飼料米のことがなにかと話題になっていますが、以前、「畜産コンサルタント」に以前書いた原稿です。

 

 

第58回 

飼料米を食べた元気なニワトリの卵

「こめたま」

青森県南津軽郡藤崎町は、リンゴ「ふじ」発祥の地として知られる田園地帯。

弘前から車で20分、すそ野の広い雄大な岩木山に見守られ、リンゴ畑の間を進んでいくと、白い看板が現れた。

常盤村養鶏農業協同組合、トキワ養鶏である。

1960(昭和35)年に設立された組合で、地域の活性化と飼料の自給率向上を目指し、平成18年から飼料米に取り組んでいる。昨年は412戸で781ha、収量は5000トンを超えた。


飼料米の配合率68%という卵の名は、「こめたま」。

鶏種は国産にこだわった後藤もみじ。当初は玄米で与えていたが、現在はもみ殻をまるごと配合している。その方が、ニワトリ特有の砂肝の働きで、しっかりともみ殻を消化することがわかったばかりか、日を追うごとに砂肝の器官が大きく発達し、健康で丈夫になったという。

また、古川治代表と石澤幸一郎常務のお話では、自社検査によると(検査段階だそうですが)、従来の卵と比べてコレステロール値が半分という結果が出たそう。もともと卵に含まれるコレステロールは良質なものではあるのだが、もみ殻も米ぬかも全部与えることで栄養バランスがとれるらしい。

全身防護服に身を包み、頭も靴もすっぽり覆い、万全の消毒をして、平飼い鶏舎に案内していただいた。中へ入ると、金網の向こうで一斉に逃げたトリたちが瞬く間にどんどん集まってきた。毎日世話をしている人間に慣れているのと、本来好奇心旺盛なのだそうだ。パタパタ、コッココッコ走り回る姿は元気で健康そのもの。平飼いは臭いがほとんどしないことにも驚いた。

直売所で「こめたま」を買って帰り、卵かけごはんにしました。

6個入り600円。決して安くはないけれど…。コンと勢いよく卵を割ると出てきたのは白い黄味!レモンイエローというのか、色はかなり薄い。(ご存知の通り、黄味の濃厚な色は飼料のトウモロコシやパプリカなどの赤い色素によるもの)。色は控えめだがご飯の上に乗せると黄味がぷっくり盛り上がって弾けそうにぷるんとしている。

醤油をたらしてごはんと混ぜると~…。おお、卵がさらっとして、しつこくない!あっさりとした黄味というのか。上品な生卵であった。

 飼料米には鶏糞堆肥を使い、除草剤などは極力控えた土づくりで、田んぼの土が元気になったという。何より感動したのは、ここ数十年見かけなくなっていたホタルが用水に戻って来たそうである。

 飼料米の意義は、良質な食べ物を作るだけではない、土地の力を呼び戻すことができるのだ。本当の農業とはやはり循環、命がつながっているんだな~と教わった「こめたま」でした。そうか、「こめたま」は、この土地と生き物のたましいがこめられたたまごだったのですね~♪

 

青森県南津軽郡藤崎町  トキワ養鶏


元気なニワトリたちでした~♪
「平飼い」といって、広い場所で自由に歩き回れるから心身ともに健康!
ニワトリの品種も国内産の「後藤もみじ」「岡崎おうはん」

鶏舎の一角に直売所があります。

「こめたま」を撮っていたら、トキワ養鶏の営業車が外から帰ってきて、タイヤ4本を丁寧に水洗いしていた。

感染予防には入念な注意を払っているそうです。

 

以前の記事はこちら

http://ameblo.jp/ayumimaru1155/entry-11535520660.html

こちらは京都養鶏さんの黄身が白い卵「穀産」

http://ameblo.jp/ayumimaru1155/entry-10927002028.html

ベジアナ@あゆ