映画感想「ヘルタースケルター」 | 大TOKYOしみじみ散歩日記

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お独り様となった50路男の、ぶらぶらノンビリンの東京物語

映画・マンガ・小説・芝居・テレビに動物
そして大切な母ちゃんとの想い出も時おり混ぜ合わせて

書き留めてゆきたいなと、思います


『ヘルタースケルター』

勿体ぶらずにズカズカと踏み入る
可愛くて奇っ怪で哀れな美への執着と、その行き着く先のこれまた醜悪な転落の美学が愉しい

躊躇わずに思いきりやってみました、と作品を見せられたような面白さもあり
監督・蜷川実花の演出は前作「さくらん」より遥かに向上して、自らの美学を突きつけてきます

肉体の悦びを感じさせない性描写の無機質さや
ピンナップをパラパラとめくるようなヒロインの活躍ぶり

彼女は冒頭あっさりと(全身整形)であると見る者は伝えられます

そこで感じるのはヒロインへの同情や憐憫ではないですね
もちろん、嫌悪もそこには感じない



見えてくるのは彼女を食い物にしようとする人々の醜悪な息遣いや、好奇の眼差しです

そんな残酷な毎日を送り
晒される事でしか自己を表現出来なくなってゆくヒロインの生き方は、強烈ですが

私は楽しんでました

全体に新しさよりもサイケデリックな印象や、蜷川の父・幸雄さんのケレンをそこかしこに感じて
不思議な心地よさをおぼえます

無意識に
古きをたずねて新しきを知るような映画を作ったとしたら、面白いですね

沢尻エリカ
新井浩文
桃井かおり

この3人が素晴らしい

欲張らせてもらえば
ラストシーンをもっと(あぶなく)もっと(美しく)もっと(残酷)に出来なかったかな

私だったら花園神社で蛇をかじらせるけど
(`∀´)ギャハハ

もう何度か見直してみたい作品でした

https://youtu.be/LfAlHYwwSHI予告編
(2016.2.14より転載)