「新人を採用するとしたら、どんな質問をしますか?」
有名コピーライターの仲畑貴志さんに、そう尋ねた人がいた。
すると仲畑さんは「好きなコピーを10個言わせる」と答えたそうな。
コピーライターの採用試験で、
仲畑さんが最初に求めたことは、コピーを書かせることではなかった。
好きなコピーが10個並ぶ。自ずとその人のセンスが浮き彫りになる。
好きなコピーがすら~っと10個出てこないなら、勉強不足である。
またそれは、100個知ってるコピーの中から選んだ10個なのか、
13個のうちの10個なのか。
本当の意味でその業界が好きで、自分の生業にしようとしているのか。
10個のコピーから様々なコトが見えてくるというのであった。
その話を聞き出したのは
『声に出して読みたい日本語』の齋藤孝さんである。(出典のタイトル忘れた)
仲畑貴志さんと言えば、
サントリー「トリス・雨と子犬」シリーズや数々の名コピーを生み出した人で
(「雨と子犬」CMはカンヌ国際広告映画祭・金賞を受賞した)。
肝心なコピーは・・・忘れてしまった。
♪ダディダディダ~ディダ~♪ダディダディダ~ディダ~
雨のそぼ降る中を子犬がさまよう。軒下で雨宿りしたり、
路地から出てきた自転車に引かれそうになったり、
なんか切ない、映画の一コマのようなCMだった。
「いろんな命が生きてるんだな。
元気で、とりあえず元気で。
みんな元気で。
トリスの味は人間味 トリス」
ともかくあのCM全体に漂う空気感を生み出したことがすごいな~。
ちなみに ♪ダディダディダ~ディダ~の歌は
ビリーバンバンの菅原兄弟の弟、すすむ氏だそうです。
81年作品だそうで、当時小学生だったワタシはあの凄さに影響され、
大学2年のとき尼崎から京都まで毎週半年間、コピー塾なるものに通った。
そこで仲畑貴志さんにも糸井重里さんにも、故・中島らもさんにもお話も伺った。
一倉宏さんには宿題で作ったコピーに賞をもらったこともある^^
お題は今も忘れないTOTOのブローバスだった。
だけどコピーの大変さをさまざまな角度から先生方から伺ううち、こりゃとうてい無理だと思ってアナウンサーになった。よかった~^^
それでこの質問はいける~と思ったわたしは早速!非常勤講師をしている専門学校(放送映画科)の学生に「好きな番組10個あげてみて」と質問してみた。
つづく