「大地を守る会」と「オイシックス」が、2017年秋を目処に経営統合することになったというニュースが昨日飛び込んできました。

へええーーー@@!

この統合の意味するものはなにか?自分なりに考えてみました。

 

これまで自然派食品宅配のマーケットは、

①「らでぃしゅぼーや」223億

②「オイシックス   201億

③「大地を守る会」  136億 

統合により、両社の売上合計は337億円となり、自然派食品宅配の「最大手」となります。

経済の世界でいうと②位と③位が一緒になって1位を狙うということですね。

上場しているオイシックスの株価は昨日11%上昇したそうです!

 

さて、経済的にはよいとして、心(考え方)の統合はどうか。

合併したものの、企業体質が合わなくて”#$△%&’()0なんて話はよくあります。

果たして、思想や哲学、志しは添い遂げられるのか。

 

「大地を守る会」のHPによると(その前に「大地」を「守る」という社名がすべてを表しています)

企業理念は

「日本の第一次産業を守り育てる、人々の生命と健康を守る、持続可能な社会を想像すること3本柱に、

その一つとして有機農産物と無添加食品の販売をあげています。」

http://www.daichi-m.co.jp/corporate/

 

一方で、

「オイシックス」の企業理念のページを見ますと、

「かんたんにすてきでおいしい食卓ができる定期宅配です」

「お届けに合わせて収穫」「忙しい人にもぴったり」

https://www.oisix.com/shop.kounyuu--service_image__html.htm?mi2=pc_gnav

(なにかもう少し書いてないかと探していくと、ページの一番最後方に「Oisixの安心安全宣言はこちら」のリンクを発見しました。)

「Oisixはつくった人が自分の子どもに食べさせられるもののみをお届けします」

http://www.oisix.com/shop.g6--aboutus--t_annai_ser_anz__html.htm?mi2=pc_serviceimage

 

ところで、投資家向けのIRニュースというページを見つけました。

2016年5月にオイシックスが「とくし丸」社􏰁􏰁􏰁􏰁株式を取得し連結子会社化いたしました。とあります。

「とくし丸」といえば、徳島県発祥で高齢者の移動スーパーとして全国展開をはじめ、過疎地の課題を解決するビジネススタイルとして「カンブリア宮殿」にも取り上げられていました。

http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/2015/0917/

この春から、オイシックスの子会社になっていたのですね。

http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=announcement&sid=32409&code=3182

 

さて、

これまで業界1位だった「らでぃっしゅぼーや」のHP見ますと、

「有機・低農薬と無添加食品をお届けする」が最初のフレーズで、その次に「おいしくてあんしんな」が来ます。

生産過程が明らかで環境への負荷が少なく…などに続き、

環境保全型生産基準として6つの約束を提示しています。

http://www.radishbo-ya.co.jp/guide/about.html

 

3社のコンセプトのキーワードを拾うだけで、それぞれどんな方向性を持っているか、だいたいの想像はつきますね。

 

ところで、今年7月に「カンブリア宮殿」にらでぃっしゅぼーやが取り上げられたとき

(カンブリア宮殿好きなんですすいません)

らでぃっしゅの国枝社長が、大地を守る会とオイシックスの社長を集めて、3者で会合を設けていたシーンが

すごく印象に残っています。

ライバルが一緒になって自然派食品、有機、オーガニック業界を盛り上げて行こうという考えでした。

http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/2016/0714/

 

2020年の東京オリンピックを前に食の安全性や基準が問い直されています。

2社の統合を見守るとともに、

オーガニック業界全体の動きも注目です。

そして、わたしたちの暮らし方、生き方、ライフスタイルとしてのオーガニックを考え直す時期にきている、

そんな兆しを感じます。

2017年はなにかざわざわしそうですね〜。

http://www.daichi-m.co.jp/info/press/2016/12/p16122201.html

 

ところでなぜわたしがこのような記事を書くかというと、去年「大地にカンパイ♪」というBSフジの番組リポーターとしてあちこちの産地をロケしていたことに加え、

2月の大地を守る会シンポジウムでは、食べる通信の高橋さんや大地の生産者、会員さん達とパネルディスカッションをしたのですね。

そのときのテーマはなんと、

「なぜ業界他社に比べて大地は地味なのか?」というものでした。

なかなかいいテーマでしょう〜。(コーディネーターのわたしが素朴な疑問として投げかけたら採用されたのです。なかなか太っ腹の開かれたシンポジウムでした。)

「大地」を「守る」というコンセプトはすばらしい、日本における有機農業の産直提携の第一人者であり、サステイナビリティが重視されているこれからを予見してきたリーダーなのに、いまひとつメジャーじゃないのはなぜかを話し合いました。

覚えている範囲では、「巨大化するだけが目指すことではない。また、組織は巨大化すると思想が薄まる。多様性の集まりでいこう」

などの話がでました。

最近、「CSA」という言葉を聞きますよね。よね?

CSAとは、Community Supported Agriculture

「コミュニティがサポートする農業」消費者と生産者が直接つながろうという考え方で、(わたしは勝手に「友産友消」と訳しているのですが)

実はもともとは日本の「産直提携(宅配)」が始まりなのです。CSAもしまだご存じない人は覚えておいてね。

もともと「有機」の意味は、「生命力を持つ、命がある」ということです。

いずれにしても「有機的」な関係で仲良く発展を期待したいですね。