By 2024.2.6放送 カズレーザーと新知識を学ぶ

『 ツボの効果についての科学的根拠 』のまとめ


近年、指圧や鍼などツボ刺激の効果について科学的根拠が明らかになってきた。

それが、脳内麻薬「オピオイド」

解説 : 新潟医療福祉大学鍼灸健康学科長 粕谷大智

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ツボ刺激で疲労緩和する方法として、
WHO世界保健機構認定で、ツボ は361箇所認められている。

そのうちWHOで認定されている足裏のツボは、左右の「湧泉(ゆうせん)」という2箇所のみ

足つぼマッサージは厳密に言うと東洋医学におけるツボ押しとは異なり、「足裏に全身の部位の反射区」を書いたアメリカ発祥の療法リフレクソロジーに基づくもので、リフレクソロジーの科学的根拠はまだ分かっていないところも多い。




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どういったメカニズムで、ツボは身体に効果をもたらすのか?

ツボを刺激すると、疲れとか痛みが緩和するのは、脳と全身を巡る知覚神経が密接に関係している

全身の皮膚には、満遍なく痛覚を認知する受容器「ポリモーダル受容器」というのが存在する

ポリモーダル受容器は、外部からの、温覚、痛覚、冷覚、の刺激を全て「痛み」と感知して興奮する受容器


痛覚の受容器も使い分けがある。

例えば、足に何かぶつかった時にズキンとする痛みを1次痛と言うが、「高域値機械受容器」が興奮して鋭い痛みを感じる。

その後に残った、ズーンとした重だるい痛みを感知するのが「ポリモーダル受容器」

鍼でツボを刺激すると、この「ポリモーダル受容器」が感知して、知覚神経を介して脊髄に刺激が入り、脊髄鐘楼を通って大脳皮質に伝わるという流れになる

つまり、ツボに鍼を打つことで、ツボからの信号で脳を刺激している。


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ポリモーダル受容器と知覚神経は全身にあるのに、何故、ツボの局所だけがよく反応を示すかと言うと、

皮膚組織を比較すると、ツボには、知覚神経が密集していて脳に刺激を与えやすいことが分かっている。

知覚神経はツボでないところにもあるけれども、密集していれば密集しているほど1回の押しで、脳に刺激を与えやすいということになる。




ツボに存在しているポリモーダル受容器
これが、鍼など外部から刺激を受けると、知覚神経を通じ、痛みを信号として脳へ送る。

それを受け取った脳は、痛みから体を守ろうと修復信号を出し結果、疲労軽減や鎮痛効果などをもたらす。


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ツボにはどれほどの効果があるのか
「筑波大学理療科教員養成施設」で調べた

手の親指と人差し指の間にある「合谷(ごうこく)」というツボに鍼を右手の1箇所のみに刺してみる。




右手の1箇所のみのツボに刺激を与えただけなのに、5分後の治験者の、特に両手の温度が高くなっている。両手ほどではないが、他にも首あたりや胸や腹にかけても皮膚温の上昇が見られる。

鍼刺激によるズーンとした感じを脳で刺激として感じていて、自律神経反射で血管が広がり、全身の皮膚温に影響を与えているからだ。

この時の計測していた自律神経も、
最初の鍼を刺したばかりの時の交感神経は、交感神経(LF)86%・副交感神経(HF)14%に対し、5分後の交感神経(LF)60%・副交感神経(HF)40%と変化し、血流の流れが良くなり、リラックス傾向にいってる事も分かる。

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続いては、「合谷」同様に万能のツボと言われる膝下約9cmにあるツボ「足三里」で検証した

こちらも右足1箇所だけで実験

5分後の皮膚温変化



足の1箇所のツボを刺激しただけで、腹部・首周り・両手に高い血行改善効果が得られた

5分後の副交感神経(HF)は32%も上昇し、同様にリラックス傾向に傾いた。


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一方、消化器官系などの機能を促す「天枢(てんすう)」というオヘソ横にあるツボでも実験したところ、5分後に副交感神経が10パーセント上昇した程度で、自律神経だけでなく皮膚温にも大きな変化は見られなかった。

最後の実験は、眼精疲労に効く髪の毛の生え際にあるツボを刺激。すると、わずか3分で、副交感神経が35%も上昇し、その1分半後は、目の周りの血流が明らかに改善した。

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このように、刺激するツボによっても血流改善や自律神経のリラックス効果が違うことが分かる。

因みに、実験で用いた、万能のツボと言われる合谷や足三里では、腸の収縮を活性化させるという実験結果もあり、便秘改善効果が期待されている。




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鍼は点、ツボ押しは面だが、基本的に効果は同じで、メカニズムは同じと考えてよい。

ただ、凄く疲労を感じている場合は、やはり色々なツボに刺激をした方が、「脳内麻薬のオピオイド」も出やすい。

オピオイドとは、アメリカでは過剰摂取で死亡者も出ている外部から取り入れる麻薬だが、

ここで言う「脳内麻薬のオピオイド」とは、痛みを緩和させる鎮痛や、幸福感や気分の高揚などをもたらす神経伝達物質の一種のこと。

オピオイドが分泌がされるのはツボ押しだけではなく、運動とか、好きな音楽を聴く、甘いものを食べた時にも出る。

実験では、手の合谷に鍼刺激をして30分後に、血液中にあるオピオイドの一種「エンドルフィン」の濃度を計測したところ、30分後のエンドルフィン濃度は3倍くらい増えた。

3倍増えると どれくらいの気持ちよさかと言うと、「ホッとする」とか「気持ちよくて眠くなる」という実感としてあらわれる。




ここで重要なのは、人間には自ら「脳内麻薬のオピオイド」を出させる機序が身体の中にはあり、ツボの刺激によってオピオイドが出やすくなると考えればよい。

例えば、虫歯で痛い時に、「合谷」とかで刺激をすると、脳内麻薬オピオイドが出て、歯の痛みを感じにくくなる。

しかし、刺激のやり過ぎは、だるくなったりするのでよくない。

本当に心地よい感じで、朝昼晩に3~5回、約5秒刺激を与える程度にするだけでよい!


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その他、片頭痛に効果が見られるツボがある

定期的に、ツボ「天柱」に鍼をしていくと、頭痛の回数が減っていく効果もある




自分で天柱を押す時は、頭を少し後ろに倒すと頭の重みで刺激をツボに与えやすくなる。


片頭痛は原因が分からないとかなってしまいそうだが、どういう効果があるのか?

首肩の凝りやストレスを受けた時に、脳の過敏性が増して頭痛がすることがある。

こういうツボ刺激をすることで脳の過敏性を抑制する効果がある。

以上


父親が鍼灸師だった私は、幼少期から医者にかかったことはなく、体調不良時の殆どを、父が得意としていた枇杷の葉温灸治療鍼灸治療で治療してもらってきたせいか、その効果の程は体験的に強く感じている😅

ここ数年は、自分でも趣味で中医学を少しかじるようになっているのもあり、関心ある番組テーマだったので、まとめておきました😊


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その他の覚え
  ↓↓↓
身体の硬さは血管の硬さに比例する❗

血管が硬いということは、血液を全身に巡らせる効率が悪いことを意味し、疲労物質「活性酸素」も溜まりやすい!

血管が硬いから身体も硬くなるのか?
という問いに対しては、「解明されていない」という返答になるが、仮説としては、筋肉と血管の線維化が関係しているのではないか?と考えられる。

ジョギングやウォーキングなど時間をかける有酸素運動、他にはストレッチが、血管を柔らかくするのに効果的。その効果は筋トレよりも高い。

ストレッチの場合は、全身ストレッチがいいが、特に1つと言われたら、ふくらはぎのストレッチが効果的。




筋トレと有酸素運動を組み合わせるなら、筋トレが先で有酸素運動を後にした方が、効果は高くなる。

最も血管の硬化に良くないのは、🚨⚡座りっぱなし

1時間に1度は立ち上がるようにすると良い。

貧乏ゆすりも効果的