ロケット団の漫才、様々なネタのパターンがある。
代表的なものは山形では、四字熟語だろうか。
極めて面白いが、三浦君のはちゃめちゃなフリに翻弄される倉本君が見せる全身を使うツッコミが面白い。
昔と違い、表情や仕草、立ち位置を使ってツッコんでいる。
最近は更に、観客をも使ったツッコミを模索している様に見える。
あれだけの場数を踏んだベテランでありながら、新たなツッコミを探求するのは凄いと思う。
また、倉本君が挑み続けてなお受け止める三浦君の凄さは想像を絶するものがある。
個人的に三浦君の誘導で、気付けば倉本君が悪者になっているネタが好きだ。
昨年も何度も見たが、倉本君が微妙に変えながら挑んでいるのが分かる。
三浦君は不動だからこそ、相対的に倉本君の変化が見えるのだと思う。
ロケット団は、この二人の高い技量の産み出す強烈な面白さが魅力だ。
純度の高いしゃべくり漫才で、スタイルとしてはクラシカルな装いもある。
綺麗な漫才であり、明るく楽しい漫才。
人を貶める様な性質のネタは無い。
短時間に山場を詰め込んで、客にぶつける様な昨今の漫才とも違う。
寄席は基本的に落語が主体なので、漫才の持ち時間はコロコロ変わる。
ロケット団は10分でも5分でもきっちり笑わせる。
持ち時間で常に綺麗な山の字を描く構成力は、寄席漫才師の強みだ。
喜味こいし先生も生前、劇場で鍛えられた旨を話している。
ロケット団の漫才、その魅力を最大限に堪能出来るのは30分を超える大ネタを観る時だ。
独演会でのお楽しみだが、今から待ち遠しく感じる。