鈴々舎馬風師匠は、私の1番好きな噺家だ。
更に好きな五代目小さん師匠の風韻を最も感じさせてくれる。
ブラックユーモアの噺が多いが、素直に笑わせる。
兄弟子である立川談志もブラックユーモアを好んだが、馬風師匠のそれは毒は強いが嫌味と皮肉にならないのが人柄だろう。
先日帰り際の姿を見て涙が出そうになった。
衰えた脚で、決して手を借りずに少しずつ歩む師匠。
目が合うと「おー、ありがとうよ」と小さな声をかけてくれた。
「師匠を見に来るのが楽しみです、お身体に気をつけてください」
私がそういうと、しんどそうにはにかんだ。
ロケット団もホンキートンクもにゃん金師匠も馬風一門。
色物弟子になる。
馬風師匠は懐が深く、謙虚な人物でもある。
馬風一門だったあした順子ひろし師匠の事は尊敬していたし、自らを高くする事の少ない人でもある。
馬風師匠を見る度に、あと何度見られるかと思う。
ただ、時間が許す限り馬風師匠を観に行くつもりでいる。