安西水丸さんに会いにいってきました~。
個展開催中のスペシャルとしてアートディレクターの藤本やすしさんのお話会がありました。


藤本さんが入社した平凡社で水丸さんは、児童百科事典のデザインを担当していました。長髪で皮のサンバイザーをかぶって、パイプの甘い香りを漂わせている人でした。
藤本さんいわく、
水丸さんはいつもすごいおしゃれで、ファッションの先生でした。格好だけじゃなく、ライフスタイル全てがおしゃれなんですよね。例えば、机に座って食パンにレバーペーストを塗って食べていました。レバーペーストなんてそれまで知らなかったので食べさせてもらったことがあります。それにほんとに机に座る人ってなかなかいないですよね。

あるとき水丸さんが「きょう藤本くんち遊びに行ってもいい?」と聞いてきたんです。そんなこと言うひと小学生以来初めてだったのでびっくりしましたけど、もちろんいいですよって言って、何を話したか全然覚えてないんですけど。
小さなことでもおもしろがれる人でしたね。

水丸さんと嵐山光三郎さんとで「中産階級の友」という雑誌(かページ)を作ってそこに架空の会社があって水丸さんは宣伝部長、社主は嵐山さん、僕もそこに詩人という役割で混ぜてもらいましたけど、何が面白いのか全然わからなかったです。
お2人を見ていてこういうのが東京の人なんだなと思っていました。

水丸さんには物語があるんですよね。
赤坂で生まれて千倉へ行って。そういう物語りがないと有名にはなれないんだなと思って僕はキャップをかぶってメガネとヒゲというスタイルを自分で作りました。

それから何十年か後、安西水丸さんと村上春樹さんの共著「夜のくもざる」のアートディレクターを藤本さんが務めた。本のあとがきに水丸さんが藤本さんのことを書いています。
「MIZUMARU ANZAI1980-2015」は南青山3丁目スペースYUIにて31日まで。

ベジアナ@あゆ