昨日は、三芳町の政策研究所で1年間アドバイザーとして関わらせて頂いた「フォレストシティ構想」のまとめの会議でした。
三芳町では、地球温暖化・気候変動に対応するためCO2排出量を2050年までに実質ゼロにする
「三芳町ゼロカーボンシティ」宣言を昨年発表しました。
1人1人が電気やガスの節約、ゴミや食品ロスを減らしていく「行動変容」と同時に、
苗木を配布するなどCO2を吸収する木々を増やす運動も、町民参加で取り組んでいます。
三芳町は3万8千人が暮らす街でありながら、多くの農地と平地林(ヤマ)が残る里山でもあります。
都市と里山、緑、農業を生かした環境と共生する循環型のまちづくりの指標が、
新しく加わる「みよしフォレストシティ構想」です。
大きな柱は3つ。
・緑あふれるまちづくり
・農業で活力とにぎわいを
・スマートでコンパクトなまちづくり
個人、家庭、企業、事業所、町全体で取り組むゼロカーボンシティ!
町民の暮らしと農業(食料生産)が近接している都市農業。
これは海外の都市には類を見ない日本独自の都市のあり方です。
欧米や世界の都市では「食の民主化」や「食料主権」、「食の正義」などと言われ、
食の生産を市民の手に取り戻そう!
食料生産は、大企業や大規模市場流通に任せるばかりでなく(価格に左右される)、個人や家族が自分の力で作る・育てる・養うルートを持つべきだ!
それは、「食へアクセスする権利」、生きる権利、基本的人権である。という論調が高まってきています。
コロナでDIYや自炊が増えたように、
食べ物を自分で作る自給的生産(農ライフ)を、庭の手入れ・ガーデニングの延長に置くことは自然な流れであり、本来人が持つ欲求です。
三芳町をはじめとする「武蔵野の落ち葉堆肥農法」は、
江戸の人口増加にともなう食料不足を救うため→川越藩下が食料を増産しようとした。
→ところが、関東ローム層と言われる富士山の火山灰による痩せた土地だったため、農業に適さなかった
→その解決手段として土壌改良しようと→平地に林を作り(木を植えるところから始まったとは@@!?)
その落ち葉をかき集めて堆肥にして土壌を改善した(一体、何年計画なんだー@@)
→先祖代々の継承が350年続き、今ではふかふかの肥沃な畑になり、
川越イモとして知られるようになった。
→武蔵野の農民すごい!日本人すごい!
という歴史があります。
ふぅ~~。
ご先祖様の何十年の壮大な都市農業計画、頭が下がります。
そりゃあSDGsの理念にも合致するよねー。。
現在、日本農業遺産に認定されている武蔵野の落ち葉堆肥農法は、
FAO(国連の食料農業機関)の世界農業遺産に申請中。
環境を守りながら(環境破壊するどころか改善しながら)、
食料生産という人間の恵み・ベネフィットもいただく。(生態系サービス)
それが、自然と人間の共生する里山システムです。
冬の「落ち葉はき」に参加するということは、
そうしたご先祖様の知恵の連綿とした系譜の1ページに自分も参加する、
しかも楽しみながら体を動かして心も晴れ晴れ、三方よし!ということなんですね。
平地林はみんなの宝 と題してわたしも広報みよしにメッセージを寄せました。
「木を植えて、みどり豊かな景観・環境を形成し、300年以上に渡って継承されてきた
「武蔵野の落ち葉堆肥農法」。
資源循環型の平地林は町のみんなの宝であり、SDGsの土台です。
食料供給や環境への貢献に加え、落ち葉はきなどの農業体験によって農家と町民が連携し、
地域コミュニティを生み出す場になり、町の誇りとなることを期待します。」
三芳町の森と農地を活用した明るい未来、フォレストシティ構想、ベジアナも応援しています。