【トルコ旅行記】イスタンブール編 ⑧ クリスが私に声をかけたワケ | 光を届けるパステルアート 心の宇宙に還る旅

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こんにちは🌞
 
 
ブログにご訪問頂きありがとうございます m(_ _)m
 
 
 
 
前話
 
 
の続きです (^^)
 
 
 
 
トルコ旅行記(2013年12月バージョン)
 
 
 
このお話の中の会話は
 
ピンクの文字がトルコ語
青い文字が日本語
グリーンの文字が英語
 
でお届けしています。
 
 
 
 
私が目指していた衣装屋さんのビルを丸ごと買ったクリス。
 
 
「ボクのオフィス」はそこに行くのだと思っていたので、ここから歩いてすぐだし、車で行く距離ではないと思っていましたが、車は全く違う方向へ。
 
 
スルタンアフメット地区よりももっと南に下っています。
 
 
多分海に近い方。
 
外を見て、道を覚えておこうと思いました。
 
 
暫く走って到着したのは、一軒の小さめなビル。
 
6階建くらいと思われます。
 
 
 
車は走り去りました。
 
 
私 : 彼はあなたの運転手さんですか?
 
クリス : そうです。 彼とは昔からの付き合いでよく知っている。 家族や孫がいて養わないといけないからボクのドライバーをしてもらってる。
 
 
ビルに入ってエレベーターに乗り、4階まで上がりました。
 
 
ここはホテルなんだ、と言われて見ると、確かにホテルの造り。
 
 
客室のドアなどが見えました。
 
 
ここから上は階段で、二階分上って現れたドアを開けると、そこは仕事用の長いデスクとPCやソファなどが置かれたオフィスでした。
 
 
金髪で素朴で優しげな若い女性が部屋の掃除をしていて、クリスが何か指示を出したのか、部屋から出て行きました。
 
 
オフィスのドアは少し開けておいてくれました。
 
 
あ、もしかして恋人ですか~?と聞くと
 
 
 
クリス : 彼女と彼女の母親と一緒に、(沢山ある)部屋の掃除とかやってもらう為に雇っている
 
 
とのこと。
 
 
午前中に行った最初のオフィスにいた金髪の若く美しい男性と似た空気感。
 
やはりトルコ人ではないそうで、東欧の人達のようでした。
 
 
どのような繋がりで彼らがクリスに雇われてるか不明。
 
 
でもこの人は需要と供給を生み出して循環させている。
 
 
 
このビルもあなたの?と聞くと、やはりここもビルごと買って、ホテルにしたのだとのこと。
 
 
更に、スルタンアフメット地区のメインの通り沿いに建つビルも買ったばかりで、そこもホテルにする予定だそう(立地が良すぎるので相当高いはず)。
 
 
 
どんだけ大金持ちですか???
 
 
トルコ語の先生が言ってた通り、日本人には想像できないくらいのお金持ちでした。
 
 
 
ベランダからは海が見えます。
 
賑やかでザワつく繁華街からは離れているけど、その分落ち着いていて、でも寂しい場所というわけでもなく、海も近くて良い場所です。
 
 
クリスは私をソファに座らせました。
 
 
クリス : 横になって休んで
 
 
 
いやいや、横たわらなくて大丈夫ですから。
 
 
 
クリスがものすごく悲しげな顔をしてガン見してくるので、じゃあちょっとだけ…と横たわると、早く良くなりますようにと言いながら、私の頭を優しく撫でました。
 
 
 
クリスのお話が止んだのでなんとなく目を開けると、至近距離にクリスの顔がありました。
 
 
まさに吸い寄せられるかのごとく近づいてきたので、とっさにクリスの顔面をガシッ!と掴み、上体を起こしながら遠ざけました。
 
 
私 : 何するの!!!ムキー
 
クリス : ご、ごめんなさい 💦  つい…
 
 
危なかった。。。
 
 
先程の運転手さんが現れ、良い匂いのする銀のお盆が運ばれてきました。
 
 
クリス : 有名な◯◯の店のキョフテだよ。 凄く美味しいから食べて。 ここで食事にしよう。
 
 
。。。ありがとう
 
 
クリスは自分のデスクの椅子に座り、私に会った時のことを話し始めました。
 
 
クリス : ボクは今朝、お祈りに行ったんだ。 ボクはムスリムだけど、お祈りなんて殆どした事が無かった。
でも、ボクは結婚したくて、今朝神様に真剣に祈った。
 
お祈りの後、すぐにあなたがボクの前に現れた。 一目見て分かった。 神様がボクのためにあなたをよこしたんだよ。
 
 
 
… それ絶対違うと思う。
 
 
 
そして、
 
クリス : 日本語は難しいので英語で言ってもいい?
 
 
と言って
 
 
ああ、この気持ちをなんと表現すればいいんだろう。。。
 
 
と、うっとりしながら英語で想いを語り始めました。
 
 
 
クリスとは今日、午前中に出会ったばかり。
 
私の友達に嫉妬したりしたのは、トルコ人はヤキモチ焼きが多いので、そういうものかと思っていたのですが、ガチなやつだったとは・・・滝汗
 
 
どこか品があったし、一生懸命仕事をしてるようだし、真面目そうではあったので、体目当てとか、そういうことは無いだろうと思っていたけれど。
 
 
これはマズイ展開になってきた…
 
 
私 : あなたとは今日初めて会いました。 私はあなたを好きではありません。
 
クリス : ボクは結婚する人との新居を建てているところなの。 見て。
 
 
PCの画面を見せてきました。
 
 
人の話を聞け
 
 
画面には、完成予定図と思われる家のデザインが3Dで展開していました。
 
これが本当なら、ものすごい豪邸です。
 
 
 
クリス : 今日ね、実はボスフォラス海峡にかかる橋に、Welcome to Istanbul YOSHIE って電気で光るように手配したんだ。
 
 
 
電飾のこと?
そんな事ができるなんて知りませんでした。
 
 
 
クリス : それをボクの船に乗って二人で眺める予定だったんだよ。
 
 
 
へ~、船まで持ってるのか。。。
 
って、海の上に連れ出されたら逃げ場が無いところでした。
 
 
それに、レストランに行くって言ってたよね?
船なんて聞いてませんが。
 
 
 
クリス : 船には300本のバラを散りばめてあるんだよ。 さっきのドライバーの彼に用意させた。
 
 
 
この短時間の間に、あのドライバーさん可哀想 滝汗
 
 
 
クリス : 実はボク、まだ経験が無いです。
 
 
 
・・何の??
 
 
クリス : そういうチャンスが何回かはあった。 言い寄ってくる女性が何人かいたので。 でもボクは彼女たちのことを好きにはなれなかったし、そういうことは結婚する女性としかしたくなかったから。
 
 
 
そんな 生々しい 告白まで打ち明けられるとは・・
 
しかしそれが真実かどうかは知らないし、私には関係の無い話です。
 
 
クリス : でもね、やり方は知ってる。 本や何かで学んだから、きっとうまくできる。
 
 
 
それを私で試さないでもらおうか。
 
 
 
クリス : ここはオフィスだけど、仕事で疲れたらそのまま泊まれるようにキッチンもあるし、後ろのドアにはベッドルームもあるから。
 
 
もうここまでだと思いました。
 
 
ベッドルームに連れていかれたらおしまいなので、今の内になんとかしないと。
 
 
 
私 : あなたの事を好きじゃないと言いました。 だからダメです。
 
クリス : だってこれは運命だから! ボクは双子の子供を持つ事が夢なんだ。 ボクのために双子を産んでほしい。
 
 
 
だから違うって。。。真顔
 
それに無茶苦茶言いだしました。
 
 
 
もしも自分の気持ちを無視してお金目当てで結婚したとしたら、一生安泰かもしれません。
 
 
この展開に拒否感を感じているけれど、その内もしかしたら好きになるんだろうか?
 
 
 
短時間の内に色々頭をよぎりましたが
 
やはり、今この瞬間好きではないし、そんな状態で先に進みたいとはどうしても思えなかったので、やはりお断りしました。
 
 
橋の電飾の手配も、300本のバラも無駄にしてしまうけれど、私が知らないうちにされていたことであり、私の気持ちを確かめることもしませんでした。
 
 
このタイミングで体調が悪くなったのも、私にとってそれは違うのだと告げているのだと思います。
 
 
クリスは尚も説得を続けてきました。
 
優しく言ったり、駄々をこねてみたり。
 
 
私はこんなところで何故説得されているのか・・
 
自分の中の冷静な部分が引いています。
疲れたし。。。
 
 
 
クリスの説得に私が全く折れないので、クリスはキレて暴言を吐きました。
 
 
その暴言に私がキレ返すとクリスはハッとして謝りました。
 
 
でももう遅い。
私は、早くドライバーを呼ぶように頼みました。
 
 
クリスが携帯電話でドライバーさんを呼びます。
 
 
 
その後クリスは力無くベランダに出て行きました。
 
 
程なくして、音楽が聞こえてきました。
 
 
イントロが演歌っぽい。
 
 
トルコには日本の演歌に似た曲調の音楽があります。
 
きっとクリスは自身の傷心を慰めようとしてるのだ。
 
そっとしておこう。
 
 
 
歌が始まりました。
 
 
 
涙には
 
いくつもの
 
思い出がある
 
 
 
んん?
これは・・・
 
 
 
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吉幾三さん「酒よ」です。
 
 
演歌に似た曲じゃなく、本当に日本の演歌だった!!
 
 
ベランダに出て窓も閉まっているのに聞こえるとは結構なボリュームでかけています。
 
 
 
ここはシリアスな状況なのに、思わず吹き出しそうになり、クリスに見えないように顔を下に向けて笑いを堪えました。
 
 
ウケ狙いではなく、本気でやってるのですから。
 
 
 
暫くするとドライバーさんが来てくれました。
 
クリスは、玄関まで送ってくれました。
 
気持ちに応えられずごめんなさい。
 
最後まで悲しそうなクリスでした。
 
 
 
 
自分が泊まっているホテルを知られたくなくて、ドライバーさんに、スルタンアフメット地区のメインの通りまで送ってもらい、降ろしてもらいました。
 
 
緊張状態が続いていたので、やっと大きく息ができる感じでした。
 
 
 
この後、うまく帰れなくなるのですが。。。
 
 
 
 
続く おすましペガサス