今日は高齢の親の介護ときょうだい関係について書いてみます。

介護疲れという言葉がありますが、

体力的なこと以上に、
介護される側当人との心的摩擦の他に
介護を巡るきょうだい同士の心的摩擦もまた人を蝕んでいきます。


■きょうだい間のパワーバランス

年上のきょうだいは知らない間に下のきょうだいにパワハラ気味になっているケースは結構見受けられますえーん

私は、父親の介護の事ではきょうだいに愚痴ったことは無いのですが、父親の介護を巡って、父の再婚相手の奥さんとの心的摩擦に苦しめられていました。

その奥さんのことで姉に愚痴ろうとすると、
姉からは「聞きたくない…」と、はねのけられました。

姉は奥さんからの電話の愚痴に対してはどのように対処していたか知りませんが、妹のことは甘くみていて、平気で「聞きたくない」と言えてしまうようでしたショボーン

世の中の姉に当たる人からは「ソンナコトナイヨ~(>_<) 私は妹に優しいよ~」と批判されそうですが、少なくとも私が見てきている世間の姉妹関係は、何かあった時には姉の方が妹に対して上から目線になりがちです。

傷つけている姉のほうは無自覚で、妹のほうが一方的に傷ついて、その傷ついた心をおさめて何とか水に流そうと努力していることのほうが多いと私は感じています💦 

何歳になっても多分死ぬまで、たかだか2から3歳の年の差を埋めさせて貰えず、姉による上から目線は続きます(>_<)

私たち姉妹だけでなく、私の親友、姑と妹、義妹たち姉妹、姪っ子たち姉妹も同じパワーバランスで、時として姉は妹にパワハラ気味になりがちです。

かと言って必ずしも仲が悪いと言っているのではなく、そういう側面もありがちですね💦という話です。


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父を介護していた時期は、一方的に電話してくる奥さんの言葉を姉は鵜呑みにして、忠告を私にしてくることもありました(>_<) 

何も知らないくせに一方だけの都合の良い言葉を聞いて、言い分を聞いてもいない相手に忠告するのは、絶対にやめて欲しいと、私は不快感でいっぱいになりました。

メインで介護している人に、ほとんど介護に携わっていないきょうだいは、感謝の気持ちを伝えることは出来ます❣️

私も兄と姉から、感謝はされていました❣️


けれど、メインで介護している人の愚痴を、ほとんど介護に携わっていないきょうだいは、共感的に耳を傾けてあげることは出来ないのです(>_<)

だいたいは、私の姉のように「聞きたくない」となってしまうようです。


この「聞きたくない」という人に起きている心理はなんなのか?

私もよくよく考えてみました。


■「愚痴を聞きたくない」理由①

私からの愚痴を受け付けられるのは、友人や、こうしてblogを読んでくださる他人だけで、

親の介護を巡る当事者であるきょうだいにとって、私の愚痴は他人事ではなく我が身に跳ね返ってくる危険性があるから愚痴を聞きたくなかったのです💦

昔から、
「将来親の介護が発生しても自分は遠くに住んでるから悪いけど出来ない。あゆみちゃんに頼むしかないね!」
と言い切っていた姉に
「そんなこと言ったら、きょうだいが誰も親元近くに住んでいない家族はどうなるの?何とかするしかないよね。遠いからとかという理由だけで介護から逃げられるというのはズルいように思う。親が施設入所とかになったら、別にお姉ちゃんの近くの施設に引き取ってくれてもいいとは思うよ。」
というような考えを私も反発心から姉に伝えてました。

こういった伏線がきょうだいの間にありました。

なので、姉にとっても私の愚痴は
愚痴を聴いてあげて、他人を労うように「お疲れ様です」と言うだけでは済ませられない何か圧力のようなものを被害妄想的に感じてしまったのです。

「そんなに大変なら代わろうか?」と安易に言えない心理が「あなたの愚痴なんて聞きたくない」になるのです。


■「愚痴を聞きたくない」理由②

きょうだいというものは、同じ親にベクトルが向いている同士だからこそ、自分目線の気持ちというものが邪魔をして、(あなただけが大変なのではない!自分だってそれなりにやってるつもり)と思いがちで、

メインの介護者をなかなか労うことが出来ない、寄り添えないということになってしまうのです。きょうだいに対しては、気持ちに余裕が無いのですね。


■「愚痴を聞きたくない」理由③

また、きょうだい同士だと、どうしてもメインの介護者に対して介護をしていない人は 後ろめたさが深層心理で働くときもあります。

後ろめたさは相手への攻撃となって表出しやすいですから、「愚痴なんて聞きたくない」という酷いことを言ってしまうのです。


そしてきょうだいに、介護の愚痴を聴くどころか聞いても貰えないメイン介護者は、更に心のほうも疲弊していくという、負のスパイラルに陥るのです。

これらがきょうだい同士の間に摩擦が表出する図式です。


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一方で、
きょうだい仲良く協力し合って介護できてる人達もいます✌

けれどもそういう人たちは、通い介護で分担割合をほぼ同等にしている人達です。


やはり、メイン介護者が1人だけの場合は、他のきょうだいからの言動で傷ついている人は多いです(>_<)


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次に、実例をひとつ書かせてもらいます。

兄と妹の2人。2人とも居宅は親と同じ市内ですが、この数年間、兄は単身赴任で他府県にいました。

兄嫁は市内に居ますが、肝心の母親が嫁には頼りたがらないのでどうしても娘に負担がのしかかってました。

毎日母親宅で食事を作って提供し、自分の家にも料理を持ち帰る日々。勿論、複数ある病院付き添いもしなければなりません。

要支援1や2でも家事が出来なくなるご老人はいます。私の姑もそうでした。

娘は母親にデイサービスに行ってくれないか!とお願いしても、頑として行ってくれませんでした(>_<)

そのうちとうとう、母親は入浴をしたがらなくなりました。そこで娘さんが風呂に入れてあげないほうがいいのです💦

娘も風呂に入れてくれない中で、週に2回の入浴をさせてもらう為にデイサービスに通うことを母親は渋々承諾してくれました。

このように、「親が1人で入浴したがらない問題」を引き金に、それまで渋っていたデイサービスに行ってくれるようになるというケースは介護アルアルのようです。

四苦八苦している妹の苦労は、単身赴任中の兄に話しても伝わらず、それどころか、兄の言葉に妹は大きく傷つけられていき仲は険悪になっていったのです(>_<)

兄が定年退職して単身赴任から親の近くに戻ってきた時から、早速 妹は兄にも母親の介護を分担してもらいました。

いざ介護が始まると、母親のことで「おかしなこと言う」「言うこと聞いてくれない」と憤慨し、愚痴ることが多い兄。

妹にしてみれば「私の愚痴は聞きたくないと、言ったくせにムキーやっと大変さが分かったでしょ!私のあの時の気持ちが分かったか!」というところなのだそうです。


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通いの在宅介護であれ、同居の在宅介護であれ、

「寝たきりになって下の世話が出てきた時が施設にお願いする分岐点」と話す人は多い。

デイサービスにも行かれなくなり寝たきりになった時の24時間の下の世話は、交代要員がいればまた別かもしれませんが、1人でそれをするとなると、並の人では心身ともに耐えられない人が大半です。

ヘルパーさんが来て下さっても、24時間体制ではなく、夜は家族に負担がきてまともに寝られません。

上に書いた実例の兄と妹きょうだいの母親は要支援2。今は在宅による通い介護を分担して頑張ってますが、下の世話が出てきた時が考え時と、どこにどんな老人ホーム施設があるかを調べ始めています。


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如何ですか?

現在、介護で苦労している人は、体力的な苦労よりも、親本人にもイライラさせられることが増えてくる上に、きょうだいとの人間関係で更に心が疲弊していくなんて、辛すぎますよねショボーン


同じ土俵に立つべき自分が、その土俵に立っていない後ろめたさから、きょうだいによるきょうだいの介護の愚痴は傾聴出来ないという深層心理

傾聴したら自分に降りかかってくるかもしれないことを恐れる深層心理

大変なのはあなただけでは無い。自分もそれなりに大変よ!
という心理

こういった背景にある心理を理解すると、少しはきょうだいに対して諦めがつくかもしれません。怒りよりは諦めのほうがまだマシです。
期待しなければ期待を裏切られることも無いので…


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我が家のケースでは、姉は他府県、兄は仕事がある中で、あんなに奥さんの世話は出来ないと言っていた2人でしたが、父に対しては愚痴らなかった私が、父亡き後、奥さんとの対峙は心理的に無理になってきた事を2人に伝えることで、2人も理解してくれて兄と姉に任せることができました。普段、NOを言わない妹が、無理だと言うのは相当な事だと2人は理解してくれたのです。

それもこれも、奥さんには老人ホームに入って頂いていたから兄と姉も出来たことです。私の方で透析病院併設の老人ホームへの引越しを終えてから兄と姉に引き継いで貰ったのです。

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老人ホームに親が入ってくれても、家があれば空き家管理も発生します。

私の場合は、財産の管理、役所関係のこと、外部病院への付き添い、入所後から亡くなるまでの8ヶ月の間に5回も入退院を繰り返した父でしたので入退院の世話、認知症の父が点滴の針を抜いてしまわないように、奥さんが透析でいない日は一日おきに老人ホームに見守りに行くということもありました。


高齢の親御さんが老人ホームに入ってくださると、子達は在宅介護よりは格段に楽になりますが、けれど このように雑事は色々と発生し、お世話はおしまいではありません。


今、介護の真っ最中で頑張っていらっしゃる方々は大勢いらっしゃるはずですが、何もかも1人で抱え込まないようにして欲しいですし、心が壊れてしまう前に少しでも退避できる道を探って欲しいな…と思います。