと申し出、軍令部総長はそれを認めます

川島は急遽、南方方面からある人物を招集
冷静沈着で豪胆、そして名誉や武勲に気を回さない
大村少将に、作戦を任せることにしたのです

こうして
刻一刻と死を待つだけとなったキスカ島の将兵たちを救うために

大村たちは不可能とされる救出作戦に、命懸けで取り組んでゆくのでした
 
テレビで見たのが最初でした
映画館では見ていないんですが、テレビのサイズで見ても救出作戦の後半には毎回ハラハラドキドキします

でも、そんな緊張感を全てその存在だけで落ち着かせてしまう貫禄を
三船敏郎という俳優は感じさせるんです
もう、こうした俳優は現れないでしょう

戦史でも珍しい撤退作戦を描き、なおかつ爽快感を得られる稀有な快作です
團伊玖磨のテーマ曲が軽快で、作品に勢いをもたらしています

東宝の職人
シナリオライター須崎勝弥
監督の丸山誠治
そして特撮の円谷英二の仕事が見事にかみ合った
とても面白い戦争映画です


昭和40年・東宝
製作〜田中友幸
脚本〜須崎勝弥
監督〜丸山誠治
音楽〜團伊玖磨
特技監督〜円谷英二

出演
三船敏郎
山村聰
藤田進/中丸忠雄
田崎潤/平田昭彦
稲葉義男/土屋嘉男
西村晃/佐藤允
久保明/堺左千夫
黒部進/二瓶正也
志村喬 ほか