ナイツの戦略性には凄みを感じる。
漫才協会の幹部として、協会を今日の盛況に導いたのはナイツであり、それも長期、短期共に有効な戦略に基づいて動いている。
漫才協会の弱点は、発信力の弱さだった。
多くの人的資源を抱えながら、それを活用出来ていなかった。
ナイツは、まず自らの師匠である内海桂子をネタにした。
現役最高齢の内海桂子が健在で、舞台を務めている事は世間に驚きをもって受け入れられた。
青木チャンスがチャンス青木に改名。
新山ひでやカツラ問題。
ナンセンス痴呆症発症。
大瀬ゆめじうたじ解散。
世間から見たらどうでもいい様な事をネタにし、発信し続けた。
おぼんこぼんの不仲問題などは大当たりのネタになり、ちょっとした社会現象となった。
東洋館に足を運ぶ人が増えれば、元々タレントの宝庫。
客は満足し、次に繋がる「贔屓」になる。
若手に関してもどんどん名前を出す事で、客の関心を呼び寄せた。
残念ながら解散したが、さんまのしっぽの逆M-1優勝などはその好事例だ。
ベテランを活性化させる事で若手に好影響をもたらす。
ベテランの芸から学ぶことが出来て、若手には着実に実力が養われる。
評判が良くなり、客がやって来る。
三方よしの協会運営には敬服する他ない。
東京漫才の灯は護られた。
ナイツと、それを支えるロケット団、宮田陽昇、山口君と竹田君、ねづっちらの力に拠る大きな効果だろう。
内海桂子の残した弟子は、東京漫才(演芸)の大黒柱となった。