年明けてから、

なんやかんや、

本当に忙しい。


やらなくちゃいけないことが、

頭や肩にのしかかっている感覚である。


本日、

théâtre Paris Kidori は、

午後のライブで、

終了後、

後片付けをひとりで、

終えて、


グリストラップの清掃。


グリストラップとは、

簡単に言うと、

厨房の床に埋め込んである。

排水の濾過装置である。


物件を借りるとき、

不動産屋に強く付けるように言われた。


次に入る人のためにもと、


店が潰れることが前提の言葉である(爆)。


だが、工事して、設置した。


家庭より、

料理しないし

フライパンやお皿の油は、

ティッシュで拭ってから

洗ってるし

そんなに汚れないと思っていたが、


これがまぁ、

油脂がヘドロ化して

こびりついて

汚れるのだ。


これが、

直接は排水溝に流れていたらと

思うとゾッとすると共に、ふと、

築50年以上の自宅は、大丈夫かと心配になる。


兎に角、

イメージは、

昔の汚い路肩の下水道を

掃除する感じである。


怠ると悪臭がしてくる。


知人の多くの店は、

業者に頼んでいる。 


そんな余裕はない。


だが、

若いスタッフには、

やらせない。


ウチのスタッフは、

皆アーティストで、

こんな汚いことは、

させたくないし、

ピアニストも歌手も、

プライドを持って


輝いて、


お客様方に

当然レスペクトされる、

存在でいて欲しいからだ。


生活感を感じさせないで、

お客様の日常に、

生きてるのではなく、

舞台の上だけに

存在していてほしいのだ。


留学や生きる為に、

人が嫌がるであろうことを

アルバイトで沢山してきた。


それは、

オレのココロを蝕んだし、

卑屈にさせた。

そんな思いは、オレで終わり。


でも、

作業しながら、

いろいろ考える。


その時間は、

自分に帰るとても大事な時間。

だから、若手男子には、

簡単なお掃除をさせるが、


洗い物は、

させない。

オレが、アルバイトで、

洗いながら、

グラスが割れ、

手のひらをヌッた経験があるからた。


ウチのスタッフは、

ピアニストだし、

歌手だし、

舞台が控えてる。


だから、

ドブサライは、

店主。


ひと月、

洗い物は、

全部店主。


店主は、給料なし。


ドブサライを終えて、


夜ご飯の材料を

買いにでかけたら、


ある老人が、

店員さんに品物をわたして

から、

怪しい動き、

あっち、こっち

店員さんが、

お金もってる?


老人は、

ないよ。


じゃあお会計できませんよと。


認知症のようである。

綺麗なセーターを着ていた。

ご家族いらっしゃるんだろうなと。


胸が痛んだ。


店主が

ドブサライまでして、

ギリギリ保つ、

小さな劇場。


ここから、

生まれる音楽だけが、


救いである。


だが、その先が、

認知症だったら、


オレの人生って、、、。


だが、


救いを得る為に、


今日も、


ドブサライなのだ。