明日は日本中に嵐が吹き荒れそうですが、先月、受験生家庭ママさんと話していたら、2020年度に受験生となる高校2年生だけでなく、現在の高校3年生、浪人生にも新制度前に受験結果を出しておきたいという嵐が吹き荒れているらしいです。

 

 

『センター試験』は来年1月の実施を最後に、再来年から新制度の『大学入学共通テスト』へと移行することは大学受験関係者ならご存知の通り!

 

私の家庭塾の中一のお子さんも、こうした動きを受けて、つい最近、英検3級を受検します。まず合格するはずですが・・

 

 

新制度試験の大きな特徴は、国語、算数の記述問題の導入と英語民間検定試験導入です。

 

 

この大学入学共通テストの記述導入には、本当にこれでいいの?二次試験で記述をみれば問題なくない?と首を傾げている人も多いのではないでしょうか?

 

英語については特に、受験生側にとって不満が大きく、問題が山積みのようですね!

 

 

昨日のNHK自論公論でも英語検定試験導入の問題について取り上げられていました。問題点について解説していた後半部分の内容をまとめてみます。

 

 

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そもそも何故、センター英語に代わり、英語民間検定試験を導入しようとしたのか?

 

日本の今までの英語教育のやり方では、真の英語能力を身につけられないとして、今の高校学習指導要領では、英語の授業は基本的に英語で行うようになっている。

 

しかし、現実には英語で授業を行っていない高校が少なくないという実態がある。

 

そこで、大学入試改革で“読む・聞く・書く・話す”の評価をすることで、生徒一人一人が4技能を身につけられるように高校の授業を変え、学力の底抜けを防ぐことが重要である!と声高に叫ばれるようになった。

 

その対策として考え出されたのが、4技能を適正に評価するには、高校生にも馴染みがある英語民間検定試験を利用することになったという経緯。

 

英語民間試験の導入は、50万人が一斉に取り組むセンター試験で話す技能をはかることは、今の技術では不可能だからという理由もあった。

 

あるものは活用する

 

という発想だが、

公式に入試に組み込む際の制度設計は可能なのか?という議論が後回しになったのが、今の混乱を招いているビックリマーク

 

 

(参考資料)

英語民間試験の入試導入を「せめて延期しろ!」という混乱の様子。何が問題視されているのか?

  ↓

英語民間試験「強行の理由ない」「せめて延期を」 国立大学協会前で抗議集会

毎日新聞 動画

 

 

こうした流れは、政府の教育再生実行会議の提言を受けて行われた文部科学省の有識者会議で決められた経緯がある。

 

文科省には不安や不満をおさめる大きな責任がある。

 

文科省は8月になって、HP上に特設サイトを開いて、こうした情報の提供を始めた。

 

不安解消の為、大学に対して検定試験結果の活用について速やかに報告を求め、一刻も早い受験生への公表に務めていきたいとしているが、大学側からの公表は遅れている。

 

遅れの原因はどこにあるのか?

 

 

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萩生田(はぎうだ)文部科学大臣は、10月1日の記者会見で、高校生が民間検定試験導入を念頭に既に準備を進めていることを理由に

 

当初の予定通り2020年から導入

 

する考えを示した。

 

一方で、

 

初年度はいわば制度向上期間だ!

 

とも述べた。

 

この発言には、「お試し期間で利用させるのか!ムキー」という当事者からの反発の声も聞かれた。

 

高校生にとっては受験年度を選ぶことは難しいだけに、切実な問題ショボーン

 

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一方で、民間の英語検定試験には、国が制度として入試に使うとする以上、守られなければならないことがある。

 

公平・公正の担保だ!

 

この点はどうなっているのか?

 

 

まずは、公平面

 

注意地域によってばらつきがある“受験機会”の公平さをどう確保するのか? 

 

●受検料が嵩む

 

●地域によっては、受験会場への交通費の負担も大きな問題

 

●ある検定試験は全国180エリアに複数の会場を設置するとしているが、それでも地域によってばらつきが残る上、都市以外では受検会場を展開しないという事業者もある。

 

●試検のさなかに、災害などで交通機関の運転見合わせなど、何らかのトラブルが発生したら、災害時の救済策は?の問題もある。

 

 

文部科学省は、こうした問題に対しては実施団体に委ねるという立場だが、入試という位置づけである以上、政府が定める一定の救済策は必要!

 

 

また、学校行事との兼ね合いの問題も!

 

●まだ決まっていない部活の大会日程が、検定試験申し込み後に決まった場合や、地方から県大会、全国大会へと勝ち進んで受検できなくなった場合、キャンセルせざるを得なくなってしまった場合はどう対処するのか?

 

学校行事との絡み、高校最後の1年間が、民間試験に振り回されることへの懸念もある。

 

 

公正面はどうか?

 

民間の検定試験はこれまで高校の教室を会場として教職員が試検会場の監督や採点をすることが多くあった。

 

これでは入試の公正が保てない為、文部科学省はこの点には待った!をかけている。

 

そうなると、事業者は自前で監督者や採点者を確保しなければならなくなる!

 

文科省は事業者が大学と交わした協定の中で、採点の質の確保の為の研修などを徹底することになっているという。事業者に責任を丸投げした形になっているのだ。

 

また、更に試験を行う一部の事業者の中には、本番前の対策として模擬テストを実施したり、対策本を出版したりするなど、学校現場に試験対策の営業活動をする動きもある。

 

文科省は問題はないという立場だが、大学入試の公共性という観点から疑問視する専門家もいる。

 

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以上指摘しただけでも、英語入試はこれだけの課題を抱えている。

 

大学入試が大きく変わる場合には、2年程度前には予告を公表することが原則とされてきた。

 

ある高校の校長は、

「今この時点で英語の検定試験を止めることになれば、混乱は避けられないが、今のままで本番を迎えれば更に大混乱になることは目に見えている」

と指摘している。

 

今こそ、受験生ファーストの対応が求められている!!

 

 

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以上ここまでが、NHK自論公論のまとめでした。

 

 

皆さんは、どう思われますか?

 

公教育の入試制度は、例えば私の高校受験の時も、学校群制度という酷い高校入試制度が存在しましたが、制度変更するまでに相当な年数を要しました。一度走り出したら悪制とわかっていても突き進むところが教育の世界には往々にしてありますね汗

 

 

一度走り出すと、後戻りする勇気をなかなか持てないのだな・・という虚しさを感じますが、ここは踏ん張って、受験生当事者と関係者が世論を動かし、政府の2020年実施を一旦白紙に戻させ、きちんとした制度設計をしてからの出直しをさせられるのか?

 

 

私には政府関係者間のこのようなやり取りが聞こえてくる気がしますドクロ

   ↓

 

「高校教育において、4技能習得に向かわせるには、現在では民間検験導入は最も有効な手段であることには間違いないのだから、やってしまおう!

 

新しいことにごたごたはつきもの!

 

見切り発車してしまえば、その後はそれなりに微調整しながら、問題点は改善していけばよく、まずは始めることが大事!

 

GO!GO!GO!」

 

 

 

そもそも見切り発車した政府が悪いのだけど、今更言っても空しいだけ。


 

けれど、2020年度入試はまだ少し先の未来!


未来のことならば、今ならまだ変えられるはず!

 

 

2020年度入試

大臣の発言通り、このまま強行実施するのか!? 

それとも、先送りの再決定をしてくれるのか!? 

 


どちらが正解はてなマーク

 

 


いずれにしても、英語民間検定試験の導入決定は覆ることはないでしょう。また、完璧な制度にしてからの開始を待っていたら埒が明かないという政府の気持ちも少しはわかる。制度もやっていくうちに磨かれていくということもあるから。


けれど内包される問題点が多すぎる、大き過ぎるならやはりもう少し制度を精査してから実施すべきとも思う。


正直、どちらが正解かは私にはわからないけれど、もう1年くらい先送りにしてもよくないか?とは思う💦