おはようございます。
昨日まで静岡県の農村で、何を見ても何を見ても感動して感動して帰ってきました。
びっくりするような山岳地帯に点在するお茶畑をみて、
なんども、「耕すなあ」とか
「しかしなんでこんな狭くて急な土地まで耕すのか」と
感嘆と疑問を交互に抱きました。
そしてそれは、「静岡すごい」であると同時に「日本すごい」なのでありました。
外部からの訪問者であるわたしにとってそこに暮らす人は「地の人」です。
日本の農村を訪ねることは、日本人という民族を考えることにほかならないと思いました。
お茶栽培のむらで、
わさび栽培のむらで、
棚田のむらで、
一日も休まず働くとうもろこし畑で
あらゆるむらで
なんども思いました。
そうして、昨日、東京へ帰って来て友達に会ったら、
2017.7.4に発足した 「日本の種子(たね)を守る会」 のパンフレットをもらいました。
この国民運動の集会に参加してきたという。
「種子法」が廃止されたので、それに代わる法律を新たにつくろうという動きなのだという。
https://www.facebook.com/taneomamoru/
わたしも一緒に行かないか誘われたけど収録があり行けなかった。
このリンクを貼付けるだけでは読む人に伝わらないだろうと思って、
きょうは朝からこのことを考えています。
明日からまた出張が始まりますが、きょうは貴重なお休みです。
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そもそも「種子法」とは?
「主要農作物種子法」、平成30年4月に廃止となることが4月に決まりました。
制定されたのは昭和27年、戦後の食糧不足のもと、国の責任でコメや大豆、麦などの主要農作物の種子を安定的に生産・供給するためです。
ところが今年4月、日本政府は「種子法」が民間企業の種子事業への投資を阻害しているとして、突然廃止したのです。
「食料主権」という言葉があります。
国民が何を食べ、農家が何をつくるかを決める権利で、基本的人権そのものです。
国の民が健康に生きる権利として、外部からやってきた企業などがお金儲けのために農地や農産物の「種」を支配することを認めるわけにはいきません。よね。
この食料主権についてはまったく議論されないまま、種子法は廃止されてしまいました。
http://biz-journal.jp/2017/06/post_19331.html
「種子法」が廃止されてしまってからの動きでは遅すぎるでしょうか。
では黙って見過ごすしかないのでしょうか。
「じぶんの国のお米と麦と豆」という主要な農産物を守る法律が、日本からなくなってしまった。
決めたのは日本政府です。
わたしたち(市民、生活者、消費者)はそのことをどこまで知っていたでしょうか。
(恥ずかしながら打ち明けますと、わたしも勉強不足で出遅れてしまい、廃止が決まる前に何も行動、発信しなかったことを反省しています。)
種子法の廃止が日本人の食べものにどのような影響を与えるか、知っている人はどれぐらいいるでしょうか。
今日のブログではもう一つ、提示したいテーマがあります。
同時にたった今、7月6日、EUとのEPA(経済連携協定)で、EUの安いチーズが日本に大量に入ってこようとしています。
https://www.agrinews.co.jp/p38066.html/p41295.html
EU側は(チーズ)6万トン程度の無税の輸入枠を要求し、日本は拒否。
6万トンは国産のチーズ生産量を上回る高水準。
生産者からは強い不安の声が上がっているが、一定譲歩する可能性が高まっている。
安いことは喜ぶべきでしょうか。
国産チーズつくる人はどうなるか?
その原料の牛の乳絞る人はどうなるか?
最近出会う人はほとんどが東京近郊生まれなのだけれど、その両親は?その祖父母はどこからやってきたのか?
日本の田舎(産地、農村)が行き場を失いやがてすたれゆくことは、決してひとごとではなく、じぶんのふるさとを、生まれた場所を、ご先祖を、失うことになるのです。
NHKの朝ドラ「ひよっこ」が好きで見ています。
そして見ながら思うのは、いまなぜこのテーマをやるのか?です。
ビートルズ来日や東京オリンピックに希望を見出していた時代の日本。
いまは人口の集中した東京だけれど、ほんの一世代か二世代前に、ああして
茨城や東北やあらゆる地方から人が金の卵の名の下、労働者として都市に集められ、急激に高度に経済成長を遂げました。
そして振り返ると、ビートルズ、東京オリンピック、大阪万博、テレビ全盛期、バブルというお祭りの時代が終わり、半世紀が過ぎたいま、
その反動で日本という国が衰退しようとしているのを、今一度検証するための人間ドラマとして「ひよっこ」(茨城出稼ぎ女子物語)はあると思えてなりません。
デンマークの科学者で国際トウモロコシ・コムギ改良センターの種子研究者にベント・スコウマン(Bent Skovmand)という人がいます。
このスコウマンさんが提唱し、ビル・ゲイツさんの主導で、2008年、
地球上の種子を冷凍保存する世界最大の施設が、ノルウェー領スヴァールバル諸島の永久凍土の地下に完成しました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/スヴァールバル世界種子貯蔵庫
みんなの好きなビルゲイツさんは、そんな仕事をされていたのですね。
地球に災厄が襲って農業が壊滅しても、世界が立ち上がれるように200万を超える穀物種子が貯蔵されているそうです。
「地球最後の日のための種子」という本にこの種子の貯蔵施設の活動が記されています。
![]() |
地球最後の日のための種子
Amazon |
しかし地球の災厄とは、どうやら地球外からの侵略者ではなく、
地球上にいる人間の心の持ちようなのではなと思えてなりません。
スコウマンさんは、こんな言葉を残しました。
「もし種が消えたら、食べ物が消える。そして君も」。
http://library.naist.jp/library/news/gakuchosuisen/shohyo-17.html
それから菜食主義だったスティーブ・ジョブズさんは、
食べものについてこう語っていました。
「わたしたちのほとんどは自分で食べるものを作っていません。
誰かの作った服を着て、誰かのつくった言葉をしゃべり、誰かが創造した数学を使っています。
つまり生きるということは、常に他の人から何かを受け取ることなのです。
そうした人間の知恵や経験に、別のものづくりでお返しができるならば、すてきなことだ」と。
他の誰でもない、自分たちが食べる食べものを、
代わりに作ってくれる友達を大切にする。
日本の、あるいは、じぶんの国の農業と食べもののこと、種について考えませんか。
じぶんのルーツを失わないために。
というわけで、
わたしはわたしの足元を耕そう〜〜っ。
ちびゴーヤ成長中〜
レジ袋に入れて捨てようとしていた土から、
去年のこぼれ種のツルムラサキが芽生えて成長していました。
ジャックと豆の木みた〜〜い。
種の力すごいなあ。
senseofwonder
ベジアナあゆみ