映画感想「黄色い涙」 | 大TOKYOしみじみ散歩日記

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お独り様となった50路男の、ぶらぶらノンビリンの東京物語

映画・マンガ・小説・芝居・テレビに動物
そして大切な母ちゃんとの想い出も時おり混ぜ合わせて

書き留めてゆきたいなと、思います


『黄色い涙』(2006)


昭和38年、東京オリンピックを翌年に控えた杉並区阿佐ヶ谷
夢と希望で胸は一杯だけど、いつもお腹は空いていた若者たちの出会いを淡々と綴る物語
永島慎二の原作漫画(若者たち)を70年代にドラマ化した際のライター・市川森一さんが映画化でも執筆
徹底して感情の起伏を抑え、喜びも失意も夢の糧と成るならなれとばかりに青春を費やす4人と、一番東京を楽しんでいる気配が濃厚な米屋の住み込み青年
合わせて5人の息吹を画出されました
監督の犬童一心さんはどちらかといえば芝居がかった演技・演出が好きそうですが
実は「メゾン・ド・ヒミコ」や本作のような抑えた演出に長けています


先だって解散を発表した(嵐)5名が主演
私は役者としての彼らしか興味はありませんが、空腹でしょぼくれた姿が印象深かったです

初公開時
千駄ヶ谷にある津田塾大のホールで開催された試写会で、彼らの挨拶のあと見たのですが、女性が九分九厘の観客が静かに挨拶を聞き鑑賞しているのに感心したものです
物語の舞台になった阿佐ヶ谷には10年ほど、彼らと同じ阿佐ヶ谷北のアパートを借りて住んでいました
既に映画のような昭和の面影なんてある筈などありませんでしたが、路地の食堂の壁に小さなピエロの絵が額に入れて飾られていて
永島さんの絵だと、直ぐに気が付きました

嫌いじゃない作品です
(2019.2.5より転載)