あきくんは、
空いている時間は全部一緒にいたいようです。


私は自分の時間が欲しい。

家事もそうだけど、
一人でごろごろだらだらする時間も
大好きで大切なのです。



でもあきくんは、
「21時なんて遅いよちょっと不満
16時から会おうよちょっと不満
という感じです。


16時に迎えに来てくれた
あきくんの車に乗りました。



家に着いたからといって
何をするわけでもなく、

ソファでずっといちゃいちゃしていました。




でもそういうのも、
あきくんとなら嫌じゃありませんでした。





付き合う前は、
あきくんはどちらかというと
ドライな方かなと想像していました。



でも、
「大好き」とか「早く会いたい」とか、
かわいいくらい
気持ちをストレートにぶつけてきます。



「あきくんが
こんなに愛情表現する人だとは思わなかった。
意外です。」












あきくんも
「大好き」を返してほしそうだったのですが、
私にはまだそれができません。






「好きにはいろいろあると思う。

私はあきくんのこと今確かに好きだけど、

この気持ちが恋愛感情なのかは
よく分からない。

でもそれに近いものなのかもしれない。



でも、

この人と一緒にいたら
もっと好きになるだろうという予感があります。

だから付き合いました。」


と正直に伝えました。








シャワーを浴びてベッドに入ると、

あきくんはいつもみたいに抱きしめてくれる。







私は、
あきくんが告白してくれた日から気になっていたことを
訊きました。



「あきくんがどんな風に考えてるのか
正直に答えてほしいんですけど。








私たちはいつ別れるんですか?








どっちかが日本に帰る時ですか?
今が楽しければいいって感じですか?

それとも、その後も…



少し考えた後、
あきくんが答えました。











「俺は、
帰国しても続けばいいなと思ってる」











正直
本当にどっちでもいいと思っていました。

今まで、
前者のスタンスで楽しく生きてきたからです。





でも、

あきくんが
そんな風に思ってくれていることを知って

素直に嬉しかったです。



「今が楽しければいいと思ってるなら
付き合わなくてもいいしな」







あきくんの話だと、

あきくんの任期はあと2年なので、
それが終わるときに
一緒に帰国したいということでしょうか。







「あゆみは?」






「私は正直、
2年後どころか
来年や半年後すら
どうなってるか分からないと思ってます。」



正直に答えます。



「でも、
それを決めるのは私たちじゃないですか。

何をするとか
どこに行くとか
何を食べるとか、

もっと深い関係になるとか
別れるとか、
もしかしたら結婚するとか、


そういうことを、

私たちは
2人の意志だけで決められるじゃないですか。

そういうことが嬉しいなと思います。
すごく。」



そう話したら
泣けてきました。



私は
2年半友基くんと不倫をしていて(chapter2参照)
二人の先には最初から未来なんてなかった。


だから、
あきくんと恋人同士になれて、
この関係がふたりだけのものであることが、
とても嬉しかった。





私が泣いている間、
あきくんが優しく抱きしめてくれていました。






あきくんにとっては
私の話は
期待する回答じゃなかったはずだけど、




私は嘘はつけません。







でも、

「結婚後、

こんな気持ちになることがなかった。

2日と一緒にいると、

「俺の時間が奪われてる」

と思うんやて。」


それから、

「すっごい幸せ」


あきくんは言いました。