佐賀県嬉野市「ナカシマファーム」へ行ってきましたー‼️

 

訪ねたのは8月24日。

酪農科学シンポジウム(東海大学)が熊本でその前日にあり、チーズプロフェッショナル協会のみなさんと、

酪農科学会の大学の先生方と、足を延ばして行ってきました。(熊本市内から2時間半)

その後、大雨集中豪雨災害で佐賀県は大変な被害がありました。お見舞い申し上げます。

幸い、ナカシマファームさん周辺は無事のようでした。

 

 

嬉野市の水田地帯の中にある牧場とチーズ工房!

目の前の転作田では大豆畑が広がっています。

大豆を2年~稲を1年のサイクルで作っているそう。

 

 

ナカシマファーム代表、2代目の中島構治さん。
農業法人協会の九州会長も務めるリーダーです。
 
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ホルスタインの搾乳牛が40頭でしたか。

生まれた子牛とか育成を入れるとぜんぶで100頭。

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水田地帯ですから、飼料イネを作って粗飼料自給率は100%地元産。

 

 

 
こちらがウワサのブラウンチーズ!
ジャパンチーズアワー2018で金賞を受賞したブラウンチーズ!
 
チーズを作るとホエー(乳清)という液体が出ますね。
さらにそのホエーを固めてできたキャラメルのようなチーズです~!

 

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奥の茶色いのがブラウンチーズ!
ひとかけ味見すると、キャラメルのさっぱりしたような味でしたー。
ノルウェーにはホエーを煮詰めて作る「ブルノスト」というチーズが伝統の味として知られており、
それをヒントに3年がかりで作り出したそうです。
 
いま、あちこちに酪農家による国産チーズ工房が誕生して、日本のチーズが盛り上がるのは大変嬉しいことですが、
チーズを作るときに出るホエー(乳清)の行き先が問題になっています。

ホエーはプロテインの塊で栄養たっぷりですが、いわばヨーグルトの上澄み液みたいなものですから、
そのまま飲んでおいしいものではありません。そこで!
「ホエー豚」って聞いたことありますよね~。
豚のエサとして与えると、喜んで飲み、しかも豚の肉質がよくなることから、北海道・十勝など
畜産地帯ではよく知られています。
酪農家は廃棄せずに使い道ができて嬉しい、養豚農家もいい栄養補助飼料がタダ同然で手に入って肉質も向上して嬉しい、
WIN-WINの関係です。
ただし、両者が近くにいない場合、遠い距離を運ぶとなると、運賃・人件費がかかり、
しかも生ものですから出たらすぐ運ばないと腐るので、そのための冷蔵施設を作るとホエーの価値より高くついてしまい、
まとめてから運搬することができないんですね。(エコフィードの全般的な問題です)
結果、近くに養豚家がいないと、ホエーの行き場所がないという問題を、日本の多くのチーズ工房は抱えています。
 
その解決策としてのブラウンチーズ!なのです。
 
もちろん、ノルウェーのブルノストを知っている人もいますから、味も追求しなくてはいけません。
その開発に3年かかったそうです。
 
日本農業新聞に載っていました。2019年6月9日付
[未来人材]佐賀県嬉野市  
3年がかりで日本版「ブラウンチーズ」開発 副産物で酪農活性化する3代目中島大貴さん(32歳)  https://www.agrinews.co.jp/p47884.html

 

 
中島家のおばあちゃんは、地元農家女性グループで手作り味噌を作ってきました。
その味噌を使って、こんどは孫が、カチョカバロチーズの味噌漬けを作ったのです。
おばあちゃんと孫の合作!家族が生み出したファミリーチーズです。

 

 
買いたくなるチーズがたくさん~!

 

 

 

しかも牧場直営なので安いー。

ブラウンチーズは1512円でした。それだけ手間がかかるんですねー。

 

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チーズづくり担当の勉強熱心な浦川さん。
大きく切り取った窓がかっこいい。
長男の大貴さんの設計で、お父さんの施工!
おじいちゃんの手掛けた庭がポイントで、春にはツツジの鮮やかな景色に~。

 

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すごいチーズが出てきましたー。
すご過ぎてわたしには説明しきれませんが、平成30年1月に仕込んだもので、1年7ヶ月熟成。
小さな生き物がすごい仕事をしていたのですー。
その味、まったりとマロンのようなクリーミーなコクをかもしだしていました。
 
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中島家の妹さんも東京で仕事をしていたそうですが、チーズをはじめてから実家に戻ってきたそう!
ご両親、うれしいですねーー。
日本の中でも熊本は、北海道、栃木に次いで、酪農が盛んな地域ですが、
酪農家の減少に歯止めがかかりません。
そんな中、チーズ工房は大きな希望です。
 
チーズづくりを通して、家族で酪農をたのしむ。
ナカシマファームのキャッチフレーズは、「らくのうで嬉しいを」。
嬉野市にありますからねー。
 
 

CPAの坂上あきさん、堂迫先生、平田先生、佐藤先生、たみ子さんと記念写真~

ありがとうございました。

 

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ナカシマファミリーと浦川さん、ありがとうございました。
帰り際に中島構治さんがおっしゃった言葉が印象的でした。
乳製品の加工は、ジェラートやヨーグルトやいろいろあるけれども、
チーズは人生をかけることができる。
 
発酵食品ですから、微生物と対話し、成分、温度湿度あらゆる環境に左右されるとてつもなく繊細な仕事ですが、難しいぶん、
人生をかけることができる。
ラウフワークですね。
その3代目の大貴さんはこの日出張中でしたが、思いはしっかり受け継がれています。
 
正午の開店と同時に、何組もお客さんがやってきて、お母さんは奥でお客さん対応でした。
地元内外で人気です。
 

 

それはそうとこの間、友達さっちーの家で

ご一緒したマダム玲子さんがJR九州に記事を書いています!

美食編集者からの視点で参考になります。

http://www.jrkyushu-aruressha.jp/diary/3086

 

 

 

ベジアナ  酪農チーズアナ🧀あゆみ