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昨日の農水省審議会企画部会での畜産農家4人の意見について

きょう付け3/29の日本農業新聞

 

見出しは「国産飼料 安定供給を」


家族農業

飼料米でエサ代2割減

飼料トウモロコシの活用

「飼料の国産化は輸出の付加価値 になる」という養豚・白金豚の高橋さんの意見
 

 

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第三者継承

国産飼料

地域資源活用

女性活躍

子育てや介護などライフステージにあったサポート体制が必要

80歳まで自分らしい酪農を続けるために

 

AIで成績アップ(発情や疾病の検知システムで妊娠率向上)

飼料トウモロコシの生産システムが必要

所有者不明土地

離農マッチング

 

 

花巻市の養豚(白金豚)高橋さんの意見で、

「飼料米の補助金はいつ打ち切られるか不安があるので、子実トウモロコシの普及にもっと力を入れてほしい」という意見があって、なるほどなと思った。

水田を活用する飼料米の政策は、農水省の肝いりの政策なのだけど、

結局、家畜の飼料はトウモロコシだ(コスト面からも)という発言は、現場ならではの声だと思った。

 

それから高岡市の酪農・青沼さんの意見で、

(一般に畜産(酪農)農家は、家畜何頭いるか、と同時に自給飼料はどれぐらいかが問われるのだが)

トラクター買う資金ないから自給飼料はゼロ!でも周りに水田がある!

という答えに、そういうことか〜と思いました。

周りの水田農家に飼料米を作ってもらい、連携すれば、「地域内自給」である。

さらに、青沼さん自身は酪農(乳生産)だけに特化しつつ耕畜連携し、地域に牧場を開放しているので、その結果、

あなたの牧場の牛乳でジェラート作りたいとか、パンとかお菓子つくりたいとか、

小売や加工業者の方からコラボの要望が集まるというハッピーな関係が築けていました。

地域で耕畜連携、6次産業化、農商工連携、すごい!!

新規就農してわずか4年目の、酪農地帯じゃない高岡市の若者が(若干32歳!)、

国の農業政策でいまひとつ仕組みとして達成できなかったことを、片っ端から実現しているのでした。

 

「地域自給率」で考えるべきだろう。

それこそ、本当の意味の効率化だ。

1戸の農家に莫大なロボットや機械の借金を背負わせるなんて、わたしなら手が出せない。

(畜産農家って、ほんとうに高額な投資が必要。

だからわたしのようなチマチマした人間にはとても真似できない。)

だからこそ、家族農業でもリスクや借金や負荷をなるべく少なく続けられたり、参入できる仕組みがほしい。

これからの農業は、法人化しないとだめなのだろうか。

そんなこと言ったら、いまの形態をすべて否定してしまうことになる。

それは違うだろう。

 

法人化もいいけれど、家族農業のまま、もっと続けられる仕組みがあってほしい。

それはやはり多額の新しい投資ではなく、今やってることのコストダウンにつながる仕組みだ。

 

飼料米は、国が補助金を出しているとはいえ、畜産農家にはコストダウンになり、

コメ農家にはコメを作り続ける意義が生まれるので、(しかも瑞穂の国・日本らしい)メリットはあったと思いたい。

 

畜産農家にとって大きな経費は、飼料代である。

輸入穀物を相場の変動に左右されながら、買い続けるしかない。

 

いや本当か?

本当にそれしかないのか???

買い続けない方法はないのか?

 

 

 

この前(3月4日)、

日本草地種子畜産協会による「放牧酪農シンポジウム」が湯島であり、話を聞いてきた。

そのときに足寄町の「ありがとう牧場」吉川友二さんが講演された。

 

PPTを一切使わない熱弁で、

その代りと言って配られた資料はWordで15ページにも及ぶ文章。

読み返すとすばらしく、感動した。

覚えているフレーズを1つ紹介すると、

「アラブには石油がある、ニュージーランドにはクローバーがある」という

NZの酪農家の言葉。

吉川さんはNZで4年間放牧酪農を学んで足寄で牧場を開いた。

 

「アラブには石油がある、ニュージーランドにはクローバーがある」

日本版に置き換えると

「アラブには石油がある、日本には水田がある」

「アラブには石油がある、日本には森林がある」

ではないか。

 

なぜ日本の農業政策は、放牧酪農を進めないのだろう。

日本は土地が狭いというのが、それを覆す意見も吉川さんは書いていた。

必要なのは広さではなくまとまりだと。

しかも最も広いはずの北海道でさえ、放牧は1割に満たないという。

だけど、確かに存在するのだ、放牧酪農家は。

 

(書くとまた長くなるのできょうはここまで)

 

 

 

 

ちなみに日本農業新聞の記事は橋本記者のまとめです。

 

きのうも農水省の会場で取材に奮闘していた橋本記者を見かけた。

 

個人的な話ですが、橋本くんとは中四国支局にいた時代4〜5年前だったか、からつきあいがある。

 

当時わたしは中四国版で「はつらつ相談」というコーナーを毎週担当していた。

農村の暮らしの様々なお悩みに前向き発想の珍答奇答でお答えするのだ。(やっててもおもしろかった。)

東京在住のわたしに中四国版は届かないので、支局が掲載誌を送ってくれるのだが、

そのときに橋本記者から2度、直筆の手紙が添えてあった。

わたしの書きぶりを読んで、おもしろい、学びがあり、ユーモアもあり、ほっこりすると、

つまり褒めて励ましてくれたのだった。

わたしは、そのときの直筆の手紙を今も持っている。というか壁に貼ってある。

自分の励みにしている。

自分の書いたものを読んで、そんな感想を抱いてくれる人がいるのか。

嬉しかった。

きょうも久しぶりに読み返してまた泣きたくなった。

そんなに褒められたことはなかったからだ。

 

だから、橋本記者の仕事する姿を見てわたしは勝手に嬉しくなった。

そういうものでしょう。

人間って。

自分を応援してくれる人はありがたく、嬉しく、自分も応援したくなる。

その逆もまた同じ。

それ以上なにがあるだろう。

 

最近、感じているのは、

農家や農村を応援すればするほど農家に嫌われるというジレンマ。

 

なぜならわたしの好きな農家は小規模農家や家族農業、マニアックな棚田や放牧など・・・。

農業ビジネスとは真逆の農業の価値らしい。

だから、そうではない農業農村関係者の反発を買うという・・・矛盾。

それをつぶやいたら、チェンライでコーヒーつくる日本人の友達に、有名税だと言われた。

そうか!有名税か〜〜。

ああ〜。

 

だけどこちらも人の子だから、否定されるとやはり言いようのない気持ちになる。

反論しようかと思うこともある。

けどやはりしないことにした。

(夜の帰り道、何度も独りで反論をつぶやいたけれど〜)

 

そういうとき心に刻むのはこの言葉。

 

Living well is the best Revenge

優雅に過ごすことは最大の復讐である。

 

村上春樹さんのエッセイで知った。

 

リベンジ、復讐という穏やかならぬ言葉を使っているけれど、

その方法は、Living well 優雅に生きる、である。

 

かっこいいですよね。

 

ブログの座右の銘の欄にも記してある。

 

もとをたどると、

確か、村上春樹さんは

アメリカの作家カルヴィン・トムキンズが書いた小説のタイトルだと紹介していた。

「Living well is the best revenge(優雅な生活が最高の復讐である)」(1971年)という作品で、その中にスペインのことわざだと紹介されているという。

 

ついでに検索すると、

17世紀のイギリスの詩人ジョージ・ハーバートのこ詩集かことわざ集に出てくるという話もあった。

スペインか、イギリスか。

出典はわたしにはわからない。

 

だけど、わたしは村上春樹さんに教えてもらった。

20年以上たっても忘れないでときどき思い出す。

十分じゃないか。

 

 

好きな作家を持つ。

そして、

うまい言葉を持つことは人生の救いだと思う。

 

持たない人よりはね。

 

 

憂いを数えればキリがない。だからこそ

ポジティブにいきたい。

 

 

 

ベジアナ・あゆみ