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JA世田谷目黒の体験農園から、2023年スタート♪本年もよろしくお願いします。

 

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東京・世田谷は毎日晴天続きで、冬野菜は順調ですが、今朝の気温は3度。

外の気温はしばれます。

 

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赤いネギが甘く太く育ってきました。

これはJA指導員の渡辺さんが、利用者の区画とは別に育ててくれたオプションです!

ラッキー。

 

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さて、体験農園で野菜づくりをしていて、いつも思うのは、食べられる野菜以外の、

食べられない部分の多いこと!!

これは「残渣」(ざんさ)と呼ばれます。

 

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でも、農園のすごいところは、この残渣は、「廃棄」するわけではないんですね。

「循環」させるということです。

「残渣穴」といって、土に穴を掘ってここに埋め戻します。

そうすると、数か月から半年とか、長くて1年で微生物が分解してくれて「堆肥」になるのです。

「土に還る」というわけです。

家で出たゴミは、焼却炉で処分しますので、その燃料コストや二酸化炭素が出ますが、

なんと世界における焼却施設の3分の2が日本にあるんですって!

日本は焼却大国!

そりゃ二酸化炭素も出ますよねー。考え直さないと。。。

 

でも、余った葉っぱなどを畑で土に返すと「土壌改良」になり、「脱炭素」にもなるというわけです。

理にかなっていて、気持ちいいですね。

いま、世の中SDGs全盛期で、

循環型、脱炭素、作る責任・使う責任、土壌の重要性、

食料の確保、貧困格差などの問題が言われていますが、

「自分で野菜をつくる」(自給的暮らし、農ライフ)をすることで、

様々な問題が繋がり合い、絡み合っていることを、経験、実感として理解することができます。

そうすれば、自ずと農へのリスペクトは生まれます。

それが「体験農園」の醍醐味だと思うんですよね。

 

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農民作家として知られた佐賀県唐津の山下惣一さんの聞き書き集「振り返れば未来」が、

小農学会から送られました。

山下惣一さんは「小農学会」の代表も務めておられました。

小農とは=小規模な農家や家族農業、都会の家庭菜園で農に関わる人も含みます。

昨年7月に亡くなる直前まで、元・西日本新聞の佐藤弘さん(小農学会の事務局)が聞き書きしてまとめた著作です。

 

大規模農業ばかりでなく、小さな家族の農業の価値を、

成長、規模拡大しなくても、先祖代々連綿と続けていくことが、実は持続可能であり、

しなやかな強さを持つ農業の底力だと訴えて来られた山下さんが、

「振り返れば未来」の中で、「影響を受けた3人の師」の話をされています。

 

なんとその3番目はーーーー

 

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東京・世田谷の飯田勝五郎さん!!!

 

 

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宅地化がどこよりも早く進んだ世田谷にあって、

都市に農地があり続ける価値を訴え、いまの都市農業振興基本法の礎を築いた

飯田勝五郎さんを、山下さんは雑誌の取材で訪ねたことがあり、

そこでの話が忘れられない、農の価値を教えてくれた師として、紹介されています。

 

「金もうけしようとした百姓は全部つぶれた。

だから生き残るためにわたしはその逆を行くんです」

「どんな時代になろうとも、自分の土地があればそこで生きていける。」

 

農業で生きる上で、周囲の環境が厳しくなればなるほど、

農業を続ける思想、哲学、信念が深まり、「農魂」が鍛えられる。

 

それを勝五郎さんに見たと、山下さんは書いています。

 

なんと、わたしが野菜づくりしている体験農園を運営する

JA世田谷目黒飯田勝弘会長は、勝五郎さんのご子息!!

最初のページに出てくる「息子さんと額に汗して肥えたごをかついで野菜を作り、

消費者と力を合わせて東京に農業を残そうと・・・

 

に出てくる、息子さんこそ、JA世田谷目黒の飯田会長なのですー。

壮大な歴史とともに、いま、この世田谷の住宅街の中に農地が残り、

わたしたち市民・区民が野菜作りを体験できる尊さを思いました。

 

 

 

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たくさんの発見と、気づき、感動を与えてくれるせたがや体験農園。

今年もよろしくお願いしまーーす。

 

 

 

 

2023,1,5

ベジアナ・農ジャーナリスト 小谷あゆみ