9月になりました!収穫の秋!稲刈りの秋です!
次号の「EARTH JOURNAL」コラム(地球を耕そう!おひとりさまの農ライフ)で
稲わらのことを書こうとあれこれ調べていたら…
出るわ出るわいろんな稲わらの活用法!
お米の副産物であるワラ。
焼いてしまうと煙となってはた迷惑になる稲わらですが、
本来は貴重な天然資源であり、手工芸の素材になる「稲わら」です。
夏休みに行ってきた万博公園にある「国立民族学博物館」で見た日本の展示です。
道祖神の仮面(長野市大岡地区)
目、鼻、鼻の穴、唇、見事にすべてわら。
しめ縄のような眉毛とひげでしょうか。
道ばたにある道祖神さん。石碑の神様、こうしたワラ細工で仮面をつくって保護するそう。
毎年、地元の人々によって新しくつくられます。
しめ縄は最も一般的な活用法でしょうね〜〜。
恵方様(富山県魚津市)
形はちょっと意味がわからないのですが、わらのラインが整って美しい。
恵方様とはいわゆるお正月にやってくる歳神様のこと。
しめ縄にもいろんなデザインがあり、「輪じめ」というタイプ。
上の段が、香川県、新潟県、神奈川県、
下の段は2つとも愛媛県。
おもしろいのは、北から南まで地方に偏りがないこと。
実に日本列島のすべての地域で米は作られ、稲わらで〆め縄をつくり、田の神様、歳神様に祈り、豊作を祈願して暮らしてきた民族性を感じずにいられません。
静岡県御殿場市
上の段は愛媛県と香川県で
下の段のスカート状のものに白や紅白の紙垂(しで)が付いているのは、いずれも静岡県御殿場市。
わ、わ、わら人形もあります。
山形県村上市
大男という名前がついている。
富山県射水市
後で調べると、これは、稲わらではなく、マコモ(イネ科)の葉らしい。
写真では縮尺がわかりませんが50cmぐらいあるまさに大男!
http://area.walkerplus.com/walker47/article/detail/ar0516211/le2449/20150529/2_201505291555161706/
射水市の下村加茂神社で平安時代から続く伝統行事『御田植祭』
宮司がもち米の苗を並べる田植えの所作を行い、
イネ科の植物マコモを束ねて作った『大男』と呼ばれる縁起物の人形2体を見学者に向けて後ろ向きになって投げます。
その人形を受けとった人は幸せになれるとされています。
そういえば思い出した。
福島県矢吹町に行った帰りに見つけた。
造り酒屋「大木代吉本店」の「自然郷」の4合瓶はわらで編んだものでした。
カツオの一本釣りの町!わたしのふるさと高知県黒潮町では〜〜〜
かつおのたたきは「わら焼き」です。
たたきですから炭や薪でじっくり焼く必要はないので、
稲わらで一気にぶあああーーっと表面の皮炙るのです。
かつおのたたき(漁業)と×稲わら(農業)のコラボレーションやあああーーー!
黒潮町 土佐佐賀
かつおと稲わらの意外な関係は、これだけではありません。
西伊豆町のカネサ鰹節商店で見たカツオのお飾りーーー!!!
鰹節を上手に稲藁で束ねて〜〜〜
鰹のカマの部分に稲藁を差し込んであります。
お正月に新しい物を飾り、毎年更新するのは稲わらならでは。
漁業、海の仕事というのは命に関わりますから、神様のことを人一倍大切にするのですね。
漁業だけではありませんーーー
稲わらは家畜の敷料にもなります。
(3月に訪ねた福島・田村市常葉町の和牛繁殖農家 国馬さんの牛舎にて)
♪わ〜ら〜にまみれてよ〜育てた栗毛〜
これは牛じゃなくて馬のことを歌ったものですが〜〜。
三橋美智也さん「達者でナ」昭和35年
牛糞と稲藁を混ぜた物は発酵させると堆肥になります。
これをまた田んぼや畑に戻すと
天然の土壌改良になります。
こういうのを「耕畜連携」と呼びます。
耕種農家と畜産農家のコラボレーション!循環型ですね〜。
昔はほかにも、田んぼに刻んで漉き込んだり、しめ縄の他にも、わらじ、みの、納豆のつとなど様々にわらを使ってきました。
青森県や青森市、会津若松市、JAいすみ、長岡市、新潟県では地域ぐるみで「稲わらの活用を推進」しています。
しかしそれは同時に、最近はほとんど農業で稲藁が使われていないことの裏返しでもあります。
おいしいお米だけでなく、
稲わらだって使ってほしい〜。(戸川純)
ある資源は使わなくちゃ。
そのほうが地球も喜びますよね。
ライスなアイデア!
みなさんの身近にもありましたら教えてね。
ベジアナあゆみ