カノジョのイスラム教がうらやましかった。
カノジョは色々な事柄をクルァーンに照らし合わせて、
それがイスラム的かどうかを判断することができた。
カノジョはイスラム教徒と結婚していないから、
惑わされることもなく、カノジョの判断は確固としたものだったから。
カノジョが、全身から光を放つようなイスラム教徒の男性に改宗を勧められた、と述べた時だった。
はげた頭の男たちが満面の笑みを浮かべて拍手をしていたのが、
私は面白くなかった。
”勘違いしないでよ。あんたたちのことじゃないんだよ”と心の中で悪態をついた。
何かに酔っているかのように、続く彼らの自己陶酔は、さらに私をしらけさせた。
カノジョに私の苦しみは伝わらない。
私は濁り水の中にいる。
カノジョは輝いていた。
(リドリーさんの講演会にて)