スカナ島 3年と2ヵ月 | 地球にマングローブを!!FROMインドネシア

地球にマングローブを!!FROMインドネシア

緑豊かな、地球を目指して!(Yahoo!ブログから移行してきました)

2009年11月1日(日曜日)

天気は曇り時々晴れ


この日は、日本からのお客さんも2名も一緒だ。

大分銀行佐伯駅前支店支店長の首藤哲哉氏と大分県の共栄船渠株式会社代表取締役の山本健二氏だ。

共栄船渠株式会社は、バタム島の250haの干潟にマングローブを植林し、「共栄の森」を作っている。

私たちは、その「共栄の森」の植林業務を預かっている。

前回の記事で、この2名の方についてお話した。


スカナ島干潟にボートで近づいていくと、離れた所からもマングローブの様子が見て取れた。

マングローブの葉っぱの緑色がどんどんはっきりと見えてくる。

イメージ 1



下の写真は、波打ち際のマングローブ達の様子である。

マングローブの葉っぱの色が青々として見える。

この辺りのマングローブは、2008年8月~10月に植林したオオバヒルギだ。

現在、植林後1年1ヵ月~3ヵ月。

前回の視察の時よりも、葉っぱが増えている。

イメージ 2



下の写真は、波打ち際から10m程度の場所。

イメージ 3



さっきの波打ち際のマングローブと同時期に植林したのだが、

こっちのマングローブの方が成長が早めだ。

背丈が10~20cmくらい高く、葉っぱも大きい。

地盤高が低いために浸水時間が長くなる。

また、泥等の付着物がたくさんついている。

波打ち際のマングローブの成長が遅めなのは、これらが成長の阻害要因になっているのだと思う。

イメージ 4



下の写真は、アチュンさんである。

このスカナ島の植林責任者だ。

最近は、熱心にマングローブの世話をしてくれている。

前回の時も、自主的にこのスカナ島植林現場に、

マングローブへの注意喚起を促す看板を自分で作って立ててくれていた。

マングローブ管理に対して、真剣に取り組んでいる姿勢が伺える。

最近のスカナ島のマングローブ達の成長が良いことが、意欲をかきたてているのかもしれない。

イメージ 5



次の4枚の写真は、スカナ島干潟の中心部分だ。

2007年5月の本植林でオオバヒルギとフタバナヒルギを混合で植えている。

今現在、植林後2年6ヵ月になる。

本植林を開始してすぐに植えたこの辺りは、まだ植林技術も未熟なこともあり、植林の間隔が狭い。

通常は2m間隔で植林するのだが、この辺りは、1m~1.5m程度の間隔になっている。

そのため、写真で見てもわかるように、やや密集しているように見える。

イメージ 6


イメージ 7


イメージ 8


イメージ 9



次の4枚の写真は、試験植林で植えたフタバナヒルギだ。

2006年9月に植林し、現在は、植林後3年と2ヵ月になる。

下の写真は、試験植林の時に、試しに50cm間隔で密集させて植林したフタバナヒルギ。

ほとんど全ての個体に支柱根がでており、枝葉もたくさん付いている。

密集して植えたことで、最初の方は、成長が早く順調だった。

なかまが近くにいることで、お互い励ましあって成長していたのかもしれない。

しかし、最近になって背丈の伸び方や枝葉の広がり方が小さめになってきた。

多分、隣同士の間隔が狭いから、枝葉の横への広がりが抑えられ美味になっているのかもしれない。

イメージ 10



下の写真は、さっきの写真を違う角度から撮影したものだ。

かなり隣同士で枝葉が接しているのがわかる。

自然構成林では、隣同士の枝葉が重なり合った状態でも成長していることを考えると、

このフタバナヒルギも今後成長を続けていくことは間違いない。

密集して植えていいこともあれば、あまり良くないこともある。

あまり密集して植林すると、後に大きくなってきた時には、間引きが必要になってくる。

そのため、最初からある程度間隔を取って植えた方が、最終的に大きくなれるようだ。

イメージ 11



下の2枚は、さっきと同じ試験植林で植えたフタバナヒルギだが、

こちらは、さっきより間隔を広く空けて植えた分だ。

1~1.5m間隔で植林している。

イメージ 12


イメージ 13



次の2枚は、試験植林で植林したオオバヒルギで、今、3年2ヵ月だ。

イメージ 14


イメージ 15



3年2ヵ月になるオオバヒルギ。

支柱根が更に枝分かれしている。

イメージ 16



これは、上の写真の拡大図。

イメージ 17



{こっちの支柱根は手のようになっている。

イメージ 18


これは、上の写真の拡大図。

イメージ 19




今回も毛虫がいた。

前回の8月の時には、毛虫に葉っぱを食べつくされているマングローブは2本だけだった。

今回は、それが5本に増えていた。

下の写真は、その毛虫に葉っぱを食べられたマングローブだ。

黄色い丸で示したのが、蛹で、赤丸で示したのが、毛虫。

イメージ 20


前回3個程度しかなかった繭が、今回は25個程度あった。

また、今回卵も発見した。

イメージ 21


この写真では、はっきりとは見えないが、(ピンボケしてすみません・・・)

直径が1.5~2mmくらいで、ウズラの卵のような斑点がついていた。


前回この虫の被害拡大と観察するために、経過を見ようと駆除は一切しなかった。

今、インドネシアは雨期に入っていて、このバタムでも連日激しい雨が降っている。

そのため、蛾がバタム島本土などから長距離を移動して新たに入ってきているものは

ほとんどないのではないだろうか。

前回いた幼虫が成長し繁殖して、今回の数まで増えたのだろう。

前回8月には、7~8匹くらいだったのが、この3ヵ月で40匹くらいになっている。

およそ5倍だ。

そう考えると、これから3ヵ月後には、その5倍の・・・200匹!!

これは大変だ!!

しかも、毛虫は海水を避けているのか、背の高い良く成長したマングローブに生息している。

このままでは、せっかく順調に成長しているマングローブが、食べつくされてしまう!

毛虫には悪いとは思いながらも、今回は毛虫の駆除に踏み切ることにした。

マングローブについている蛹や毛虫や卵を棒きれで突いて、地面に落した。

さすがに殺すのはかわいそうかと思い、地面に落すだけにした。

しかし、その中の1匹が水たまりに落ちてしまった。

すると、体中に生えている毛で、水面上に浮いてくると、体をくねくねして泳いでいる!

しぶとい・・!!

少々の水には耐性があるようだ。

このままでは、また、マングローブに泳ぎ着いてしまう心配がある。

かといって、踏みつぶして殺すのは、あんまりかと思ったため、

毛虫には、そっと土を被せておいた。

できれば、土からはい出してきませんように!と祈りながら、現場を後にした。

イメージ 22



Ayo menanam bakau!!