昔、夫が軽度な交通事故なのに逮捕されたことがあった。


負傷者は打撲のみ・・・・

一般的に考えても不可解な逮捕だった・・・


信号無視を認めない夫を

警察官は”お前ら外人はみんな同じだ!”と怒鳴りつけたそう。


逆切れして、わめき散らす夫を

クスリをやっているかもしれない。

拳銃や偽造テレホンカードを持っているかもしれない。


外国人だから、逮捕すれば何かでてくるかもしれない。

 と、考えての逮捕だったのかもしれないと思っていた。




突然の真夜中の逮捕劇。

パトカーに乗せられた夫は、留置場に向かう途中に家に寄った。


車に積んであった食料品を届けるためだった。




食料品の袋の中に、輪ゴムでまとめられた10枚ほどのテレホンカードがまぎれてた。

袋を受け取るときに夫は私に目配せしたようだった。


その場面が、私の記憶の中ではすっかり抜け落ちていたのだった。





まだ赤ちゃんだった子供を連れて、留置場に面会に行ったこと。

学齢期の子供たちに父親の不在をごまかすこと。


2,3日の異常な体験のために、

大事なことがすっぽり抜け落ちていたっていたってことに気がつかなかった。



不当逮捕されたと信じ込んでいた私が、

(その時の状況もすべて夫の口から聞いたものだった)

被害者の夫の名誉回復のために、一生懸命になっていた間、ずっと忘れていた記憶。




意図的にではなく、

大きな流れの中で、忘れていたことにも気がつきもしなかった。




私たちの署名運動に疑問を抱く人たちにも、

もしかしたら、

ご自分の信仰心ゆえ、忍耐ゆえ、起伏のある日常ゆえ、

記憶の隅に追いやってしまった事実があるかもしれません。


今一度署名内容について考えてみてください。


                               aysya