ここのところ2回続けて、

去年の北海道大学進学相談会での様子を書いてきましたが

予備校で面接指導がある為

北大進学相談会に行くことができない息子の代わりに

なぜ私が代理で参加してきたかというと

もう、おわかりですよね。

去年、進学相談会があった秋頃は

息子は、北大を第一志望にするくらいのつもりがあったからです。

 

北海道に住んでいる人たちにはピンとこないかもしれませんが

息子たちの高校で、生徒会が作り上げる校内冊子では

「日本国内で憧れる場所は?」

という質問アンケートでは、毎年のように

「北海道」が一位を飾る程、

北海道は観光で一度は若者が行ってみたい場所なのです。

 

それでも、観光と受験先とは別物で

大学生活をおくるには、

飛行機で行かなければならないという距離の問題もあり

地元に同レベルの旧帝大があるのに

なんでわざわざそんな遠いところに?

という遠すぎる問題と

 

下宿させるという金銭的問題という親の思惑も働き

 

北大を実際に受験する生徒の数となると

息子の高校では学年でも数名の世界であり、

しかも地元旧帝では実施されない後期日程での受験

というのが主流であるというのが、

息子の通う高校での実態でした。

 

しかし、我が家に限っては

去年は兄が北大にまだ通っていたということも

その影響は大きかったと思います。

 

次男自身は、北大に行ったことはありませんでしたが

大学案内でみる写真や

我々長男と母親との話の内容や

長男が参加していた北海道マラソンのテレビ中継で

選手たちが北大の中を走り抜ける様子を視たりして

その地への憧れが出てきてしまっても

不思議はなかったと思います。

 

それでも、北大に2014年度入試までの

理科3教科必要という条件が2015年度もあったのであれば

出願先候補に北大を外していたと思います。

 

2015年度から、北大医学部入試は

物理必須条件をなくし、

理科の科目選択条件がなくなったことで

他のほとんどの大学と同じように理科2科目受験にシフトし

他の大学と同列に出願候補にあげることが

出来るようになりました。

 

地元北海道の人たちにとっては

理科3科目でも、地元の大学ということで

高校もその対策をきっちりしていたでしょうし

高校生も3科目受験も覚悟で勉強してきたことでしょう。

 

裏を返せば、理科3科目受験だからこそ、

他の大学と同列に志願候補に出来ない為

北海道以外からの受験者を寄せ付けない理由にもなって

偏差値もそこまで跳ね上がらずに済んでいた

一因にもなっていたのです。

 

ところが、その一因が外れたことで、

医学部志望の受験生にとって北大は

にわかに受験しやすい大学になり

偏差値が跳ね上がるのではないか?

 

そのように予想することは、

誰にでも容易に出来ることでした。

 

そこにもって、拍車をかけたのが

予備校が出す、

模試による志願者の動向資料でした。

 

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ここで、少し話を戻すと

 

2015年度入試の予想偏差値的には、

河合のざっくりとした一覧表では

地元旧帝大医、北大医、地元公立大医は共に

 

二次偏差値67.5 

センター偏差値 地元旧帝医、北大医 共に89

           地元公立医 87

 

というものでしたが、

 

それでもやはり、実感としてもチューターの言葉からも

さほど大差がないとはいえ

 

地元旧帝医>北大医>地元公立医

 

という話にはなっていましたので

息子も偏差値的にも3大学の中では中間にあって、

水産学部を覗く全ての学部が広い敷地に固まっている

総合大学の北大のキャンパスライフも楽しそうだな

と当初憧れたのも無理はなかったろうと思います。

 

しかし、息子もそこまで北大に拘っていた訳ではありません。

 

息子が拘っていたのは、

2浪は回避して、確実に医学部に合格すること!

これに拘っていたのです。

 

そこが一番でしたので

模試を重ねるにつれて、北大医の志願者増に

これは、やばくない?!

と敬遠しだしたのですww

 

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どれだけ志願者増になったか具体的に見ていきます。

 

去年の2015年10月3日に行われた

第3回全統マーク模試からみた

河合塾の国公立大医学部志望動向資料によると

 

●第一志望の志願者全体人数は

 

        2014年模試  2015年模試

地元旧帝医   445   ⇒  399

地元公立医   361   ⇒  360

北海道大医   295   ⇒  400

 

という結果でした。

 

●北海道大医だけをもう少し詳細に見ると

 

          2014年模試  2015年模試

 

上位志願者数   74    ⇒   94

現役志願者数   166   ⇒   205

地元志願者数   202   ⇒   197

 

という結果でした。

 

2015年第三回全統模試の時点では、

地元志願者が減って、

地元外の志願者を大幅に増やしていることが特徴でした。

 

息子は上位成績の志願者が増えていることに

難色を示しました。

 

そして、模試の段階で地元の旧帝大の志願者減か

地元公立大医の横ばいに比べ

大幅に志願者を増やしている北大の数字は息子にとって

脅威に映りました。

 

 

2014年現役受験時に検討した信州大学

数学のみの2013年度までの二次科目から

2014年度に数学に加え英語を導入したことにより

本番受験では、

怖ろしいほどの倍率に跳ね上がってしまった現象を

直に見て知っていたので、

 

北大も同じような波乱が起きるだろうから

志願候補にするのは止めておこうと

早々に志願候補から北大を外してしまったのです。

 

ところが、受験本番では、

北大の出願者数は蓋を開けたらなんと、

 

前年比88%と一割弱の志願者減

 

になったと、河合塾は

2015年度医学科入試結果総括で

発表しているではありませんか!!

 

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長々と駄文を書いてきましたが、

2014年度入試の信州大学医学部ように、

科目変更によって出願者数を大幅に増やした例も

ありますが、

 

2015年度の北大のように

模試段階では志願者数を大幅に増やしていても

本番での出願者が必ずしも増えるとは限らないということが

この記事では書きたかったのです(・_・;)

 

さらに受験素人の私なりに分析すると

何故、科目変更によって信州大学は出願者を増やし

北大は出願者を減らしたか?考えてみました。

 

信州大学は 数学1科目⇒英数2科目 への科目増

北大は 理科3科目⇒理科2科目  への科目減

 

科目の増と減の違いはあっても

 

信州大学の

数学1科目だけが得意で英語は苦手という受験者にとっては

それまでの数学1科目受験は有利だったでしょうが

数学1科目では、他の教科でカバーするということが出来ない為

数学1科目は、却って怖いという受験生も多かったと思います。

 

そこへもってきて、英語が導入されたのですから

大半の受験生にとって

数学のみよりも英語導入のほうが有利と踏む受験生が多く

出願者数が増えても当然です。

 

しかし、それを言うなら、北大だって、

受験生に科目数を減らすことで

「心理的負担を減らす」

という点で信州大と変わりありません。

 

それでは、信州大と北大とでは何が違うか?

 

それはやはり、

もともとの二次偏差値の違いです。

 

北大はまがりなりにも旧帝です。

 

信州大学でもかなり優秀でないと合格できないのは

医学部であればどこも同じですが

やはり、かなりの優秀層でなければもともと

旧帝医には出願を大抵は控えるものです。

 

しかし、

医学部合格レベルに達していない受験生も

相当多数いるのも実体であり

合格レベルに達していないけれど

一縷の望みにかけて出願するのは

少しでも二次偏差値が低い大学に出願するのが

受験生の心理。

 

信州大学は、受験生有利に働く科目変更に対し

合格レベルに達していない

かなり多くの医学部志望の受験生が出願に走ったと言えます。

 

だからこそ、

2013年度実質倍率6.2倍⇒2014年度実質倍率15倍

という驚異的な数字になったのです。

 

そこにはまた、今でこそ二段階選抜の足切り倍率を

信州大学も設けていますが

当時は足切りなしという好条件も

倍率に拍車をかけたことは言うまでもありません。

この倍率の高騰によって、

採点するのに悲鳴を上げた信州大学は

2015年度から二段階選抜を初めて導入しました。

 

北大の場合は、3.5倍という二段階選抜の壁と

もともと成績下位層が殺到しない旧帝ブランドの壁に加え

「大幅に出願者を増やすのではないか?」

という模試による志願者増が受験生心理に大きく響き、

 

実際には前年度よりも出願者を減らしてしまうという

パラドックスが起きたのが

2015年度北大医の入試結果だったのだろうと

素人なりに私は分析しています。

 

このように、科目変更がたとえあったとしても

そして、

例え模試では志願者数が大幅に増えていたとしても

いろいろな要素が絡みあって、

受験本番では出願者数は、まるで生き物のように、

予想通り増えたり

予想を裏切って減ったりします

 

比較するのは変かもしれませんが

まるで、為替や株価のように、

条件や心理面などの

 

多様な要素が絡まって複雑な動きを見せる

「生き物」に例えられる経済とよく似ているなと

思ったりします(-_-メ)

 

ここで、言いたい結論です。

 

しっかりと過去問と向き合い、問題の相性などの点で

自分の力にあった大学を見つけていたなら

そこの大学に合格できる着実な力をつけておくことのほうが

大切であり、

 

模試などの志願者動向だけに惑わされて

早々にその大学を諦めてしまわないほうが良い!


ということです。

 

出願するかしないか腹をくくるのは、

センターリサーチなどの動向をしっかり吟味してから

検討しても遅くはありません。

 

一旦、出願を諦めてしまうと、

その大学への情熱は一気に冷め、

その大学へのアンテナを一度引っ込めてしまうと

その後の情報も入ってきにくくなるというのもまた

人の心理だからです。

 

それでも、2015年度の北大出願者数の動向は

我が家の出願先決定の段階でも

受験の専門家であるチューターでさえ

その動向は読み切れなかったというのが

実体ではなかったかと感じていますww

 

 

以上です。