その眼差しの向こうに何が映っていたのか…。


お隣にある

とても丁寧で親切なクリーニング屋さんが

3月末で廃業した。

ウチが引越ししてくる以前からあるので、

もう何十年とやっていたのだろうと推察する。

お隣りという立地的便利さはもちろんのこと、

本当に丁寧な仕上がりと

店主の気さくな人柄で高感度マシマシ。

料金はクリーニング受け取りでオッケーだし、

引換券の記名はこちらから言わなくても

名前も顔も覚えてくださっていたので、

サクッと(あんまり読めない💦)。


ウチで洗濯できない季節ごとの上着やスーツ、

儀式に参加した後のちょいとオシャレ着。

何より子どもたちの制服各種。

散々お世話になった。

特に制服は、

お急ぎの場合も

お店が許す限りのスピードで仕上げてくれた。


家族経営のクリーニング屋さん。

父親(80台後半?)と息子(60代半ば?)の

親子二代で乗り切っていた。

三代目はどうやら継がないらしい。

先代女将さんは

いつもシャキッとしてて元気いっぱいだった。

受け取りの時も気持ちよく挨拶してくれた。

ところが

もう10年くらい経つだろうか?

詳しい事情は分からないが

天に召されてしまった。

ちゃきちゃき元気な女将さんがいなくなって、

なんとなくお店も静か。

ちょっと寂しい雰囲気。

それでも

ほぼ休みなく続けてくれたお店。


まだずっと続くと思ってた。

まさかなくなっちゃうなんて…。


先週は解体業者が来て、

お店の機材の搬出。

特殊な機材などもあるのだろう。

相当大がかりだった。 

あぁ、本当になくなっちゃうんだ、と

思い知らされる光景だった。


そして今日。

外出先から帰宅した時、

道路対岸から見た光景。

トラックに積まれた

お店の内装だったであろう粗大ゴミ。

トラックは、

ちょうど車の流れが切れるのを待っていた。

そして動き出す。

うず高く荷台に積まれたものを

トラックが動き出してもなお、

しばらくじっと見つめる店主。


それはものの数十秒だろう。

だがその光景は、

そこだけ時間が一瞬止まったみたいに

切り取られていたかのようだった。


どんな経緯でどんな家族会議があって

廃業を決めたのか。

なんとなく想像がつく。

それでも深いところは分からない。

だが我が家にとって、

とてもありがたい存在だったことに

変わりはない。

だからこそ

今日の店主の眼差しと

切り取られた情景が

少しだけ私の心をギュッとさせた。


何かが始まれば、

その何かが終わる時はきっとくる。

ものごとに不変はない。

(そうは言っても)

頭でわかっていても、

なかなか感情的に受け容れられないこともある。


だからこそ「今」を大切にしたいと思う。





Endless SHOCKと光一くん!

単独主演記録更新おめでとう。