注文したパンにはベーコンが入っていた。
約20年豚肉を食べていなかったからなのか、
においが気になる。
おいしいとも感じなかったけれど、
どうやら私はマインドコントロールにはかかっていないようだ。
罪悪感もなければ、高揚感もない。
たったこれっぽちのために、
家族がばらばらにされることの無意味さの、狂気を憂う。
山猿夫婦を招聘することに、
冷静に矛盾をついた。
夫は声を荒げて、
馬鹿!お前には関係ないことだ!
彼らを呼び寄せて、日本に住んでもらいたいんだ!
と本性を現した。
私が日本人だから、あなたはここに住んでいられたんだよね。
私は黙ってしっかり心を固めた。
夫の金(見せ金)で、
山猿名義の500万円の通帳をつかい会社を設立させるのだと。
山猿の金ではないのに、
山猿は社長になるってこと???
こんな抜け道あっていいの。
数日間の不機嫌な私の顔色を伺いながら、
どんな会社をつくろうか?
不機嫌である私を、
しょうがないな~~~~となだめるように。
不機嫌である私が、
まちがっているかのように。
でも、石の心の私の目は、もう笑えないよ。