岩手旅行をしていて、旅館の食事を前に母が言った。

「タケノコが出えへんな~」。


遠野へ行く釜石線で、山の森や林を見ながら母が言った。

「竹がないな~」。


私はタケノコが嫌いだ。


他にはまったくひとつとして嫌いな食べ物がないのだけれど、

唯一、タケノコだけはどお~しても嫌いだ。

食べられない。


今はオトナになったので、チンジャオロースとか春巻に

細く刻んで入っているようなものとか、メンマ(シナチク)は

食べられるようになったけれど、

かたまりの、いわゆる今が旬の「若竹煮」なんかは、めっぽうダメである。


ワタシ以外のオトナは、わりあいタケノコを好む。


季節を感じさせるお料理を出す割烹や料理屋なんかでも

今の時期はたいてい何か一品

必ずと言ってよいほどタケノコ絡みが出てくる。


うちの母もタケノコが好きである。

だぁ~い好きである。

むかし小学生の頃、高知の田舎に住んでいたので

母と犬のチビと3人でよく家の近所の山へタケノコ掘りに行った。


竹林であのニオイをかぐだけでギモヂワルかったけれど、

山歩きとか他の山菜(ゼンマイ、ワラビ)は好きだったので

よく付いて行った。


母の発見(竹がないと言う)を聞きながら、

(うむ、これは聞き捨てならないハナシかもしれないな)と

思った。


以前、【ヨーロッパに竹はない】というハナシを

聞いたことがある。(うろ覚え。中国・アジアにはある)


去年の同じく五月の連休に山形旅行した折りには、

行く先々でタケノコ料理が出てきて、母は喜び庭駆け回り、ワタ

シはこたつで悲しんだ・・・。


山形にはあって、岩手にはない。。。


ということは、竹(タケノコ)の日本の北限はどこなのだろう。。。


Wikipediaによると「竹」は

「気候が温暖で湿潤な地域に生息し、アジアの温帯・熱帯地域に多い」

と書かれているだけだ。

さらに「竹の北限」について書かれたこういうページを見つけた。

http://www.geocities.co.jp/NatureLand/8943/ogawara4.htm

このサイトによると、【岩手南部が北限】と書かれている。

【植えれば岩手北部でも育つ】とも書かれてある。


そうか。

私たちはその狭間を旅したのか~・・・。

しかし春の山を見て、そこに竹林のないと気付くとは、

(あるものに気付くのではなく、ナイことに気付くというのは)

これはなかなかの発見ではないか。と個人的に思った。


二晩目の旅館では小さいタケノコの入った椀物が出たが

メインではなかったです。びみょ~。


但し書き。

竹にも孟宗竹とか真竹とかいろいろあるので詳細はわからないです。