世界農業遺産の「大崎耕土」を訪ねてきました。
NPOで運営する「むすびや」
「ゆきむすび」という品種で、もっちもち。
うるち米ともち米の中間の性質をもつ「低アミロース米」。モチモチ感と粘りがあり、冷めても硬くなりにくい特徴があり、おむすびやお弁当に〇適!
 
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お店の中に積み上げられた新米の袋。鳴子の米プロジェクト「ゆきむすび」
こちらのお米は販売していません
なぜならCSAだから。
CSA=コミュニティがサポートするアグリカルチャー。
地域支援型農業の先駆け。
地元鳴子温泉のお米を観光地でもある鳴子温泉の旅館など地元で使おうという連携。鳴子の米プロジェクト 。

CSAで約束を交わした消費者が直接取りに来る拠点としておむすびやの店舗が役立つ。
おむすび買いに来た人が、お米を買いたいと言っても、
「予約済みで、売れないんですの~」というのがCSA。
よかったら来年の分、契約してください。その代わり、田植えと稲刈りには来てね。というお約束。
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店内のおにぎりメニュー
 
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鳴子の米プロジェクトのお米は首都圏にも人気で、
「権兵衛」とも契約!立川の店舗にいけば食べられますよ。
おむすび戦国時代。
60キロでこちらでは付加価値を付けて3万円で売っているが
おむすびにすると10万円になる計算。
お米の消費も、お米そのものよりおむすびをテイクアウトの時代。
一方、家に精米機を持ち、新米にこだわって研いで炊く派もいるとのこと。提供のし方もファーストフードからこだわり嗜好まで多様性。
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#地域の農業をあきらめないと、
NPO鳴子の米プロジェクト理事長の上野健夫さんは語る。
CSAの先駆けとして18年前から始めた。
 
南原集落の家のすぐ裏に続く水路「南原穴堰」を案内してもらった。
昨日までの雪で30cm積もったが、きょうは晴天という絶好の天気に恵まれて。
ひとたび雪が降ると、
冬の間は、大雪に閉ざされて、こんなにほどよく雪道を歩くことはできないそう。
 

 

江戸時代から続く現役の手掘り水路
#南原穴堰
全長で3キロに及ぶ
 
南原穴堰が掘削されたのは正保の頃(1644~1647)とされていることから,築造から370年が経過しています。
取水口,出口もそのままですので,かなりの修復や改修が施されて現在に至っています。県HPより

 

江戸時代から続くヤマの水を引いた水路「南原穴堰」
田んぼへ水を引く用水清掃は大変な作業だが、3キロ全部人力でやるときりがないため、
この堰には「狭間」(さま)と呼ばれるメイン水路の土砂を排出するための「横穴」(高低差の下の方にある穴)がある。
これがすごい。
水を抜く「栓」の役目で、もともとの水路全体にあえて高低差(8回ぐらい)付け、
その低い(谷底の頂点)部分8ヶ所に「横穴」を設けている。
ふだんは水量があるので、多少の高低差は問題なく水は流れていく。
力を発揮するのは年に2回の水路清掃のとき。
まず、横穴の両サイド=少し手前で水をせき止めてプール状にする。
次に、横穴(谷底の頂点)の堰板を外すと、
ドドド―――っと土砂も落ち葉も水の勢いで流れていく仕組み。
人力で落ち葉や土砂をかきだすのではなく、「水の力」を利用する。
土砂も何も一瞬で押し流す水力はすごい。
これが8カ所あり、せき止める作業や堰板を外すなどの手間はかかるが、
手で掃き掃除すると20人で1週間かかったことがあるそうで、
水の勢いを利用すれば、何倍もの効率で清掃できるという。
 
これが作られたのは江戸時代。
水路清掃のメンテナンスを、設計当時から考えた人がいたというのだから、すごい。
向かいの山から測量したという。
 
前に、奥会津で堰さらいのボランティアに参加して、民の力の結集に感動したが、
それとはまた違うこの技術は初めて知ったのですごいと思った。
世界かんがい遺産に推薦したいと勝手に思いました。

 

 

 

 

農とオードブルで=農ドブル
お店の中に2019年の記事が貼られていました。
 
 
日本農業新聞、GIAHS新年号特番取材中~

ベジアナ・ジアスアナあゆみ