うつ病についての本は沢山出版されていますが、産業カウンセラー・心理士の資格を持つ人から、精神科医なら誰もが知っている有名な戦後の日本の精神医学を牽引された笠原嘉(よみし)医師が書いた書籍を読んでみることを勧められました。
笠原医師が提唱したうつ病患者に対する基本的な支持的精神療法「笠原の七原則」は、うつ病について、ネットとかでも調べれば出てくる項目ですが、下記にメモがてら記載しておきます。
【基本的な支持的精神療法「笠原の七原則」】
これは、うつ病の患者さんへの向き合い方を説いたもので、提唱されてから数十年が経過した今でも基本中の基本であり、精神科医にとっても最重要な姿勢らしいです。
1.うつ病は病気であってけっして「怠け」でないことを十分伝える。
2.十分に心理的休養を取るために、勤労者であれば職場を離れること、休養できないとしたら,できるだけ業務量を減らすよう勧める。
しかし、自宅療養がよいかどうかは、それぞれ人の状況によって決めるべきであり、軽症であっても入院したほうが近隣の人の目を気にしないでよい場合もあるので、個々の症例によって休養ができる環境を選択すべきである。
3 投薬によって起こり得る不快な副作用を教えた上で、薬の有用性を説き、病気であるから薬はきちんと服用するように指導する。
4.うつ病は脳に変化が起こっており、治るまでには最低でも3ヵ月はかかること、完治までに多分6カ月はかかると、はっきりと伝える。
5.病状は良くなったり、悪くなったりして、少しずつ治っていくものである。つまり症状は変動するので、症状の変化に一喜一憂しないように指導する。
また、気分や症状の良し悪しは 2 週間単位くらいで量るように提案する
6.治療中に自殺しないことを誓わせる。
7.治療が終結するまで人生上の一大決断(退職、転居など)をしないように指導する
(注)6と7は特に重要
現代型うつ病等の場合は、必ずしもこれが当てはまらないことがある。
(参考)
1996年
ウィキペディアより抜粋