今日は4月30日、こえ声のブログ2日目です。
東京世田谷暖かいです
手元の温度計23.9°ってちょっと暑いぐらいで
ベランダでは土のリサイクルを今やっております
今日をご紹介します本は、
牧野富太郎「なぜ花は匂うか」
平凡社スタンダードブックスというところから出ています
牧野富太郎って植物学者ですね高知県出身の
植物の話が多いですけどちょっと違う面白い話を見つけたので
読みます
富士山の美容を整える
富士山を眺めると誰でも目につくが東横に一つのコブがあるだろうあれはすなわち宝永山だ。
元来あのこぐの宝永山は昔はなかったものだが今から230年前の宝永四年にあんな事になっちゃった
そこで私は富士山の用紙を元通りに良くするためにあの宝永山を取り除いてやりたいと思う。
それは理由もないことで、もともと富士の側面の石礫岩塊が爆発のために下の方に吹かれ飛んで、
それが積もって宝永山のこぶとなり、
これと反対にその爆発興和くぼんで大穴となっているから、
その宝永山をなしている石礫岩塊を元通りにその窪みの穴にかき入れたらそれでよろしいのだ。
そうすると跡形もなく跡形もなくこぶもなくなり、同時にその窪みもなくなって富士の姿が端然とよくなるのである。
近頃は美容室が盛んで方々に美容院ができ、女ばかりでなくずいぶん男の人までもそこへ出入りする時世だから
富士の山も流行の美容術を施してやる思いやりがあってもしかるべきだ。
そして世人をあっと言わせるのも面白いじゃないかね。
ところがいよいよそれをやると、◯がいる。
もしも私が三井、岩崎の富を持っていたらそれを実現させてみせるけれど、
悲しいかな命なるかな私はルンペン同様な素寒貧であれば、
どうもいくらとそいつ考えてみてもとても一生のうちにそれを実行することは思いもよらない。
仕方がないからこの良策は後の世の太っ腹な人に譲るとしよう。
火山を割くというタイトルでこれは1944年、牧野富太郎82歳のエッセイ
他にもバナナは皮を食うとか
みかんは毛を食ってるのだとか、植物学者から見たエッセイ
ああと3秒それではまた次回~
ベジアナ@植物アナあゆみ