一般入試でもなく、編入試験でもない、もう一つの日本国内で医師になる方法がある。


そのことについて少し書いてみようと思います。




日本で医師になるルートと言えば、


一般入学か編入試験で医学部に入学し、国試を通過して医師になるのが一般的です。


って言うか、この方法しか日本国内で医師になる道はないと考えられてきました。



しかし、他にも日本の医師になるルートが今年の国家試験で開かれました。


海外の大学を卒業してのち、日本で医師になるというルートです。



アメリカ、イギリスなどの先進国の大学を卒業することは、制度上も経済的にも困難を極めますが


ハンガリー、チェコ、スロバキア、ブルガリアなどの東欧諸国の留学は、比較的、制度上も経済上も敷居は低いほうだと考えます。



東欧諸国での大学卒業費用は、為替レートに左右されるとはいえ、日本の私立大学で下宿する場合を考えたら、日本のどの私立大学よりも学費+下宿代を考えると、安く済みます。


また費用面では、成績優秀者に贈られる、無条件の返還義務のない、日本政府及び現地大学からの奨学金も設定してあるケースもあるので、更に安くすることも可能です。



以前までは、海外の大学を卒業しても日本で医師になれないと批判する人も多かった。


しかし、2014年度国家試験で、ハンガリー留学組が日本での国家試験に4名合格した今、こういった風評も間違っていたことが証明されました。



これからは、グローバル化の時代。


オリンピックを控えて海外からの流入者が多くなる東京、あるいは米軍基地がある沖縄では、英語で患者とコミュニケーションできる医師の二―ズは強くあるようです。



入学しやすい北欧の医学部ですが、確かに「行きはよいよい帰りは恐い」ということに間違いはありません。



だから向こうの学生は、入学してからよく勉強します。


そして、勉強をしてみて医師に自分は向かないと考えれば、他の学部に変更してしまう人も多くいるのが海外の大学なのです。



こういった人生設計がしやすい柔軟性は、日本にはない風通しの良さだと羨ましい気がします。



この、海外の大学を卒業するという選択。


日本の大学に籍を置きながらの、1年や2年の海外留学とは訳が違います。



ただでさえ、医学部の勉強は難しい。


その上更に、英語での授業、現地でBSL(ベッドサイドラーニング)する為の、現地語の習得。


決して、生易しいものではありません。


ですから、日本で行われる入学試験も、そこのところの覚悟を、じっくり見ます。


定員を満たすための試験と面接ではなく、将来性のある優秀な人材を見抜くための試験であると考えてください。


ですから、定員を満たしたことは過去には一度もないようです。


こういったことに果敢に挑戦し、医師になりたいという情熱さえあれば、学力は日本の国公立工学部に合格できる程度の力があればクリアできそうです。



1年からの本コースにいきなり入学する場合は、相当な英語力を要求されますが、英語に自信がない人には、英語を習得するための予備コース1年間が設けられています。



過去の実績では、約、三分の一が留年、三分の一がリタイア、三分の一が卒業しています。


向こうの大学は、卒業することが難しいと書きましたが、難しい卒業試験をクリアすることがイコール、医師資格取得になります。


日本のように、卒業後に国家試験を通過しなければ医師になれないということはないのです。



卒業生は、ユーロ圏であればどこの国でも医師として働くことができますが、多くの学生が日本に戻ってきて、日本の国家試験を受けて、日本の医師にもなれる資格取得を目指すそうです。



日本の国家試験に合格した学生は、ユーロ圏と日本のどちらでも好きな方で働く道が開けるということです。



まだまだ、こういったルートを考える人は極々少数派だと思います。


しかし私は、たったの4人とはいえ、国試へのルートが海外大学卒業組みにも開けたということは、一種の医師世界の開国と言っては大袈裟かもしれませんが、画期的なことだと思いました。


勇気ある初の海外組み国試合格者たちがパイオニアとなり、今後はじりじりと、海外組みの国試合格者を増やしていくものと推測しています。



以上、少しご紹介してみました(^.^)/~~~