ここから先はこわい話です。苦手な人読まないでね。
あ!切った。と思った。
血のにじんだ指先を水で流して見ると、爪と指先が数ミリ、ナナメに欠けてフラットになっていた。
切り落とした。
皮膚の厚さ、ほんの3ミリほど、傷の広さ、直径7ミリぐらいの楕円形。
指のかけらどこ行ったかと思ったら、包丁にへばりついていた。
欠けた指の先に、かけらをもう一度くっつけた。
「くっついてくれー」と思って。
とりあえずティッシュで包み込んで止血した。
(ティッシュはくっつくからだめだそうですね。ガーゼか清潔な布がよいらしい)
22時になろうとしていた。
痛いやらこわいやらで、頭がぼわーーーっとなり、貧血状態。
なんだこれは。大量出血というほどではないのに、ふらふら立てない。
あわてて水を何杯か飲んだ。
そのあといろいろあって夜間病院に行った。
じんじん。
じんじん。
救急だといってるのに問診を書かされた。左利きでよかった。いや左手にも力が入らない。
血圧測ると、70と40だったか、
ふだん全然低血圧ではないのに。
すごく応対と口の聞き方のよくない若い男性の医師が寝間着みたいな恰好でやる気なそうにのそのそやってきた。仮眠していたのか、深夜に仕事するの確かにいやだろうけれど。
電話の話で軽傷と判断したのだろうが、とても寂しく悲しく不安が募った。
わたし:「とれた部分、くっつけたんですけど。」
医者:「ああ、どうせ腐敗するだけだからはがしちゃって」と看護師に指示。
傷口に消毒をぽんぽん。
「あとは自分で清潔にして。明日もまた来て。痛み止め、出しとくからさ。」
助けてほしくて頼ってここへ来たのに、そういう言い方されて
気持ちがよけい参った。泣きたくなった。
看護師が包帯をまいて痛みどめの薬の説明をしてくれる、けど、目の前がかすんで薬がぼやけて見えない。
出血は大したことなかったがパニックというか気が動転というのか
さらにふら~~~~っと血圧が下がったようで歩けなくなった。
看護師「歩けますか?」
声が音量として出ない。「あるけま せ ん。 」
タンカに生まれて初めて乗せられた。
仰向けで移動って、あれ、ほんと不安。
病室のベッドから天井を初めて見た。
ベッドの足の部分を高くして、小一時間も休めばもとどおりになり、帰宅した。
じぶんの不注意だけに、いやけがさした。痛くて不安で、なにもかも悲しかった。
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翌日(昨日)また病院に行った。
違う医者だった。
よかった。
昨晩の止血ガーゼが血で固まってとれない。
消毒液でふやかしながらはいだ。
こんな痛みがあるのかと思った。
顔をしかめて横をむいて壁のポスターやら別のことに意識を集中しようとふんばった。
傷口はすこしも見る気になれなかった。
傷口を見た医師は、
「ああ、完全に削りとれちゃったんだねえ。これは痛いねえ。ちょっとガーゼはがすけど、ごめんねえ。」
「元通りに(指の先)盛り上がりますか?」
「時間はかかりますね~。でも元通りになります。」
痛みを我慢する極度の緊張で胸が苦しく動悸が激しくまたふわ~~~っとなり、看護師に水を頼んだ。
コップ一杯飲んだらすこし落ち着けた。
血はとまったようでぐるぐるの包帯はとれて、
何かを塗布したあと透明な特殊なテープを巻いてくれたので見た目は絆創膏程度になった。
化のう止めの抗生物質をもらった。
最初の晩にもらった痛み止め(3回分)はもうくれなかった。
痛みどめと一緒に胃薬もくれたのでモルヒネとか相当強いものなのだろう。
「痛い場合は市販の痛みどめのんでもいいですから」看護師が教えてくれた。
昨日と同じく若い男性医師だったが、対応の仕方も全然違う、やさしい。しかもイケメンだった。
痛みで失神しそうになっているくせに、目に入るものは見えるのだ。ほんとうに。
医者は治療も大事だが、それ以外の影響を思った。
そりゃあ重傷に比べたら大したことないかもしれない。
でも軽傷だろうと患者は不安なのだ。
風邪引いていつもよりちょっと熱でたときでさえ、泣きたい気持ちになる。
ああいう不安なとき、やさしく共感・同情してくれるだけで、どれだけ救われるか。
昨日の夜中も明け方もまだじんじん痛くて何度も目が覚めたけれど今はすこしましです。
明日は楽しいロケ!しかし栃木で早朝4時スタート!
いまから前泊のため出かけます。
お騒がせいたしました~。
みなさまもどうぞお怪我なさいませんよう。お元気でお気をつけて。
あゆみ