11月に訪ねた珠洲の様子です。
能登らしい風景だなと思って撮った。
珠洲では9月から11月まで奥能登国際芸術祭が開催され、地域のあちこちをバスなどで巡って
里山にとけこむ芸術作品を見るアートイベントを開催していました。
最果ての芸術祭と名付けられていた。
その中でもすばらしいのが、スズ・シアター・ミュージアム。
珠洲市大谷地区の旧西部小学校体育館をミュージアムに改築してできた。
スズ・シアター・ミュージアム「光の方舟」。
もともと「奥能登国際芸術祭2020+」にオープンしたものが、常設になった。
建物の中がまるごと楕円形の劇場空間。
奥に見えるのは、市内で収集した民具を保存・調査・展示する博物館、
階段が座席となり、向こう側に人が座っているのが見える。
手前の白い泡のような日本海の白波、波の華に見えるのは映像で、シアターが始まると・・・
青い海に切り替わる。
空間の中に、古い民具の展示現代美術作家のアート作品を展示する美術館が融合し、
地域の体育館がミュージアムとしてよみがえった。
地元の漁師の民謡なのか、労働歌というのか、迫力があって胸に迫るものがあり、
圧倒される。
波の様子は投影された映像で、空間と一体となって変化する
蔵から集められた古い農機具たち。
珠洲の家々に眠っていた民具、生活用具を収集・保存し、アート作品として新たな価値を付与する、
他には類を見ないプロジェクト。
輪島塗りのお盆やセット
珠洲の風習「よばれ」で使われてきた赤御膳
ユニークな発想から誕生したスズ・シアター・ミュージアムは、
奥能登の生活文化に新たな側面から光を当てるのみならず、地域の生活文化と深くかかわる芸術のあり方や民俗資料の収集・保存の方法についての議論にも、重要な一石を投じる存在となるでしょう。
農業・農村を取材している私には、もうめちゃくちゃ感動しました。
古い農機具がこれだけ一斉に集められることはまずない。
集める時に、持ち主や農家から聞き取りをして、時代や使われ方、まつわるエピソードなども
記録したのというのだ。
単にアートだけでなく、民族学的に記録している。
きょう、HPを確認したけれど、
「公式WEBサイトは珠洲市の復旧の目途が立つまで更新を中止させていただきます」。
というだけで、ここの被災状況がわからないけれど、復興を祈るばかり。
西部小学校のランチルームの名前からとった「潮騒レストラン」。
どの席に座っても能登半島の外浦を眺められます。
里海里山のランチプレート
梅貝が能登らしい~。
11月当時の、白米の千枚田
なんと、夜になるとひと気のない中で、ライトアップはいまも灯っているという!!
はじめ、Facebookでその投稿を見つけて驚いた。
現地入りしている写真家が、投稿していた。
昼間の千枚田を歩いて取材しているメディアはちらほら出ていたが、
メディアも能登では宿泊できないので、
ほとんどが昼間のうちに取材し、夕方には金沢方面へ帰っているという。
だから、日没を感知して点灯するこの灯りを知る人はいなかったようだ。
調べると、この「あぜのきらめき」は2012年からで、毎年冬のオフシーズンに点灯している仕組み。
一つずつLEDのソーラー蓄電池の電球だから
地域は停電になっていても、この灯りがともるという仕組み。
おそるべし自家発電、自給は強いということよね。
以下、産経ニュースより
能登半島地震では石川県輪島市の観光地「白米千枚田」も被害を受けた。
ベジアナあゆみ