あきくんとの不思議な関係が始まってから。




やっぱりまだ好きだから

彼のことを想って

涙が出てくることもあるけど、




一緒にいる時間と一緒にいない時間

両方色々思うことがあり、


なんとなく情が薄れてきて、



「こんな人と一緒にならなくてよかったな」


「やっぱ人として好きじゃないわ」


「やっぱ縁がなかったんだわ」


と冷静に思えるようになってきました。





この半年間、

この国の暑さにやられて脳みそが溶けて、

46歳にもなった初老おじさんの

気まぐれに振り回されて弄ばれた。



そんな結論で

納得できるようにもなってきました。










そういう気持ちの変化の表れで

自分でもびっくりしたのが、


私の誕生日に何を食べに行くかって話。







「あゆみちゃんの誕生日は何食べたい?」


彼が訊いてくれました。




あれは彼の誕生日の日のことだから、

私達は既に

確かに別れに向かっていました。



「え?お祝いしてくれるの?」


「もち」



あの時からだと2ヶ月も先のことだから、

私達も完全に切れて、

私の誕生日なんて

もう完全に他人になってるだろうと思ってたけど、

気持ちは嬉しかったです。





付き合ってるとき、

私は、

自分の誕生日にはステーキ屋さんに連れて行ってもらうと

決めていました。


そこに

ずっと行ってみたいと思ってたから。






でも、

別れてしまった。





彼にどこに行きたいか訊かれて、

私はステーキと同じくらい、

あるアフリカのレストランに行きたいと思いました。





そこは、

私と彼が

出会って初めて二人でご飯を食べに行った

レストランです。


あの日私達は急激に親しくなりました。

私達が始まったのは、

あの日あの場所だったと私は思ってる。



私にとって、

あのお店は

そんな大切な思い出の場所だから、


誕生日にまたそのお店に行きたいと思いました。



行って

彼が私を好きになってくれたときのことを

思い出したかった。






たとえ、


彼は

私を好きになったときのことを

思い出してくれなくても。







悩んだ末、最初は

「私アフリカレストランに行きたい」

と伝えました。



でも、




誕生日数日前になって、


「誕生日なんだけど、

やっぱステーキが良い」と伝えました。







私にとって大切な思い出の場所に、

彼が同じ気持ちで行ってくれないのに

そのレストランに行くのが

しゃくだと思えてきたのと、


アフリカのレストランを

私の中で一生素敵な思い出の場所のまま

残したかったのもあるけど、





でもそれより、

ステーキ屋さんで

高級なお肉をご馳走してもらおうと思ったのが

大きいステーキもぐもぐ









アフリカよりステーキを

はっきり選ぶことができたのは、

自分の中で進歩だと思いました。





なんか、いい気持ちでした桜