漫才の本場は、と言えば上方だ。
しゃべくり漫才そのものが秋田實とエンタツアチャコから始まっている、というのは歴史的事実。
中田ダイマルラケット、夢路いとし喜味こいしという大名人を生み出した漫才王国。
漫才師の数も、東西で圧倒的に西が多い。
古くから江戸落語の大喜利で行われた地方軽口も、二人の落語家によって演じられるコミカルな掛け合いという点ではしゃべくり漫才に近いかもしれない。
であるが、やはり別物であろう。
日本チャップリン梅廻家ウグイスが東京で最初に萬歳師を名乗って約一世紀。
漫才協会もリーガル万吉、都上英二、コロムビアトップ、リーガル天才、そして内海桂子。
現会長の青空球児で6代、67年の歴史を重ねている。
戦前の帝都漫才組合から数えれば88年。
素晴らしい漫才師が綺羅星の如く現れてきた。
コロムビアトップライト、リーガル天才秀才。
内海桂子好江、獅子てんや瀬戸わんや、松鶴家千代若千代菊らは戦後昭和のスターの代表格だろう。
その芸の系譜は今なお進化を続けている。
現在の東京漫才、代表選手といえばやはりナイツだろう。
内海桂子の愛弟子であり、漫才協会副会長と常務理事のコンビ。
実力、人気、知名度に加え、組織の長としての資質にも恵まれている。
間違いなく次代の漫才協会の中心だろう。
ロケット団は知名度ではナイツに劣るかもしれないが、漫才の技量は勝るとも劣らない。
理事同士のコンビだが、個人的には現役日本一の漫才師だと思う超実力派だ。
宮田陽昇も漫才協会副会長と理事のコンビ。
漫才の面白さもさることながら、所作の美しさは素晴らしい。
鉄板ネタの日本地図は何度見ても笑ってしまう。
ホンキートンクも復活しつつある、と思う。
キャリア差は令和の内海桂子好江という感じか。
非常に楽しみだ。
U字工事や錦鯉の様な人気者もいる。
漫才大行進を観ると、本当に面白い。
素人同様の者もいるが、そこから成長するのを見ているのも楽しいものだ。
ベテラン勢の完成された芸を観るのも時間を忘れてしまう程。
素晴らしい東京漫才、観に行くのが楽しい。