佐渡でトキに会いましたー!
この田んぼ以外でも、片野尾棚田の上の方で(放鳥した場所)、
朱鷺色の羽を見せて優雅に舞う姿を見てきました!
顔のあたりがグレーなのは繁殖時期だから。
昭和56(1981)年、一度野生のトキは絶滅しましたが、
その後、人工繁殖に成功し、今ではなんと400羽が復活しています。
この復活には、環境省や保護団体の活動だけでなく、
地元農家が田んぼや畦を無農薬や減農薬にして、トキのエサ場を整えてきた努力の賜物でもあります。
こうした島ぐるみの活動が、「トキと共生する佐渡の里山」として2011年、
国連の食糧農業機関(FAO)により、「世界農業遺産(GIHAS)」に認定されました。
佐渡市でもトキの環境に配慮したお米(コシヒカリ)を「朱鷺と暮らす郷米」と名付けて、
売り上げの一部を環境保全に役立てています。
続いて訪ねたのは立野地区です。
集落の暮らしを守ろうと、NPO立野福祉会が
「チャレンジド立野」という障害者就労トレーニングファームをつくり、
障害者に雇用の場を作り、古民家で地域交流カフェ「和」などを営んでいます。
地元野菜たっぷりのキーマカレーのランチドリンクセット800円。
単品だと600円。
毎朝精米するという自然栽培のコシヒカリ~~!
ふっくらツヤツヤごはんをいただきました。
食事はキーマカレーのみ!600円!
なぜか伺うと、厨房担当の人がキーマカレーが得意なんですって。
お店は11時から16時まで。
土日祝はお休みです。
えええーーー@@と思いましたが、代表の後賀田さんに話を聞くと、
カフェで働くお母さんたちが土日祝は休みたいからだそう。
めちゃくちゃ働く人ファーストなお店ですね~~。
そりゃそうですよね。集落維持のためにはじまった活動ですから。
お客ファーストなわけがありません。
経営は大変になりますが、なにかもう~ものすごくいいなあと思いました。
だって結局のところ、それがいちばん持続可能である。
ちょうぞ、地元のお母さん3人がランチに来ていました。
なんと佐渡には、地域ごとに「念仏を唱える女性グループ」なるものがあり、
そのトリオなのだそう。
ご詠歌って聞いたことあるけど、そういう感じですかね~。
そのへんの佐渡のしきたりはかなり奥が深いのでまたいつか。
「チャレンジド立野」代表の後賀田さんは、社会福祉士であり、介護福祉士であり、生産者。
いくつもの肩書をもつやり手なのですが、おだやかでやさしい人柄がにじみ出ています。
「チャレンジド立野」では、地域の農家(ほとんど高齢)と、働き口を探している障害者とのマッチングをしています。
農作業の賃金は、いわゆる福祉施設の作業より高く、双方に喜ばれています。
カレーを食べてからお店を出ると、
ちょうど春の土手で、チャレンジドの皆さん5~6人が「江」と呼ばれる用水路の掃除と、草刈り作業をしていました。
この日は5月並みの陽気とあってぽかぽか。
青空と雪山を背景に、とってものどかでおだやかに見えました。
目にした風景がおだやかでぽかぽかであまりにも美しく、絵画のようでした。
自然の中で働いて、報酬をもらって、地域にも環境にも仕事を頼んだ高齢農家にも喜ばれています。
ワンダフルなユートピアは、ここにあったのか~~。
「和」カフェでは、佐渡の米粉のビスコッティやお菓子などをつくって販売しています。
ほかの施設の物販もあります。
今は佐渡を出て東京で暮らす人の家の一角を借りて作業場にしています。
地元在来の黒豆ですかね~
なにか仕分け作業をするひと、ポン菓子の袋をパッケージされていました。
いま国やJAや関係団体では、農業と福祉とをつなげる「農福連携」を国民運動にしようと進めています。
全国で取り組む福祉施設や農業法人も増えています。
「チャレンジド立野」では、農業と福祉と、さらに地域の暮らしを連携させて支えていました。
農福暮らし連携とでも言いましょうか。
農作業を通して、お互いを喜び合い、かけがえのない存在と認め合える、島まるごと家族です。
本当に暮らしやすい地域とは、少なくとも大型スーパーがあることではありませんよね。
都市の不安を解消する居場所として、農村や田舎がむしろ都会に手を差し伸べることができる、そんな時代を感じました。
このところなんだか不安定な世の中ですが、期せずして
佐渡のみなさんに、生き方を教わった旅でした。
つづく(かな)
※ちなみに佐渡へ行ったのは3連休の前の平日でした・。・あしからずmm。
ベジアナ@あゆみ