ヨン 此所で何をしておる
叔母上は、俺とそいつを交互に見ると一瞬眉をひそめた
何だ?
俺は振り返り、そいつを見た
恭しく頭を下げるこいつに何故か違和感を感じるが
放して 痛いわよ
俺の腕の中で、もがくこの方に直ぐに意識は削がれた
大妃様
我が許嫁はまだ高麗の仕来たりに慣れておらず、少し言い聞かせたい事があるのですが、この者と二人で話しをさせては貰えませぬか
ヨンの言葉に大妃は頷き女官を呼ぶ
この者達を客間へ 警護は良い…二人にしてやれ
チェ・ヨン邪魔はせぬ ゆるりと話すがよかろう
えっ? え~ 大妃様 待って …じゃなくて、お待ちください
皆に睨まれ言い直しておるが、この件に関しては、この場に居るものは皆、俺の味方のようだ
俺は嫌がるこの方の腕を引くと大妃に頭を下げ女官の後についた
嫌よ 嫌だってば~ 大妃様~
この期に及んでもまだ駄々をこねるこの方を俺は呆れて見下ろす
往生際の悪いお方だ 観念して下さい
俺は皆の見ている前でこの方を抱き上げた
叔母上の後ろに控えていた女官の間から悲鳴に近いものが聞こえた
叔母上の下で厳しい訓練を堪えてきた女官でさえ声を上げるのだ
俺の体面は丸潰れだ
どうせ後から叔母上の小言を聞かねばならぬ、ひとつ増えた所で変わらぬか
俺は、いつになく大人しくなったこの方を胸に抱いたまま女官の後をついて行った
大妃様、甥が御前で失礼な事を…
頭を下げるチェ尚宮に大妃は笑顔を向けた
構わぬ あの者を見ておると幸せだったあの頃を思い出す
のう ミョンファよ
大妃様もったいのうございます
頭を下げるチェ尚宮に大妃は続ける
そなた達も募る話があるであろう
ここは、もう良い
二人で話してきたらよい
されど…
構わぬ 久しぶりに愉快な気分じゃ
そなたも少し休め
大妃はチェ尚宮を促した
ではお言葉に甘えて、この者をお借り致します
チェ尚宮が次に顔を上げた時は、柔らかなミョンファの顔になっていた
あ…また正体書いてないや
怒られそう。。。。゛(ノ‥)ノ
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注:ここでは、チェ尚宮様の名前はミョンファで書いています