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日本農業新聞コラムに和食を未来へシンポジウムの話を書きました。
料理からあふれる愛情ホルモン オキシトシン、茨城県のレンコン、ピーマンのおかあさん。
母のいなり寿司のこと書きました。
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「今よみ」

お母さんのごはんの力

和食を家庭の手料理から

 全国食育推進大会で「和食の継承を食卓から考えるシンポジウム」がありました。和食会議の熊倉功夫会長や、服部幸應さんほか専門家をパネリストに、私もコーディネーターを務めました。

 時代の変化の中で、和食をつくる家庭が激減しています。世界遺産に登録され、世界中が和食に注目しているにもかかわらず、日本人はごはん、お味噌汁を食べなくなっているのです。

 その打開策として、服部先生は「オキシトシン」というホルモンについて話されました。お母さんが母乳を与えるときに分泌される別名幸せホルモンのことで、これは赤ちゃんにも伝わり、互いを慈しみ、慕う愛情が育まれるそうです。母子以外でも、握手やスキンシップ、そして注目すべきは、料理でもオキシトシンは伝達されるという点です。食事は親の愛を伝える重要なツールだということです。

 先日、農業大国・茨城県の女性生産者を訪ねました。茨城はレンコンとピーマンの産出額日本一です。飯田せつ子さんのお宅では、レンコンのお菓子や、レンコンの梅肉和えがお茶請けに並び、続いて原範子さんのお宅では、ピーマンのおひたし、煮物、ピーマン焼きからピーマンジャムまでピーマン料理の大振る舞いで、どちらも大試食会となりました。

 毎日の仕事のかたわら、どうすればおいしくなるか、人に喜んで食べてもらえるか、味わい方、料理について研究熱心なお二人は、生産者であると同時に、毎日家族のために食事をつくるお母さんでもあったのです。

 おいしいものを作って人に食べさせたいという母の愛情。私も母のことを思い出しました。

以前、実家の母から宅急便でいなり寿司が届いたときのことです。電話をすると、母は姉にも同じものを送ったと話し、『今日は2人ともおいなりさん食べてると思ったらなんかうれしいわ』と言ったのでした。一緒に食べるわけでもない。ほおばるその姿を見るわけでもない。なのに娘2人が自分の手料理を食べていると考えるだけで嬉しいと母は言うのでした。

 母のごはんは、幸せホルモンそのものです。たとえ離れていてもその愛情は家族に、日本中に、世界中に伝わります。和食を未来へつなぐには、おかあさんの味を再評価し、家庭の食を見直すことが必要です。そのためには和食の基本となる農産物の母、農家のおかあさんの出番でもあるのです。

 

 

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今から那覇へ。
山羊のはごろも牧場を訪ねます。
ヒージャー汁いただきま~~す*\(^o^)/*
ベジアナ