ハートネットTV 介護百人一首2017 夏編

いよいよ今夜20時〜NHK Eテレで放送します。

ゲストは松島トモ子さん!

96歳のお母さまが認知症になり、いまご自宅で暮らしながら介護しているお話をしてくださいました。

 

介護百人一首とは?

介護する人、される人が、日々の暮らしの中で感じながらも、相手や家族には言えない、他の人にもなかなか言い出せない思いを、五七五七七の31音にしたためた短歌です。

NHKでは毎年この介護にまつわる短歌を募集しており、全国からお寄せ頂いた1万2千首を超える作品の中から、選りすぐられた珠玉の百首が介護百人一首です。

番組はじまってなんと13年、毒蝮三太夫さんとわたしとで司会をさせてもらっています。

 

今回、夏編では、20日(木)27日(木)の2夜にわたって入選作をご紹介します。

ハートネットTV 介護百人一首2017HPより抜粋です


もったいないまだ使えると紙おむつ洗う母の背白寿近し(熊本県・島野征志さん)

98歳の母は使った紙おむつを洗濯機に入れて洗ってしまいます。

度々のことなので電源を抜いておいたら、自分の手で洗い始めました。

これだぁれ?シワクチャだねと虫眼鏡かざしてのぞくスマホの画面(東京都・星野潤之介さん)
施設で暮らす101歳の祖母は認知症が進み、自分の顔も分からなくなってしまいました。

 

2日前、ニュースで、大山のぶ代さんを介護されていた砂川啓介さんの訃報がありました。80歳でした。

砂川啓介さん大山のぶ代さん夫妻と毒蝮さんは50年以上、家族ぐるみの仲よしで、

じつは大山のぶ代さんが認知症になっていることを、公表するよう砂川さんに勧めたのも毒蝮さんです。

そんなご縁で2年前の2015年、番組にも出演していただきました。

http://ameblo.jp/ayumimaru1155/entry-12106198293.html

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本番だったか打ち合わせは、いつもの友達同士の会話そのもので、

その日の珠玉の言葉は!
「ユミケイコは潮慢太郎さんの娘ー!」と毒蝮さんが叫んだと、

わたしはブログに書いていました。

https://www.instagram.com/p/-1CEjhr5sG/

どちらの名前もまったくわからなかったけど覚えておかなくちゃと思ったのでした。

 

砂川さんは歌手が本業ですから、毒蝮さんとライブにもお邪魔したこともあります。

http://ameblo.jp/ayumimaru1155/entry-12031343841.html

よく↑見たらすごい豪華メンバーです

ともかく毒蝮さんのおかげで、いろいろなところでご一緒させていただきました。

砂川啓介さん、ありがとうございました。

 

2004年から介護番組の司会として様々な家族の介護や現場を見せてもらってきて、また毒蝮さんというすごい人の隣で、お話を聞かせて頂いてきて、

あらためて思うのは、わたしの死生観は、

もしかしたら人より死に親しみを感じているといえる気がしてなりません。

 

もちろん、自分の両親や家族など、最も身近な人を亡くしていないので、

自分のこととしてとらえられていないのかもしれませんが。

死=悲観 ではないという思いがひとつあります。

 

実は今回、VTRで紹介した100歳を超える方が、スタジオ収録の前になくなられたと知りました。

なくなったことをどう紹介するのか。

番組スタッフとも話し合いました。

 

102歳でお亡くなりになったトシエさんが、施設へ訪ねてきた孫に残した最後の言葉は、「いつでもいらしてね」でした。

お孫さんに俳句を教えてくれたおばあちゃんの最後のメッセージ。

こんな美しい日本語があるでしょうか。 

トシエさんの死を悼むことは当然のことですが、同時にわたしは嘆くだけでなく、

トシエさんすばらしいですね。いいものを残してくれたんですね。ありがとうございますと言いたくなりました。

「いつでもいらしてね」

すばらしい最期です。

 

 

そんなわけなのでわたしは、番組の中で、毒蝮さんと松島トモ子さんに、

身近な人の死をどう受け止めるか、教えてもらいたいと思いました。

 

永六輔さん、立川談志さん、

毒蝮さんの友人でもあり、ラジオ番組の仲間でもあり、

わたしはやはりどちらも毒蝮さんのご縁でお会いしたことがありました。

そして松島トモ子さんも、TBSラジオほかで永六輔さんと長いおつきあいがありました。

 

最も親しい人の死を、残った友達や家族はどう受け止めればよいのか。

 

以前、永六輔さんが、毒蝮さん主催のマムちゃん寄席で語った言葉で、

忘れられない一節があります。

以前にも書きましたが、

今回、番組で松島トモ子さんが、奇しくも同じ話をしてくださいました。

「供養とは、お墓参りに行くことだけではないんですね。

時折その人のことを思い出し、その人の話を残った者同士ですることが最も供養になるんです。」

 

わたしの好きな言葉であり、考え方です。

 

だから日野原重明さんも、佐川啓介さんも、毒蝮さんとの会話ではよく出てくる人が

立て続けにお亡くなりになりましたが、その功績や思い出話をしていくことが、残された者に与えられたことなのだろうなと思いました。もちろん身近な大切な人についてもです。

 

介護を考えることは、

老いを考えることであり、

病いを考えることでもあります。

いずれも避けることはできません。

そしてその先にある死も、誰も免れません。

 

だから今を大事に楽しく生きる。

その人のことを思う。

それは少しも相反することではありません。

 

明るく前向きにいきましょう。

 

ここ数日、そんなこと考えながら仕事しています。

ハートネットTV 介護百人一首2017 夏編

いよいよ今夜20時〜NHK Eテレで放送します。

 

 

小谷あゆみ