そして、1月2日

私の実家でのお正月の集まりの日が来た。

 

今年は姉家族4人と我が家3人、

父と再婚相手の奥さんの9人で

実家の近所にあるカニ料理のお店で

新年の御馳走を頂いた。


 

今まで長男は、自分の帰省のタイミングと

姉たち家族の帰省の日程とが合わずに

実に3年ぶりに姉家族には会うという

久々のご対面となった。

 

案の定、親戚たち会合の目玉的存在である

久々に登場した長男の成長した姿に

「大人っぽくなったねー!」

「かっこよくなったねー」

などと、感嘆の声が飛び交い

 

長男も、1学年年下の従弟のぐーんと伸びた

180㎝を越える身長に目を丸くし、

賑やかに、久しぶりの対面を喜んだ!!


 

従弟が高校生のときには

姑も一緒の我が家の家族旅行についてきたり、

姑の家に一緒についてきてお正月を祝ったり、

なにかにつけ息子たちと一緒に遊んできた

仲の良い従弟なのだ。

 

他のいとこは、見事なまでに女ばかりなので、

唯一男の従弟とは仲が特別良いのも納得がいく。

 

 

そして続くのが、

「今度、(北大の)大学院に進学だって?!

おめでとう♪ 大学の方はどう?」

という質問が当然続き、長男の話を聞きたくて

皆はうずうずしているという感じになった。

 

 

息子も言うかどうか迷ったようだが

嘘はつけないので

「(北大)大学院進学はやめておこうかと思っている」

と話しを切り出した。


 

「ええ~~!!どうして?どうして?ポーン

 

もう、そうなったら、親戚集まりの会は

その話で、もちきりになるのは自然の流れえーん

 

 

会場をカニ料理の店から、

実家のリビングに移し、

皆の視線は長男一人に向いていた滝汗


 

思わぬ形でしたくもない親族会議が始まってしまったと言っても過言ではない あせる

 

 

私の姉のところには

長男より4学年上の社会人の従姉、

2学年上の法学を専攻していた大学院生の従姉、

1学年下の法学部在籍中の従弟が3人いる。

 

その中でも、一番意見を聞いてみたかった

大学院生の従姉が、

塾のアルバイトがどうしても休むことができずに

来ていなかった。

 

その従姉は、京大法学部に現役で合格していて

1年間、イギリスに留学。

留学中には、

アフリカのルアンダで戦火で傷ついた子どもたちの

サポートをするボランティアも経験し、

その後、京大の大学院に入学している。

 

そして、いろいろな人との出会いを通じて

自分の覚悟のようなものと向き合うこととなった。

 

主に発展途上国や新興国に出て行って働くという

1カ所に長く留まることが出来ない厳しい生活をしている若夫婦の今後の生活への不安など

悩みを聞いたりする機会を得るにつけ、

自分には、このような厳しい生活は無理だと断念し、

院の卒業を待たずに

身内の誰もが想像しなかった

銀行に就職するという手固い選択をした。

 

※2020年12月 追記

この子も大きな決断をして銀行を1年で辞めて

演劇の世界に身を投じ

今も演劇の世界で生きている

 

 

息子は、途中 国際系の分野で働くことも

考えたであろう この従姉が進路を変えた理由を、

本人から直接聞いてみたかったと残念がっていた。

 

 

従弟は、一浪の末に京大前期日程不合格で

後期で合格した阪大法学部に現在在籍中。

 

※2020年12月 追記

6年後の今は、彼も東大の大学院、ドクターコースと進み、東大で講義も講師として受け持っている。

 

義兄も某国立大学で教鞭をとっている。

 

姉は、もと中学の美術教師で

現在は画壇に席を置いて絵を描きながら

自身の美術教室で絵を教えている。

 

父親の奥さんは、英語の勉強と合唱を趣味とする専業主婦。

 

最近の父は、ニコニコしながら

皆の話を黙って聞いていることが専門なので

ここでは省略^^;

 

こんな面々で、息子の行く末について

喧々諤々、いろいろなことを言いたい放題に

話し合うことになった。

 
・・・・・・・・・・・・・
 

特に姉は、次女が国際系分野を考えていた時期に

自身もそれらについていろいろと調べたことがあったせいか

自分の出番とばかりに、はりきっていたあせる

 

息子は私の姉からの質問攻めの中で、深く考えずに

外務省の名前を挙げてしまったガーン

 

ただ単に、それもありかも…という

まだよく調べていない段階での軽い言葉だった💧

 

けれど、その外務省に私の姉は食いついた😳💦

 

「何故、外務省なの?」

 

「それしかダメなの?」

 

「そう思うように至った理由や高い志はあるの?

当然あるよねぇ?あったら教えて!」

 

「法律や政策や外交や、そういった系統の本は読んでる?」

 

「下宿だと経済的にも大変だよね」

 

「自宅に戻って、地元の大学(名古屋大学)で学び直すのではダメなの?」

 

などと、矢継ぎ早に息子に質問を投げかけた。

 
 

息子は、たじたじになっていたえーん

 

正直、相談したいと申し出たつもりもない息子・・・

 

大きなお世話だえー

 

そんな母親に、従弟は

「いい加減にしいや、お母さん!

なんでそんなに詰問するねん?ムキー

 

「そんなの、〇〇君が考えて決めたことなんやし

そもそも論を、この場で聞く必要ないやんビックリマーク

 

と母親に食ってかかり

親子喧嘩が始まりそうになるのを

私が制止する場面もあった滝汗

 
とはいえ

「情報がなければ、意見も言いようがないから

〇〇君(息子)の為を思って聞いてくれていることわかるから、

ありがたいんだよ。感謝するよ。」

と、どんどん話してという空気を私も作り出したあせる

 

息子というよりも多分、親の我々のほうが

いろいろな意見を聞いて、

情報収集したかったというのが本音だったかもしれない。

 

息子にしてみれば、

そこまで細かく話す必要はない

というのが、本音だったのだろうが・・・チーン

 
 

姪っ子からも辛口のコメントも出た。

 

姪っ子も、仕事の関係で、タイやカンボジア、ベトナムなどの困窮している人々が多くいる地域を回ることもあり

考えるところがあるようで、

高い志を言葉にできなかった息子に向かって

 

「そういう人に国を動かすような仕事をしてほしくない。」

とまで言い放ったゲロー

 

「親という立ちはだかる壁も時には必要だと思う。」

と、我々両親が妙に理解があるのも

息子と共に、無知が故の無謀さでもあるとでも

言いたい節もあった汗

 
 

確かにその通りかもしれないと思った。

 

無知なるが故の、怖い物知らずということもある。

 

そんなふうに、姉や社会人の姪っ子は

3年ぶりに会っていきなり

息子の心の内や、今までの経緯を詳しく知らない状態で

言いたい放題に言ってくれていた訳だが

 

息子の為に、皆が真剣に考えてくれた結果であり

それはとても有り難く

息子も、勿論我々親も、怒ることもなく黙って聞いていた真顔

 
・・・・・・・・・・・・
 

この話し合いで、一番の収穫となったのは

甥っ子の一言だった。

 

「それなら、公共政策大学院に行くのが一番いいんじゃない?」

 

ウィキによると、公共政策大学院とは

『公共政策の立案に関わることのできる

高度専門職業人育成を専門とした大学院』

とある。

 

大学で教鞭をとる義兄は、

普段はとても無口で、朴訥と話すタイプ。

 

その物言いは とても慎重であり、

また、とても謙虚な人である。

 

そんな義兄の発する言葉には重みがあり

義兄が言葉を発すると、皆はシーンとして耳を傾ける。

 

 

まず、国家公務員試験について

 

「自分だったら、最低でも準備に2年はかかると思う。」

 

と、独学で学ぶことの危うさと

我が家が当初考えた公務員試験の為の専門予備校は

大学教員はあまり良しとしたがらないこと。

 

大学の勉強をしっかりやっていれば、

充分に国試にも対応できることを言っていた。

 

 

北大の大学生協の国家公務員講座も

結局は外注の専門予備校だから

講師が派遣されてくる形なのでそれも同じこともわかった。

 

 

そしてまた、

息子が重視する東京という場所の情報の集中は

確かにその通りであり、

義兄も東京で学ぶのがいいと思うと言っていた。

 

ただし、畑違いのものが、

いきなり文系のロジックな論文を書くことは

理系の論理的思考だけでは対応できない

また別の訓練を要するものであり

舐めないほうが良い

ということも言っていた。



義兄は京大経済学部から大学院に進んで
大学に残り教鞭を取ってきた人。
 

義兄も学生時代に国家公務員試験にチャレンジして

見事玉砕した経験があるが

試験の帰り道に、法学部出身の友人に

「あの〇〇番めの問題、すっごく難しかったね。」

と話したら、きょとんとした顔で

「どこが難しかったの?」

と聞かれたそうだ。

 

「法学とは畑違いの自分にとってはとても難しく感じた問題も

法律を学んできた彼にはお茶の子さいさいという

そういうもんなんだよ。

 

〇〇君は、今回入学予定だった北大の大学院も

『入るのは簡単。誰でも入れる。』

ってさっき言ったけれど

 

それは、君が大学の学部で曲がりなりにも

その分野を勉強してきたからであり

 

他の大学から、ましてや他分野から

〇〇君が合格した大学院に入るのは

それはそれは難しいことなんだよ。

 

それと同じ!

 

 

だから、自分のリスクを認識して

覚悟して勉強していかなければならないし

理系出身の息子には長期戦になることも

視野に入れる必要があることを

息子に配慮した言葉で話してくれた。

 

公共政策大学院のような専門職大学院に入るなら、

姉が提案した地元の名古屋大学でも北大でもダメで

京大でもダメ、

やはり、東大に勝るところはないと義兄は言う。

 

 

果たして、理想通りに順調に事を進めることができるのかどうか

私としてはとても不安ではあるが やるっきゃない!

 

ダメだった時は、柔軟に その時に次なる行動を考える。

 

このように親としても、覚悟を決めた。

 
 

否、覚悟を決めるのは息子だ!

 

本人は、いたって淡々と、やってみせるという

根拠のない自信にみなぎっている

恐い物知らずの息子なのだ!!

 

この点が、大人たちから見ると危うくもあり

疑いたくもなってしまう点でもあるのだが、

息子の最大の強みでもあるのだろう^^;

 
 

最後には、辛口の言いたい放題のコメントにも

へそを曲げることなく、真摯な態度で聞いていた

息子の態度は本当に立派であると

皆からの褒め言葉で終わった。

 

そして、息子の意志を尊重し

理解ある態度を示す我々夫婦にも

「えらいね~」と姉は何度も言っていた。

 

それだけ、普通なら反対する親が多いということだろうか?!

 

親戚一同が、

「今までの〇〇君のことをよく知らない人間が

表面的な情報だけで、

無責任に言いたいこと言ってごめんね^^;」

と謝っていたが、

 

とても有り難い機会であったと思う。

 
 

甥っ子は、針のむしろのような状況を耐え抜いた息子を散歩に誘い、近くのコンビニにトランプを買いに行った。

 

帰ってくるまでに、随分時間がかかった。

 

2人で帰宅したあとは、

姪っ子、姉、奥さん、私も参加して

トランプに興じていたが、

 

二人で散歩しながら

甥っ子は息子に、母親や姉に変わって

言いたい放題の無礼を謝ってくれたとの事だった。