映画のある生活
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チャーリーとチョコレート工場

Charlie and the Chocolate Factory
2005年、アメリカ
115min、カラー

監督:Tim Burton
出演:Johnny Depp、Freddie Highmore


両親とその両親達と小さな家で貧しい生活を送っているCharlie。

街にはWonkaが経営する世界一有名で謎めいているチョコレート工場。

ある日、チョコレートの中に入っているゴールデンチケットを当てた

5人の子供たちを工場に招待する、というニュースが世界中を騒がせる。

Charlieは幸運にもゴールデンチケットを手にした5人目の子供となった。

工場見学の日、子供たちを待ち受けていたのは・・・。


※ネタバレ※

40年も愛され続けている世界的ベストセラーの映画化だそうです。

Tim BurtonもJohnny Deppも原作者・Roald Dahlの大ファンなのだとか。


原作に忠実な世界観を撮ろうという思いが伝わる、ポップで見事な映像。

チョコレートの川にお菓子でできた植物、乗り込むボートも砂糖菓子、

そこにある全ての物が食べられる、というまさにお伽話の世界です。

奇想天外なアイディアを実現させるための実験室も夢で溢れています。

どこへでも移動できるガラス張りのエレベーターが素晴らしい!!

Oompa Loompaのキャラクターもコミカルでとても楽しかったです。


美しい心を持つCharlieとは対照的にそれぞれ癖のある4人の子供たち。

裕福な家庭で、両親に甘やかされ欲しい物は何でも手に入れるVeruca。

母親と共に数々の賞を手にし、ガムを噛み続けることに挑戦するViolet。

暴力的なテレビゲームに熱中し、確率論でチケットを当てたというMike。

両親の営む食肉店で育ち、常に何かを口にしている大食いのAugustus。

彼らを積極的に批判するシュールでシニカルな内容には驚きました。


父の影響で甘い物を一切食べる事ができなかった少年時代のWilly、

トラウマを抱え、情緒が未熟なWillyをJohnny Deppが好演しています。

子供っぽさを持ち続けている事が彼の魅力の一つでもあるのでしょう。


工場内で他の4人の子供たちが次々と脱落して、姿を消していく中、

最後まで残ったCharlieは工場その物をプレゼントとして贈られます。

ただしWillyは老いた家族と決別することを条件として提示します。

一瞬、心をときめかせたものの迷うことなく家族を選択するCharlie。

自分の家族を持たないWillyにはCharlieの考えが全く理解できません。

ところが最後、今にも崩れ落ちてしまいそうな小さなぼろぼろの家で、

Charlieの家族と食卓を囲んでいるWillyが何とも微笑ましかったです。


工場内での出来事については詳細に描かれているのですが、

工場を出た後半はストーリーを要約し過ぎているように感じられました。

Willyの感情の流れをもうちょっと丁寧に描いて欲しかったです。

実験室のテレビのシーンはStanley Kubrickへのオマージュのようです。

笑いあり、ちょっと涙ありの子供も大人も楽しめる娯楽作品です。
Oompa Loompaたちが歌う印象的なメロディが頭から離れません。

フランケンシュタイン

Frankenstein

1931年、アメリカ

71min、白黒

監督:James Whale

出演:Colin Clive、Boris Karloff

Frankenstein博士は新たに生命を創り出す研究に没頭していた。

幾つもの死体から各部を集めて肉体を完成させ、残すは脳のみ。

ところが助手が持ち出してきた脳は凶悪犯罪者のものだった。

そして、ついに新しい生命を産み出すことに成功するが・・・。

※ネタバレ※

古典的ホラー。なるほど、フランケンシュタインってこんな話だったのね。

何と言ってもモンスター役の人が素晴らしい!!演技はもちろん容姿も!!

どこか恐ろしい風貌だし、ぎこちなくたどたどしい感じの動きがいい。

彼は新たな生命を授かったばかり。外見は大人でもまだ子供なんです。

なのに風貌が恐ろしいせいで人間たちは彼に対して警戒感を顕にする。

相手がそんな態度だったら心を閉ざしちゃいますよね。そこが問題。

彼と人間たちの関係は悪化していきます。自分で産み出したくせにね。

印象的なのが少女とモンスターが川沿いで遊んでいるシーン。

モンスターは警戒心のない相手には決して攻撃的ではありません。

初めて触れるお花に興味津々。お花を川に投げて浮くことに感動。

そうだ、少女も投げてみよう。そうしたら少女は浮かび上がらない。

困った、どうしよう。怖くなったモンスターはその場から逃げ出します。

確か冒頭の解説で淀川長治さんがおっしゃっていたように思います。

「モンスターは彼じゃない。彼を創り出した人間がモンスターだ」と。

その通りだと思います。勝手に創っておきながらフォローはなし。

勝手ですね。自分を棚にあげて罪を全てモンスターに押し付けて。

研究に没頭する時計台のセットなどは不気味さがよく出てましたね。

ストーリー自体はごくシンプル。でもそれがまたいいんですよねぇ。

素晴らしき哉、人生!

It's a Wonderful Life

1946年、アメリカ

130min、白黒

監督:Frank Capra

出演:James Stewart、Donna Reed、Lionel Barrymore、Henry Travers

昔から周囲を助ける一方で自分の夢を犠牲にしてきたGeorge。

彼は父親が倒れ仕方なく住宅ローンを継ぐ羽目になった。

街の支配者Potterと度々ぶつかりながらも経営を軌道に乗せ、

Maryとの間に4人の子供を授かり生活も充実してきたある日。

おじが大金を紛失してしまい、絶体絶命のピンチが彼を襲う。

絶望に陥り死を決意したGeorgeが橋の上から川を眺めていると・・・。

※ネタバレ※

彼の作品。キャプラコーンと揶揄されるという甘ったるい理想主義。

苦手だけれども嫌いではありません。でもやっぱりちょっと苦手。

住宅ローンを営む父親を持つGeorge。生活は決して豊かではない。

Georgeは窮屈な街を離れ世界を旅することを夢見ていました。

コツコツ貯めた資金を元に出発が迫っていたある日、父親が倒れる。

Potterに経営者に指名されたGeorge。住宅ローンの命運を握る。

結局彼は進学することを諦め、街に残ることを選択するのです。

このように彼は幼い頃から自分の夢は二の次に人々を助けてきた。

今回も貯めたお金で弟を大学に行かせ、弟の帰りを心待ちにする。

弟が帰り次は自分と思っていたら弟は妻の父親の会社で働くことに。

それにしてもJames Stewartは本当にこういう役がよく似合いますね。

グランドホテル 』を観た後で、Potter役のLionel Barrymoreには驚き。

失意の彼を支え、彼の生活に輝きを取り戻させたのはMaryの存在。

Maryは本当に素敵な女性。「月を捕まえるGeorge」の絵を描いたり。

新婚旅行に充てるための費用を街の人々のために使ってしまったり。

ボロ家を素敵な温かい家に変えて、新郎のGeorgeの帰りを待ったり。

家族に当り散らして家を出たGeorgeの無事を祈り、彼を助けたり。

この映画を観るのは二回目。本当はGeorgeはあまり好きじゃない。

例え自分の夢を犠牲にしてきたとしてもそれは自分が選択したこと。

あまりにも悲劇的過ぎるGeorgeのいない世界像だって好きじゃない。

でも最後のあのシーン。あのGeorgeの満面の笑顔を観ていると・・・。

やっぱりこの映画って、本当にいい映画だなぁと思ってしまうのです。

本の表紙の裏に記されたClarenceからのメッセージが最高ですね。

ゴールデン・グローブ賞

・監督賞(Frank Capra)

隠し砦の三悪人

Kakushi toride no san akunin
1958年、日本
139min、白黒

監督:黒澤明
出演:三船敏郎、千秋実、藤原釜足


隣国の山名に敗れた秋月の侍大将・真壁六郎太は
世継ぎの雪姫と軍用金とともに同盟国の早川への脱出を試みる。

偶然秋月の金を見つけた早川領の百姓又七と太平の2人。

取り分についての言い争いの最中に現れた六郎太に苦し紛れに、

敵国の山名を通って早川に抜けるつもりだと言い訳する。

それを聞いた六郎太は彼らとともに早川を目指すことにする。

※ネタバレ※

小賢しい感じのする又七にぼんやりとしているようで卑怯な太平。

彼らがこの映画にいい味をもたらしています。2人の掛け合いが絶妙。

『スター・ウォーズ』の“C-3PO”“R2-D2”のモデルになったとか。

三船敏郎は相変わらず渋い。作品に重みのある存在感を示している。

馬上での殺陣が迫力。兵衛との槍での一騎撃ちの場面にも緊張感が。

山名から早川に抜ける際に、馬上から女を拾い上げるシーンも見事。

雪姫がまた何とも言えない妙な色気を持っています。スタイル抜群。

男勝りな性格にも関わらず短い衣装から伸びる脚の綺麗さと言ったら。

目にもすごく力があるんです。棒読みの台詞ながらも凛とした存在感。

次々に訪れる困難を六郎太の機転で乗り越える。ご都合主義ながらも。

山名の火祭りに参加する羽目になるくだりなども見応えがあります。

ラストがまた爽快なんです。「裏切り御免っ!!」と山名を後にする兵衛。

前半では金の取り合いで醜い争いを展開していた又七と太兵の2人も、

最後、六郎太から金を授かると互いに思いやり譲り合いをするのです。

きっと彼らはこれからも醜い喧嘩を続けることでしょう。またそれに期待。

上に立ち富を前に欲に走らず志し高く下と先を見る秋月の面々に感心。

ベルリン国際映画祭

・監督賞(黒澤明)

ブルーリボン賞

・作品賞

シービスケット

Seabiscuit
2003年、アメリカ
141min、白黒・カラー

監督:Gary Ross
出演:Tobey Maguire、Jeff Bridges、Chris Cooper


1930年代、大恐慌時代に陥ったアメリカ。
自動車産業によって富を築いたHowardだが、
皮肉にも自動車事故で愛息を失い妻も去っていった。
カウボーイのSmithは車の発展により馬の需要が減り、
調教師として各地を転々とする生活を強いられていた。
"Red"は大恐慌の影響で無一文となった両親により、
乗馬の才能を認められ草競馬の世界に身を託された。
3人は馬主、調教師、旗手としてSeabiscuitに魅入られる。

※ネタバレ※
実話を基にして作られた映画なんですね。事実は物語より奇なり。
Seabiscuitは復帰後3、4戦目で勝利を飾り引退したそうです。

一頭の馬をめぐる3人の物語。3人は一頭の馬によって慰められる。
Howardは馬好きのMarcelaに出会い競走馬の世界に興味を持つ。
SmithはHowardに馬への愛情を認められ彼に調教師として雇われる。
そして彼らは荒れ馬Seabiscuitを見つけ、荒れているRedを見つける。
3人はSeabiscuitにどんどんのめり込みそれぞれ孤独を癒していく。

特にRedとSeabiscuitとの間の友情がこの映画の一番のハイライト。
Seabiscuitに一番慰められたのは家族と離れ天涯孤独となった彼。
RedのSeabiscuitを見つめる目の温かさ。言い知れぬ愛情を感じます。
リハビリのシーンも好き。お互いの存在があったからこそ頑張れた。
HowardがRedを息子のように想う気持ちにも心温まるのもがあります。

実際に旗手として活躍しているGary Stevensがいい味を出しています。
Chris Cooperの朴訥とした感じも素敵。William H. Macyの実況も見物。

前半の時代や3人それぞれのバックボーンを描くシーンは少々退屈。
最後のRedによるナレーションも物語の中で既に語られていること。
余計なように思いました。2時間くらいにまとめて欲しかったです。
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