先週の金曜日に友より教えてもらった

期間限定 abema 無料視聴の『トッケビ』。
2話ほど間に合わなかったので、お馴染みのゲオレンタルで補って・・・
(ちょうど旧作品1枚55円、1枚無料クーポン付きの期間だったので)
ついに完走!爆  笑

いま、abema では終了後の特別番組

(ナビ:”死神”<イ・ドンウク>とサニー<ユ・インナ>)を
無料放送中♪

 

主演のトッケビ役コン・ユさんは、

大沢たかおさん似で勝手に馴染みだし、

イ・ドンウクさんは

いまMXテレビで『九尾狐伝』を放映している最中だし。
・・・ドンウクさんは、死神とか九尾の狐とか
「東北出身の錦戸亮くん」みたいなルックス(意見には個人差があります)なのに

ちょっと変わった役ばかりやってるな〜と気になっていたら、

・・・蠍座でした。

あ〜〜ね〜〜(勝手に納得爆  笑

 

ともかく、

もうね、色々な人から「夢中になった」「最高!」と聞かされていたけど、
これほどとは・・・
先述したようにコン・ユさんは、

大沢たかおファンの間でも「似てる」と評判だけれど、

たかおさんがあんまり表舞台に出ない年は、心寂しいファンがコン・ユさんに流れ、

トッケビ見て帰ってこなくなった・・・

なんて都市伝説もあったんだけど、

いや、ちょっとそれわかるわぁ〜〜ラブ飛び出すハート

 

いや、私にとっては

たかおさんの『仁』とコン・ユさんの『トッケビ』

世代を超えて残したいドラマの二大巨頭となりました。

 

ちょっとね、『クラウド・アトラス』を見た後のような

頭がクラクラする感じとともに

『仁』視聴後の、胸が締め付けられるような切なさと

愛おしさと

人が生きる姿は、とてもいいものだ・・・という思いが

綯い交ぜになって

しばらくはただ涙を流して放心しているような状態でした。

 

『トッケビ』を見ていない人生から

見た人生にパラレル・ジャンプした・・・

という気がする。

私にとっては、それくらい大きな分岐点の作品です。


 

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あらすじは・・・

 

高麗の武臣で英雄だったキム・シンが、

王であるワン・ヨ(を唆した奸臣パク・チュンホン)によって非業の死を遂げ

精霊トッケビとなって、

死ぬこともできず生き続ける物語。

彼を安らかな塵に帰すことができるのは

「トッケビの花嫁」だけ。

 

・・・という感じで、

始まりは、みにくいアヒルの子が王子様(のような一種の鬼神)と出会う
少女漫画的ファンタジック・ホラー。

ヒロインのチ・ウンタク(キム・ゴウン)が高校三年生の時から始まるので、
(18歳〜29歳を演じ分けられるの最高!)

  ※正確に言えばウンタクとトッケビの出会いは、

   ウンタクが胎内にいる時からだけど、

   これはゴウンさんではない(当然!)ので

トッケビ(コン・ユ)の見た目は35歳くらいだし

(最終話間近に39歳らしいとわかる)

実年齢(?)は900歳(高麗時代から生きてる?……死んでる?……精霊)だから

歳の差ありすぎ!」「ロリコンなの?」
というDVD視聴コメントも苦笑しながら頷けて、
ま〜こんな感じか、と軽い気持ちで見始めたのですが

 

回を重ねるにつれて

同居人となった”死神”(イ・ドンウク)とトッケビ&
トッケビの高麗時代からの家臣一族の最年少者ユ・ドクファ(ユク・ソンジェ)
の喧嘩仲間からの〜ブロマンスが良くて良くて♪ラブ

 

と思って楽しんでいるうちに

”死神”が死神となった理由がわかり、

”死神”に「処理漏れ」と呼ばれ続けるウンタクの存在理由もわかり

彼らと深く関わる、

ウンタクのバイト先の社長サニー(ユ・インナ)が加わり

生まれ変わり死に変わる人と人ならざるものたちの

志や思いや愛情や憎しみが

韓国ドラマらしく抉るように胸に突き刺さり始めたら

・・・もう、トッケビの胸に刺さった剣のように

抜けなくなりました・・

 

唐突に頭を流れたのが、

「あなたの過去など〜しり〜たくな〜いの〜

すんでしまった〜ことなど〜しかたが〜ないじゃ〜ないの〜」

<昭和歌謡『知りたくないの』(菅原洋一)>

・・・子供の頃は意味がわからなかったんだけどね。

「あなた」の過去はなんでもしりたいのに、なんでそんなことがあるの?

と思ってた。

好きな人の過去なら、何でも知りたい、と。

 

オトナになってやっと、

知らなくてもいいことも、あるよね、と感じるようになりました・・・

人生の苦さや酸っぱさや

痛みや悲しみが

ちょっとだけわかるようになるとね

 

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以下、ネタバレを含みます。

ご注意ください!!!

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トッケビが、死神に

「誰かに言って欲しいものだ。

もう充分だ、それだけ苦しめば充分だ、と」

と語るシーンが好きです。

ベジタリアンの死神のため、

レンコンのカレーとうさぎカットのりんごを作って持ってきてあげて、

「食べろ」というシーン。

 

死神には、600年の地獄と300年の”死神”生(?)があり

そうなってしまった過去世を知った後は、

ただひたすらその大罪に懊悩し、

自分が死に至らしめた最愛の人への

後悔と愛おしさに悶え苦しみ泣き続ける”死神”に

死ねない精霊トッケビがかける言葉の重さ

しかも二人は宿業の相手で。

 

ここまでたどり着くのに

どれだけの年月と

どれだけの心の深まりが必要だったか

 

心を強く揺さぶられたというだけでなく

人の生死や、精霊、死神の存在、

一種の神観念についても

この作品はとても独特でしたーーーーー

 

神は「蝶」🦋なんです。

プシュケー

 

英雄でありながら非業の死を遂げ、

”神”に想いを投げかけたものが精霊トッケビとなり

 

目、口、行い、心・・・で犯した罪の重さで

人は自ら地獄へ沈み

 

自死したものは”死神”となり

正しく粛々と人の生死を見守り

死者を行くべき世界に送り届けることで
やがて過去を思い出し、

忘れ果てた名を思い出し

生きたいと思い始める

その時ようやく”死神”は

自分を許すことができ

”死神”の役目を終える

 

・・・根底に深い愛情を感じる思想だな、と。

 

”産神”という、媼であり

赤いコートの美女でもある”存在”が出てきます。


「トッケビの花嫁」をこの世に授けた時、

「私はとても幸せだった」と感じている神。

この作品の根底に流れているのは、

この想いなのでしょう。

 

 

”神”についても、

今の私には、ものすごく腑に落ちる考え方、でした。

 

(以下のセリフは、

やっぱり、韓国ドラマが好き」さんを参考にさせていただきました。

 ちゃこさん、ありがとうございました。)

 

死にたいのに

"神"が死なせてくれないと言うトッケビや、

前世の記憶を消したのは

"神"の意志だ、と言う死神に対して、

 

死を嘆願する機会も与え

自ら記憶を消す選択をしただけなのに、

神の計画や失敗だと言うのか?

 

神はただ質問をするだけ。

運命は私が投じた質問だから、

答えはお前たちが探せ。

 

以前、韓国ドラマに『神のクイズ』というタイトルの作品がありましたが、

仏教的な輪廻思想もベースにしながら、

キリスト教色も強いのは、

韓国独特だな、と感じています。

 

「神は問うだけ」

というのが、ものすごくしっくりきました。

 

死にたいと願うトッケビには「花嫁」を授けたし、

死神が自分の名前と過去を忘れたのは、自ら選んだから。

悪業の罪も

神が裁くのではなく、

その重さで自ら地獄に沈んでしまう

 

”神”という蝶は

全部用意してくれているけれど、

選ぶのはすべて人間。

 

人間の織りなす絨毯を

その蝶は、見ている

しばしば、鱗粉のような金色の

「情」をかけながら

 

情・・・愛情

フェアリーダスト

 

いとおしい

うつくしい

たいせつだ

 

全編その思いが流れているのがわかりました。

 

生まれ変わり死に変わり、

痛みを重ね

愛を重ね

人の世は

切なくて

苦しくて

美しい

 

きょう斃れた恋人たちも

生まれ変わって歩き出すんだな、と

『時代』(中島みゆき)を頭の中で流しながら

しみじみ涙を流しました。
(最終話が本当に最高!)

 

余談だけど感動したシーン:薄い文字にします・・・

最終話で、生まれ変わった”死神”が、かつて名乗れなかった名前を

生まれ変わったサニーに名乗った時、心が震えました。

 

”死神”のとき、ウンタクに名前を選んでもらう中にあった

「カッコイイ」名前の一つ、ヒョク。

「カンナム署のイ・ヒョクです」

とスムーズに自分の名前と職業を名乗れる

”死神”と呼ばれる敏腕刑事に、生まれ変わって。

 

そうか、人の業と生死を、

刑事としてまだ見つめ続けているんだな、と。

 

でも、再び出逢ったんだな、出会えたんだな、と。

互いに思い合いながら壮絶な別れ方をしたワン・ヨとキム・サンでもなく、

生きていないものと生者なので結ばれるはずもない

”キム使者”としか呼ばれない”死神”と美人社長のサニーでもなく、

刑事と女優として出会うことができたんだな・・・

 

ロケ先でスタッフが部屋をとり忘れた・・・

などという見え見えの口実を作って

二人で仲良く一部屋しか空いていない(!)モーテルに入っていくような
普通なら「要らなくね?」のシーンすら

ただただ良かった良かった・・・と思えました。

漸く、930年振りに、肉体を持った男女として

普通の恋人に成ることができたわけだから。

その尊さ・・・

 

なにもかもが尊い、と感じて

汚穢ある世界であっても

何か全く違ったものに見えた気がしました。

 

「蝶」の視点とは

こういうものなのでしょうか

 

   ★  ★  ★

 

良いドラマを見ることができました。

「友」よ!
ありがとう!

貴女に出会えてよかったことが

もう一つ増えました。