娘にもらったビー玉をビーズで包むように編んでいる。




偶然目を止めた新聞記事。

先月に亡くなったというその人の死因は、夫と同じ病名だった。



電磁波と小児白血病の因果関係を研究していたというその人は

かなりのバッシングを受けたらしい。



ブログをはじめるずっと前。

不安に押しつぶされそうになりながら、掲示板に書き込んだ。

病気と携帯電話や電磁波との因果関係があるのでは?


私と同じような立場の女性が書き込んだ。

私もそう思います。


別の彼女が書き込んだ。

私たち二人の無知をかばうかのように、強くそれを訴えた。



その病気と電磁波との因果関係説が、タブーだったことも知らない私だった。


古くから病気と関わる老人は否定する。

自らもその病気ではないかと疑いながら、書き込む電力社員は強く否定する。

多くの男性の意見たちが力で数で私たちをねじ伏せる。


何も言えない私と彼女だったから、

矢面の彼女がバッシングを受けた。

彼女は”ここへはもう来ない”と書き残した。


議論に立ち向かえない、女性の勘しか持ち合わせていない私は、

その他大勢の人たちに紛れて、ありがとうと引き止める言葉しか残せなかった。





お隣の彼女に保護されたひとつの手がない赤ちゃんヤモリ。

あまりのかわいさにペットにした。

生きた虫しか食べないらしいから、

バッタの赤ちゃんはかわいそうだからと、ありんこをつまみいれると

次の日にはありんこの姿は見えなかった。


手の上で小さくはねるヤモリがかわいかった。


ありんこではない枯葉の下の小さな黒い虫を入れた日の翌朝、

動き回るその黒い虫の傍らで、

死んでいたヤモリの片目は傷ついて尻尾が途中で切れていた。



良かれと思ってやったことなのに、

だから余計に悔やんでる。



下校した子供たちには”死んじゃったの”とだけ伝えた。

末娘の手には緑の羽根を持つ羽虫が握られていたから、

私にしがみつきながら、悲しみながら、その羽虫を逃がしてやった。




明日にはビー玉を編みこんだネックレスが出来上がる。


たくさんのカラフルな小石をちりばめたアクセサリーを作ろうと思う。

安っぽくて世界にひとつしかないアクセサリーを。