さぁ壮大な劇の幕が上がる。
金が儲からない日本にいるくらいなら、
飛行機代金を支払っても会いたいのは、
おとうさん、おかあさん、きょうだい しまい。
いい年をした大黒柱がこんなことを言ったら恥ずかしい。
理由をつけては、年に数度は帰っているし。
必要なのは大義名分。
コレで行かない人間は薄情者だと、嘯ける言い訳なんだ。
頻繁になる国際電話。
今日の相手は誰だろう?
誰かの具合が悪くなったり?
親族の離婚の危機?
親族家族のトラブル?
日本の家族も大切だけれど
ああ、俺は帰らなければならないのだと、
金以上に大事なものがあるのだと振舞おう。
帰りたい僕ちゃんと帰っきてもらいたいパキスタンの家族が合致する。
このご時勢家族全員で帰ろうだなんて、絶対無理。
経済的にも。時期的にも。
そんなこと僕ちゃんだって承知しているのだろうにね、
帰れない私に憎まれ口をたたきながらも、
正々堂々僕ちゃんは帰国のためにワクワクドキドキ。
どうせ帰国したところでぐうたら寝ているだけなのに、ね。